雨晴(はれ)や蚊屋のうちなる朝たばこ
(江戸屋敷)
馬迄も萌黄(もえぎ)の蚊屋に寝たりけり
おそ起(おき)や蚊屋から呼(よば)るとうふ売(うり)
手をすりて蚊屋の小すみを借りにけり
梟(ふくろふ)よ蚊屋なき家と沙汰(さた)するな
蚊屋つりて喰(くひ)に出る也夕茶漬(ゆふちやづけ)
翌(あす)も翌(あす)も同じ夕(ゆふべ)か独(ひとり)蚊屋
田の人よ御免候らへ晝寝蚊屋