ドラマーhiro中川のブログ

セッションドラマーのhiro中川によるコラム、インフォメーション

こんな状況になって改めて思う「プロってなに?」

2020年05月17日 23時31分13秒 | その他
またまたご無沙汰しております

緊急事態宣言が39都道府県解除になってコロナも終息に向かいつつあるような風潮で夏日だった今日も普段の日常にやや戻ってきた空気を感じます

今までにも9.11、3.11とありましたが今回のは今まで以上の、今までに経験したことのない先の見えない状況ですよね

緊急事態宣言が全国で解除されても僕ら音楽家の一番の仕事である「ライブ」が出来るのはいつのことだろうと思ってしまいます

幸い僕はレッスンを出来るスキルとスクールを運営しているというのがあるのでまだ何とかなってますが演奏メインの音楽家にはかなりヘヴィですね

こういう非常事態が起こった時、真っ先に無くなるのがエンタメなんです 9.11も3.11の時もそうでした なので、ある程度は慣れているつもりでしたが今回は先が見えな過ぎてさすがに僕もグロッキー気味です

そこで表題の「プロってなに?」って話です

プロってお金を頂ける演奏能力、スキルさえあればプロになれると思ってますか? 確かにお金を頂くにはお金を払う価値のある演奏能力が必要だというのは承知の通りです

では演奏能力さえあればプロになれると思いますか?

答えは「ノー」です

何故か? それはどんな状況になっても辞めずにやっていこうという「覚悟」と「腹を据えている」気持ちがあるかどうかです

例えば40歳くらいになって頑張って自分が得意なフィールドでプロとしての演奏スキルが身に付いたとします そして自分に配偶者や子供が2人くらいいたとします 今やっている仕事は収入も十分で昇進しそうな気配もあるとします

その場合今の仕事を辞め、音楽家としての道を目指そうとして果たしてやっていけるでしょうか ましてや今のようなコロナ騒ぎです

殆どの人は留まり、会社や家庭を優先するでしょう もちろんそれが悪い事ではありません むしろ正常な判断です

もしプロの世界に入れば途端に凄い人たちがたくさん周りに出来て熾烈な椅子取りゲームが繰り広げられていますし、現在では尚更です でもアマチュアならば好きな時にすれば良いし、スキルもしっかりあれば少し優越感を持って楽しめるのではと思います

これはホントに凄いと思いますが、知り合いのドラマーで会社勤めをしながらプロ活動している方がいます スタジアム級のツアーもやられています このような方は稀だと思いますがちゃんと両立しています

ここに留まる音楽家は背水の陣で後ろが無い人です そうじゃないと乗り越えることは難しいと思いますし、収入が無い間はバイトしたりしてでも何とかやっていこうと思うでしょう

そういう音楽家は引き受けたお仕事はしっかり果たすでしょうし、信頼関係も結べるでしょう そしてその信頼関係で仕事は繋がっていくと思います

よく「あの人プロなのに下手」とか「俺の方が上手い」なんて言う人をみかけますが、演奏の技術のスキルのみで成り立つ世界ではないということです

現在のこの状況で全てを捨てて音楽家になれたら、その人は「本物」だと思いますし、ご縁があれば一緒にお仕事したいです

当たり前だと思っていた世の中があっという間にかき消されてしまうような状況でも耐えていけるマインドを持てる人、それでも音楽、ドラムが心から好きな人が本当の「プロ」ってことなんだと思います

ですので夢を潰すつもりはありませんが、ホントに良く考えてから覚悟を決めて欲しいと思います 長い人生、何が起こるかわかりません

そうして飛び込んだ世界には「死んでもいい!」と思うくらい幸福な演奏が出来る時がごく稀にあります。僕も今までに2回くらいあります それはこの世界に飛び込まないと出来ない出来事でした

それを体感する為には人生の他をかなり犠牲にしないと出来ません 一般的に言われる幸せをかなり捨てないと出来ないです

これは僕の個人的な意見であって絶対ではありません ただ、どんな仕事でも「覚悟」と「腹が座っている」ことが大事で、それを持っている人には敵わないということなんです


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