雀したしや若葉のひかりも
誰もたづねて来ない若葉が虫に喰はれてゐるぞ
日の照る若葉はゆらぐともなく
ぶらんこぶらぶら若葉照る
窓の灯みな消えて若葉はそよげり
道は若葉の中を鉱山へ
芽ぶくより若葉する湯けむりをちこち
山は若葉の、そのなかの広告文字
明けてくる若葉から炭焼くけむり
いちにちのつかれ仰げば若葉したゝりぬ
枯れきつて何の若葉かそよいでゐる(家康鎧掛松)
桑畑の若葉のむかうから白馬連峰
こんやの寝床はある若葉あかるい雨
しみじみ濡れて若葉も麦も旅人わたしも