なぜ太陽光発電には蓄電池が不可欠なのか
Q. 太陽光発電はピーク電力に使用すれば
良いので,蓄電池は不要なのではないか.
A. 太陽光発電が将来大容量導入され,
総発電量のある程度以上を占めるようになれば,
蓄電池は必要となります.
まして原発の代替として,太陽光発電を考えるのであれば
安定な供給実現のために蓄電池は不可欠です.
(そうでなくても,電力系統の安定性のために必要)
確かに太陽光発電は,夏場の需要のピークに近い時刻に
最大の発電量が見込めますから,なんだか良さそうに思えます.
しかし,以下の問題があります.
1)夏場でも発電ピーク時と需要ピーク時には,
数時間のズレがあるのをどうすれば良いのか.
2)冬場の需要のピークは夕方16:00以降にあるが,
どうするのか.
3)そもそも雨や曇りだったら,どうするのか.
1),2),3)の問題を解決するために,
蓄電池が必要なのです.
そうでなければ...
計画停電などの対策が必要になります.
特に3)の問題が厄介です.
日本には梅雨があり,10日くらい
雨や曇りが続いたりします.
この間,蓄電池は太陽光発電の代わりに
電力を供給しなければなりません.
電力は発電する量と使用する量(負荷)が
バランスしていなければならないという原則があります.
バランスが崩れると周波数が変動し,
それが許容量を越えると
系統内の発電所が次々と切り離されていきます.
(実は,風力発電,太陽光発電も,一斉に切り離されてしまう,
という問題を持っています)
電力が足りなければ,停電に至るのです.
たとえば,家庭の電力消費の20%を
太陽光発電で賄うとします.
家庭の一日の電力消費はおよそ10kWhですから,
その20%を10日分,すなわち20kWhの電力貯蔵が
必要となります.
そして,その電力を,雨の日が続く前の日までに,
貯蔵しておかなければならないのです.
(当然,毎日夜間に使う電力は別に使っています)
S社製の1.6kWhのリチウムイオン電池ユニットが
50万円程度ですから,どれだけ大変なことか
わかると思います.
電気を使わなければいい,という意見をよくネットで見かけますが,
(もちろん節電努力は最大限行うべきですが)
工場などの産業,病院や学校などの公共施設などは
どうすればよいのでしょう.
工場などでは,20%電力を使用できなければ,
20%ラインが稼働せず,20%損失が生まれることになります.
それは回りまわって,経済全体に波及し,
私たちの給料や雇用に影響を及ぼすことになるのでしょう.
実際には,雨季に関わらず,
晴れていても雲がかかれば,
太陽光発電の出力は大きく変動し,
太陽光発電の発電カーブはまるで櫛の歯のように
ギザギザになってしまい(出力が急激に増えたり減ったりする)
これも蓄電池などで補償することが必要だと言われています.
さもなければ,電力系統の電圧や周波数を適切に
制御することができません.
現在は,太陽光発電の出力の変動は
電力会社が自社の発電設備などで吸収しています.
しかし,今後太陽光発電が占める割合が増加すれば,
電力会社の調整力では不足することになることが予想されます.
結局,太陽光発電を導入する事業者などが独自に
蓄電池などの電力補償装置で補償することが求められるでしょう.
(風力発電も同様です)
このようにコストはかかりますが,
太陽光発電で安定した電力供給を得るためには,
蓄電池のような電力貯蔵装置は不可欠なのです.
セットで考えなければなりません.
どれも内容が濃いですし、記事数もまとまってきました。
カテゴリーを「原発・エネルギー問題」に移した方が、後読みの際、便利なんじゃないですかね。
また読みたいときに、そのほうが便利ですきに。(^^)
後で、直しておきます。
まあ、半分は、パクリですけど。笑
まあ、今世の半分の人生は、技術屋の端くれだったので、
直感では、太陽光なんぞ、原発のかわりにはならないと、
わかるんですが、何せ、専門家になりそこなって、
詳しく技術的には、言えないもんで、
研究者で、詳しく書いた人いないか、
探したらあったので、其処から、拝借しました。^_^
検索エンジンの上位に引っかかったので読まして頂いたのですが、納得行かない点があります。
原発は元々3割程度を占めていたと思いますが、それが無くても火力発電で足りています。
ベース電源って言う考えは不要では無いですか?
また、その定義は?
現状の問題は火力発電の燃料代が年間4兆円近く増えた事です。太陽光発電の出力が不安定でも、この4兆円を減らす効果はあります。
太陽光は原発の代わりにはならないと主張されてますが、そもそも原発が担っていた役割りは何でしょうか?その役割りが(正体不明の)ベース電源であれば確かに代替えは困難と思います。
しかし、原発の担っていた役割りは実は火力発電の燃料費低減であるとすれば、それは太陽光発電でも代替え可能であると思います。
「新たな暗黒大陸 エネルギー政策で失敗する欧州」
を見てください。
原発の役割は、火力による燃料低減だけではありません。
それは、あくまでも結果論です。
原発の変わりに火力にするというのであれば、
燃料費は増大し、他国に依存します。
さらに言えばCO2も増えます。
シュールも他国に依存し、メタはいにしても
今だ実験段階です。
燃料費が、今より安くなっても、
エネルギーを他国に依存するということは、
非常に危険であるということです。
原発の最大の利点は、エネルギーを他国に依存することなく、自国で供給できるという点です。
今のところ、エネルギーを他国に依存することなく、
供給できて比較的安上がりなのが原発しかない。
ということです。
その他のことを詳しく知りたければ、
カテゴリの原発・エネルギー問題に
ほとんど書いてあるので、見てください。
その通りと思います。
まさに輸入する化石燃料費を削減出来ると同意です。
>今のところ、エネルギーを他国に依存することなく、
供給できて比較的安上がりなのが原発しかない。
ということです。
ここがポイントですね。
でも0か1かの世界で無いのは確かだと思います。
自然エネルギーでも原発の何基かは代替え可能です。
何基行けますかね。しかも、時系列で考える必要はがあります。年数が立つほど自然エネルギーは有利になって行きますから。原発は逆ですね
心を一度白紙にして、原子力エネルギーとは何かを考えたほうがいいかもしれません。
個ではなく、公の視点が欠如してるような印象を受けます。
どこか、利己的な視点があるのかもしれません。
いやぁ、偉そうに書いてしまいました、スミマセン^^;
自然もいつかは、耐久年数がきますよ。
確かに、公の視点では書いていません。
それは、意識的に書いてないんです。
今まで、公の部分、つまり、国防や経済の面ばかりで、
書いていたので、実は、純然たる技術的な側面で、
いかに、脱原発が愚かな政策であるのかということを、
書きたかったので、長々と書いてしまいました。
英さんではなく、上記のコメントに対して書いてます。
びっくりしました^^;
そうだったんですか。
すいませんでした。<(_ _)>