つれづれなるままに弁護士(ネクスト法律事務所)

それは、普段なかなか聞けない、弁護士の本音の独り言

【2月に読んだ本】

2014-05-20 16:01:55 | 日記

「永遠0」(百田尚樹・講談社文庫)

「ひとごろし」(山本周五郎・新潮文庫)~【収録作品】壺、暴風雨の中、雪と泥、鵜、女は同じ物語、しゅるしゅる、裏の木戸はあいている、地蔵、改訂御定法、ひとごろし~

 

「永遠の0」が読み応えたっぷりで、結局、2月に読んだのはもう1冊だけ。

とはいえ、「もう1冊」も山本周五郎大先生である。

たった2冊だけど2月の本は内容充実なことこの上ないですな。

 

小説「永遠の0」は映画「永遠の0」より作者百田さんの政治的思想というか戦争というものに対する考え方が強く前面に押し出されてるので、「映画はよかったけど小説はウザイ」とか「小説に込められたメッセージが映画では希薄化してしまっている」とか、評価は二つに分かれるかもしれない。

私自身は「小説」と「映画」はまったく別のエンターテインメントだと思っているので、同じ作品でも印象が違って当たり前だと思ってます。

「小説」と「映画」の優劣を論じるのは「レモンティ」と「ミルクティ」の優劣を論じるようなもの。

「小説」は「小説」として、「映画」は「映画」として、それぞれ楽しめばよろしい。

 

「女は同じ物語」は周五郎先生の深い(深すぎる)女性観に裏打ちされた秀作。周五郎先生、さぞかしお盛んだったのではないかと推察致します。女を極め尽くした先の境地って、結局、こんなもんなんでしょうね(と、まだ極めていない私は推測で言うのであった。)。

「裏の木戸はあいている」は小説というフィールドで「人間賛歌」を描ききった周五郎先生の最高傑作の一つ。感動を通り越して脱帽してしまうでござる。バザールでござーる(古い)。

「ひとごろし」は確か映画化されているはずだが、大人向けの漫画とかでも読んでみたいですな(もし、漫画化されてたら教えてください。)。