どうでもいい日記

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夢は海外移住…か?

前航空幕僚長の一件

2008年11月16日 09時27分35秒 | その他雑考
どーも。週末集中更新中です。
あちこち覗いて,ようやく人並みの情報量を得られたかなと。
整理するためにも,じゃんじゃかエントリぶちかましてみる。

前航空幕僚長の一件。
話は出尽くした感があるけれども,
この騒動は,論点の曖昧さが,とても面白かった。
ちいとばかし長くなるんで,お暇な方だけお付き合いください。

論点を整理すると,
1.氏の論の正否
2.氏の立場でそのような論をぶち上げたことの正否
まずこの二つがある。

これらに加え,さらに論点は増える。
3.文民統制のあり方
4.文民統制と言論の自由の矛盾
5.マスコミ報道のあり方
まあ,おおよそこんなところだろうか。

てなことを踏まえ,思ったことをつらつらと。

氏の論の正否については,
これは個々人は判断すべきものと考える。
個人的には,全面的に賛同できるけど,
まあ,主流ではないわな。

しかし,氏の立場を考慮すると,これは難しい。
政府見解との齟齬があることは明白で,
軍人と行政官との間に,歴史認識に関する溝がある。
これは,文民統制の観点から問題になって当然だろう。
個人的には,いわゆる“村山談話”こそカスだと思うけれど,
それはそれとして,公にしちゃダメな話だったのかなと。

氏は国会で言論の自由をぶち上げたけど,
優先されるべきは文民統制だと私は思うね。
たとえ思っていても,公人として言ってはいけないコトがある。
頭の中で思っているだけなら問題にはならない。
退職後に論文を発表すればよかったんだ。

しかし,氏も大人げないと思うね。
「私が声かければ1,000の論文が集まる」なんて,
これは一種の恫喝だろうよ。
1,000人の自衛隊員が集まれば,ま,クーデターは無理としても,
自作自演の,ちょっとしたテロくらいは企てられる。
政治家もナメられたもんだ。

自分が守るべき者が悪人であった場合,
その護衛を担当する者の心理はどうか,想像してしまうね。
さらに,自分が護衛してやっているにも関わらず,
悪人当人からは,お前の存在こそ悪だ!と言われ続けたら。

どうもね,私なら耐えられないような気がするんだ。
軍人さんて,この世で最も誇り高い仕事だと思うのです。
というか,誇り高く士気を保ってないと,やってらんない。
日本じゃ自衛隊は鬼子扱いだけど,たぶんそれじゃダメなんだ。
軍であって軍とは認めないなんて,冗談もいい加減にしろっつの。
そういう意味で,憲法はいずれ改定しなきゃならない。
ま,それはずっと後でいいと思うけど。

それにしても,特筆すべきはマスコミのだらしなさ。
NHKみたいな公営ならまだしも,
(あれはデータ放送,新聞を読んでるだけだからね)
民放の及び腰のみっともないこと。

この一件は,報道側に明確な主義・主張がなけりゃ伝えようがない。
どの局も,自分達の立場が明確にならないようにビクビクしてたな。
怖くて触れないのが見え見え。キャスターの存在意味なし。
挙句の果てに,氏はカネに汚い,みたいな人格否定に走ってるし。
論点をずらすにも程がある。視聴者をバカにするんじゃないよ。
ニュース番組だと思って観てたら,まるでお昼のワイドショー。
ネットに客を奪われるのもよくわかるぜ。

ま,総じて,日本の軍事に一石が投じられたという点において,
今回の騒動は,それなりに意義はあったと思う。
ただね,それを受け入れる側の国民に大きな問題があるね。
なんのことやら我関せず,てな顔をしてるヤツが大勢いる。
マスコミも大事な点をぼかすから,
この一件が国民自身にどうつながるか,そこが全然わからない。

唐突だけど,やっぱり理想は武装中立なんだろうなあと思ったな。
米国の経済低迷が長期化すると,たぶん軍事費削減の話がでる。
もしそうなると,在日米軍の縮小・撤退の話もでてきて,
中国が大喜びすることになるだろう。
もしかしたら台湾の前に,中国の沖縄侵攻っていう目もでてくる。
彼らは兵隊が何人死のうと気にしない。獲れるまで獲りにくる。
現在の日本の軍事力では,おそらく守りきれないはず。

今,日本がやるべきは,米ドルや米国債の買い支えじゃない。
そのカネを軍事費にあてて,自国を自国で守れる体制を作ること。
これだけは,前航空幕僚長の主張が正しい。
米国にばかり目を向けるんじゃなくて,アジア地域の安定を見据える。
長期的な視点が必要だと思う。舵取り,難しいですな。

まさに,劇場版パトレイバー2の世界ですよ。
国家というものは,日本だけに限らず,常に戦争状態にあるのです。
要は,国民にその自覚があるかどうかの差でしかない。
日本人は,刺激を刺激として受け止められないほどに鈍感になってる。
だから,こういう騒動もたまにはいいんじゃないの,という結論になる。
残念ながら,そろそろ起床すべき時間なんだろうね。

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