面影

日々の中で心に感じたことを綴ってゆきたい

スズメの減少

2009年03月19日 15時43分19秒 | Weblog

「スズメの国内生息数が50年前の1割に減少」というニュースを読んだ。言われてみれば、最近彼らの姿を見かけない。朝の「チュンチュン」も聞こえない。

これを発表したのは立教大学特別研究員の三上修さん。彼は2008年5月に秋田、埼玉、熊本の3県でスズメの巣の分布密度を調査、そこから国内の生息数を推算した。その結果、国内には約1800万羽のスズメがいることがわかったという。それでも人間の数の7分の1。本当に減っているの?

「環境省は有害鳥獣としての駆除捕獲数を、農林水産省は農作物の被害面積を公表しているんですが、1960年ころの駆除捕獲数は現在の30倍、農業被害面積にいたっては60倍。こうした数字を考え合わせると総数は50年間で10分の1、あるいはもっと少なくなっている可能性があります」(三上さん)

では、なぜ減ったんでしょうか?

「あくまでも推測ですが、住居の近代化で巣を作る場所が減った、エサをとる場所である未舗装の小道や公園・空き地が減ったことなどが原因だと思われます」(同)

一方で、スズメ減少はこんなところにも影響。京都の伏見稲荷大社参道で大正時代から続く名物、「スズメの焼き鳥」を売る店が絶滅の危機に瀕しているのだ。背景には中国産スズメの禁輸と高齢化による猟師の減少があるが、残る2店のひとつ、国産スズメのみで販売を続ける「稲福」社長の本城忠宏さんは「個体数の減少」も大きいという。

「いま確保できる量はピーク時の3分の1。息子の代にはメニューから消えているかもしれません」(本城さん)

猟期は11月から2月にかけて。稲を刈り終えた田んぼに「無双網」と呼ばれる専用網を仕掛け、おとりとして網の中央に生きたスズメを置くらしい。

「スズメは警戒心が強いので、網の張り方ひとつにも長年の経験が必要」(同)というから、後継者不足は深刻だ。

絶滅を防ぐためにも、三上さん、さらなる研究をススメてください!

((石原たきび)R25編集部、nifty)