つれづれなるままに弁護士(ネクスト法律事務所)

それは、普段なかなか聞けない、弁護士の本音の独り言

2019-01-25 15:34:04 | 日記

 

メキシコとの国境に壁を作る、作らないでトランプ大統領と議会がガチバトル状態のアメリカですが。

今まで誰にも聞けなかったことをちょっとこのブログを借りて、こっそり、尋ねてみたい。

えーと、あの、いまさらなんだけどさ。

 

なんで壁作っちゃいけないの?

 

トランプ大統領のことは個人的には好きではないが(というより、大嫌いだ)、彼は別に、

「メキシコとの国境に壁を作る」=「中南米からの移民を一人もアメリカに入れないぞ」

と言ってるわけじゃないように思うのだがどうだろう?(別にトランプ語録をすべてチェックしているわけではないので、もし、そう言ってるんだったらスマン)

「正規の手続きを踏んで、アメリカ国内でも正しい市民として生活してくれる人とか、政治的な迫害を受けてアメリカに逃げてこざるを得ない人も、十把一絡げで壁を作って拒絶じゃぁぁぁ」

とも言っていない(はずだ)。

彼は、

「アメリカに入国してくるのは構わない。但し、正規の手続きを踏んだ、アメリカが入国を認めた者だけだ。」

と言っているだけだ。

あったりまえじゃん。

 

ところが、トランプ嫌いのマスコミとか、民主党とか、その支持者にかかると、

「トランプ」→「壁」→「白人至上主義」→「差別主義者」→「移民の国であるアメリカを否定」→「クソ野郎」

というふうに話が展開していってしまう。

不思議だ。

 

「トランプなんか大嫌い。クソ野郎」バイアスを外して聞けば、要するに彼は、

「犯罪者が紛れ込んでいる不法移民にこれ以上アメリカに入ってきてほしくないんだ!」

と言ってるだけだ。

あったりまえの主張である。

 

アメリカとメキシコの長い国境線を考えれば、「正規の手続きを踏まない、アメリカが入国を認めない者」も国境を越えてアメリカに入国している事実は厳然と存在するわけで、それに対処するにはもはや壁を作るしかない、というのはそれほどおかしな主張ではないように思う。

「国家が定めた手続きで、国家が認めた者だけに入国の許可を与える。それを潜脱しようとする者が多すぎて入国管理行政が正しく機能せず、ひいては自国民になんらかの危険が生じるのであれば、これまで以上に厳格な手段を取る。」というのは主権国家であれば当然の権利であり発想である。

「壁」という物理的なインパクトと、トランプ大統領のこれまでの(品のない)言動で話の焦点がずれてやしないだろうか?

「トランプが言ってることだから叩いとけばOK」というのは大衆迎合三流タブロイド紙としてはありだけど、ジャーナリズムとしては失格だろう。

 

日本は(たかだか5mとか10mそこらの高さしかない)「壁」より遥かに乗り越えにくい(数百から数千mの)「深海」に守られた国だ。

だからたまたま外国からの入国希望者を「正規の入国手続きルート」に誘導できているに過ぎない。

例えば。

日本海側の国境が陸続きで北朝鮮と接していて、九州西部の国境が陸続きで中国と接していて、北海道の国境が陸続きでロシアと接していたらどうだろう。

「トランプの壁」を盲目的に批判している人(日本にも大勢いる。)は、日本海側と九州西部と北海道の国境について同じことが言えるだろうか?

 たまには自分の心と目を覆っている見えない「壁」を取り払ってニュースを考えてみることも大切である。