さて皆様方は日本国内において自然の山野で大きい蛇に
お目にかかった事がございますか。それが2m以上或いは3m
以上有りましたか。有ったとすると相当大物ですね・・・。
それでは話の続きでございます。時刻は草木も眠る丑三時、
漆黒の暗闇と静寂が支配する中を「出たぞ―」という空気を引き
裂くような叫び声が我々の目を覚まさせました。その声と一緒に
ワンワンと鳴き叫ぶワンコの鳴き声も聞こえました。その声はと
言うと頼もしいというよりも恐怖に戦(おのの)いている様に聞こえ
否が上にも緊迫感が高まりました。
そこで飛び起きて懐中電灯と棍棒を携え、一目散に声のした
方に駆け寄って行きました。そして発見者が指さす方向、昨日の
晩に我々が上がって来た参道の石段に目を遣りました。
私が見つけた時にはその怪物は既に石段を通過して叢(くさむら)
に進入して来ていました。それを見た時は「わぁ!」と言う驚愕の
言葉しか出て来ませんでした。我々が居る境内から怪物が悠々と
進んでいる所まで僅か7~8mの距離を置いて対峙したのです。
対峙したと言えば恰好良すぎます。実は皆脚が竦んで動けなか
ったと言った方が正解でしょう。誰一人としてそのモンスターに近づく
者はおりませんでした。更に頼もしいワンコも全く攻撃する気配など
見せませんでした。
そうです。相手は超弩弓の大物でした。懐中電灯に照らされた
姿はまるで電信柱かと思いました。でもそれがゆっくりと動くのを見て
初めて大蛇だと判りました。一体どれ程長生きしたらこんなに大きく
成るのでしょう。
実際電柱だと思ったので、電柱の大きさから推定すると体長が
10mで胴体の径が25㎝は有ろうかと思われる南米アマゾンの
アナコンダも真っ青の巨大な蛇でした。
結論を申しますと大蛇捕獲作戦は予想外に巨大だったので、
完全な失敗に終わりましたが、一生に一度しか出あう事の出来ない
モンスターに遭えた事が収獲でした。
今日はこれで終わります。