ヌルい

萌えても良いですか?
…萌えないとダメですか?


by 雛多

『あまなつ』コンプ?

2006年08月29日 | ギャルゲ
※CAUTION 大してネタバレしないけど、念のため。



とりあえず、チュアブルソフトさんの『あまなつ』、メインの攻略終わり。
やー、CG閲覧モードで、1ページ丸々空いてるので、「何かあるのか!?」と思ったけど、未だ不明。あるのか?


なかなかに雰囲気の良い作品でした。
キャラの存在感とか、感情の流れとか、場の空気感とか、設定の必然とか。
その辺、挙げていきますね。

・キャラの存在感
びっくりしたのがキャラの声でした。大々的にオーディションをやったみたいなので、「どんなモンか?」と冷かし半分でいたのですが。すげー!
今まで、私の中になんとなく、「声優が声を当てると、こんな感じ」ってイメージがあって、いくら合ってろと思っていても、頭のどこかで「作られたもの」って感じは残ってたのです。
それがね、【真魚】の声聴いて、吹き飛びましたよ!! 真魚役の声優:高城流依さん、絶妙です。ある意味「声優が声を当ててる」イメージで考えると、「ちょっと違うかも」なんですけど。。。すごく自然なのです! 息遣いまで真魚って感じ。他のキャラに関しても、やっぱり自然な感じ。

その自然さ、キャラ自体にも感じられるのです。
ぎん太さんの絵もその1つ。あまりアニメっぽくないんですよね。(そこで好き嫌いが分かれるようですが) 塗りもガッシュで塗ったような絵の具的塗りで。一言で言ってしまえば、素朴な感じ。華々しい訳でなく、綺麗過ぎるでもなく、でも魅力があるキャラ達なのですよね。

この作品、舞台が鄙びた田舎町なんですよね。そこに住んでて違和感のないキャラ達(違和感あっても、設定で潰されてるので、必要以上の違和感はやっぱりあまりないのです) キャラをトータルして、やっぱり『自然』な雰囲気なのですよ。
また、作品世界にキャラが埋もれてるだけじゃなく、キャラがいて世界が広がってる(例えばポッツォであったり) 単に鄙びて寂れてるのじゃなくて、都会から離れてるから不便だけど活気のある村って雰囲気を作り出していますね。

あーそだそだ。【紗智】見直したよ。コイツただのバカじゃないよ、うん。
なんかサブキャラも魅力的な連中でしたよ。


・感情の流れ
なんと言って良いのか… 正直話が性急なので、流れもクソもないんですけど。でも、至ってしまった雰囲気とか、そうなる時の感情、と、その感情に至るまでの経緯は、分かるような気がします。(キャラ特定せず) 細かい所考えたらツッコミ処満載ですけど(^-^;)、なる時は一気に行っちゃうモンだし、幼少時代ここに住んでたって経緯もありますしねぇ(ちゃんと使えてない伏線ですけど) 主人公のヘタレっぷりも、まぁ分からないでもないので、許す!
ただ、やっぱ、もっと描き出す事できたのかもしれないって思いはありますね。エピソードが単発で端的で、繋がりが判然としないのも確か。ま、「丁寧に描写してくれればいいか?」って言われると、長くなるの必然ですし、ライターさんも書いてて制御できなくなるでしょうから(w 必要最低限のボリュームではなかったかと。
そうですねぇ…難しく考えないで言えば、各シナリオ毎に、私がボロ泣きしてたくらいなので、すごく良かったと思う。
クライマックスに流れる挿入歌「金色の野原」も絶妙なところでインサートされて来るし、主人公に完璧感情移入しちゃったのでした。


・場の空気
土地の空気感、すごく良く出ています。背景が良いですね。何だか匂いを感じてしまうのですよ。「潮の香りが漂ってそう」とか、噎せ返る程の植物の匂いとか。(※自分の中でそういうのを知ってるからでしょうが)記憶を喚起する背景だったなと。個人的に好きなのは、ポッツォ前の海岸沿いの景色。広角気味の広い視界に大きな空に、閑散とした道路。いかにも、な猟師町的田舎なのです。干物の香りすら漂って来そうな、取り繕っていない生活臭を感じて、それはもぅ世界に取り込まれてしまうのですね。
私は背景をすごく重要視します。背景ってキャラの後ろを埋める空間じゃなく、その場の空気を伝える手段だと思っています。作品世界を伝えてくるからには、世界観とマッチしてないと違和感が生じます。その辺ちゃんとしてるのが好きですね。(ただ、背景と設定は従ですが、背景と他の背景(横)は、イマイチ繋がってないような… 「道歩いてたら違う土地?!」みたいな感じはちょっとありますね)(ギャルゲの需要じゃ、この辺が限界か?)


・設定の必然
状況が起こるには、要因があるのですが。尽く、その要因が必然の如く設定に配置されてるのです。誘火とそれに纏わる設定であるとか、学校、修道会に関してとか、土地に関してとか。「起こるべくして起こってる?」って感じ。伏線をちゃんと生かすための準備って言うんでしょうか。よく練られてるなぁと。
そういう意味では、良いんでしょうが…神の掌の上で遊ばれてるみたいで恐ろしくさえある(w;
まぁ、さておき、『誘火』の設定はおもしろかったです、幻想的でした。謎の現象『誘火』は海水の発行現象…現世と常世の繋がる時であり、人魚が人の願いを叶える日でもあり。(まぁ結構無茶なシナリオが展開されるキャラもいますがw;) 『誘火』の日に向かって物語が動き出し、それぞれの立場で話が進み、その日に結論を向かえる…ってのは共通の流れですが、キャラそれぞれに『誘火』に対してのスタンスの違いは、なかなかおもしろいですね。
修道会って設定もまた。やっぱり禁教時代から続くってのがありがちですが、その禁教時代を経て連綿と受け継がれた村人の結束みたいな、独特の風習にまで至った設定は、見事です。それに修道会たる必然もまたあり。ま、修道制の事はよく分からないのですが、修道制の秘教的側面と信仰心が、物語に大きな影響を及ぼしてるのは事実。神父であったり、ソフィアであったり、良いトコ配置してんなーって感じでしたね。



こんなモンで。
私としては、かなり感じ入った作品です。まぁね、いくらついでとはいえ、大阪行ってグッズ買っちゃうくらいだからね、タダゴトじゃないですよ。
あんまり熱く語ってませんが、『萌え』とか言ったら【奈美】(攻略対象外)ですし、この作品にそんなの最初から求めてませんし。
『甘酸っぱい青春?w』 身悶えしちゃうし、声出して笑っちゃうし、そんな感情を思い出しつつ、噛締めるって感じがしっくり来るのかな、と。

メーカーサイトの掲示板観たのですが、結構不満のユーザーさんが多いようで。「これでも!?」って感じなのですけど…(まぁある意味分からんでもないですが) 前作の処女作『Pure×Cure』と比べてって意見が多かったので、前作がすごく気になる。そんなにすごいんか!? また折を見てやりたいですね。買いに行かねば。




とりあえず、次、『初恋撫子』をプレイする事が確定してます(w …てか、早くコレ書き上げて、プレーしてー!! 超期待の作品なので楽しみです。