雨の降り続く中、次は総社宮の傍らに建つ「まちかど郷土館」を訪ねました。
この建物は古き良き明治の香り漂う建物として人気を集めており、そして
現在から明治にフィードバックして夢の時空を散策することができるでしょう。
まちかど郷土館は明治43年に旧総社警察署として建築され、現存する
市内唯一の明治洋風建築で有形文化財に平成18年に指定されております。
入館すると直ぐに案内の男の方が来られ、今ではとても珍しい「紙風船」を
手渡してくれました。往時を偲(しの)べば、これも立派な販売ツールとして
役立ったのではないかと想像しました。勿論妻はとても喜んで頂戴し、大事に
持ち帰っております。
ここを訪ねて初めて知ったのですが、備中は越中富山と双璧を為すほど
売薬で有名だったということです。館内ではその華やかなりし時代を髣髴
させる薬の数々が、上の写真のように所狭しと並べられておりました。
そしてそれを証明し、事実を補完するかの如く売薬営業の看板がぎっしりと
並んで壁に掛けられており、疑問を挟む余地なく素直に納得いたしました。
その頃の薬売りの代表的なスタイルをマネキンを使って再現していますが
そのマネキンが良く視るとどう見ても彫りの深い欧米人のように見えます。
これには些か違和感をおぼえましたが、こういう格好をしていたんだということは
よく判りました。
そして備中の売薬を語る上でこれを忘れてはなりません。
当時の看板薬「犀角湯(さいかくとう)」です。万能薬として人気を博し、単に
人の病気に効能があるばかりか、牛馬にも特効薬として重宝されたというから
実に凄い薬だったんでしょうね。
その他珍しい物を写真に収めていますのでご覧下さい。
以上まちかど郷土館のリポートでした。