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髭を剃るとT字カミソリに詰まる 「髭人ブログ」

「口の周りに毛が生える」という呪いを受けたオッサンがファミコンレビューやら小説やら好きな事をほざくしょ―――もないブログ

「ファリア ~封印の剣~」 レビュー (ファミコン)

2018-07-27 21:00:31 | ファミコンレビュー
トップビューアクションRPG
開発はゲームアーツ
発売はハイスコアメディアワークス
1989年7月21日発売

お話としては…

 聖書の時代に天空の神と魔導士『レビュア』との壮絶な戦いが256日も続いた。
 魔導士の力は強く神すら倒そうとしていた。
 神はドラゴンを造り、自らの命を封じ込めて戦い
 魔導士『レビュア』は倒され、その魂は剣に封じ込まれた。

 月日が流れこれが神話となり数千年の月日が流れた。
 ある日、雷鳴と共に封印が解かれた。
 古代最後の魔導士『レビュア』と5匹の部下が復活したのだ。
 その部下の1匹がお姫様を攫い『ゲルブの塔』に閉じ込めたという。
 『ファリア』の国の王『カシス』は娘である姫を救出に兵を出したが
 救出する事はおろか無事に帰って来る者も1人もいなかった。

 途方に暮れた王は旅の戦士に力を乞う事にして
 お触れを出した。

 「姫を救い出したものを姫の婿とする」

 偶然に『エド』の街にいた女戦士は
 姫の愛する村人たちの願いにより救出を決意した。




特徴

 あらすじの通り
 『ファリア』とは国名でありパッケージの女戦士の名前ではない。
 似たようなトップビューの剣を使うアクションRPG
 「ゼルダの伝説」で例えるのならタイトルが
 『ハイラル』となる。
 (絶対人気でねぇな…)

 だから最初に名前入力画面があるが
 デフォルトにしようとして空白のまま終わりにすると
 当然『ファリア』にはならない。
 そして、デフォルト名がない為に
 名前が

 「   」

 つまり空白となる。


さて本作独自の仕様が多いので説明していく。

まずは

 『フィールド』&『ダンジョン』

 ランダムエンカウント方式でエンカウントすると戦闘に移行する。
 ダンジョンは真っ暗であり『ライト』がないと照らせない。


 『塔』

 常に戦闘状態であり、攻撃が可能。
 「ゼルダの伝説」と同じく四方の端に触れる事でマップを移動する。

 『町』

 お店も若干他のRPGと異なる点がある。
 お店を利用するほかに店主とも話が出来る。

 『武器屋』『道具屋』は他のRPGと変わらないが

 『宿』:セーブを行う。

 『病院』:HPの回復出来るのと『薬』を購入できる。

 『マッドサイエンテストの店』:おかしなアイテムを売っている。

 『魔法屋』:『魔法』を売っている。
 本作の独自の魔法の仕様については後述する。



次にアイテム面

 『ライト』:ダンジョンで辺りを照らすのに有効だが
  『バッテリー』が続く限り照らす事が出来る。

 『バッテリー』:ライトをつけるための道具。
  数値があり、0になると当然『ライト』が消える。

 『ペガサスの羽根』:一度訪れた街に瞬間移動

 『太陽の玉』:塔やダンジョンから外に脱出する。

 『ジョンソン』:持っていると足が速くなる。

 『酒の酔い止め』:酒酔い攻撃(状態異常)を受けた場合の回復薬

 『傷薬』『治療薬』:HP回復

 『毒消し』各種:『弱い』『普通』『強い』の3種あり、値段が高い方が効く。



操作方法

 [フィールド時]

  十字キー:移動
  Aボタン:決定
  Bボタン:キャンセル
  スタートボタン:ウィンドウを開く

 [戦闘時]

  十字キー:移動
  Aボタン:剣での攻撃
  Bボタン:道具or魔法攻撃
  スタートボタン:ウィンドウを開く
  セレクトボタン:使用する道具や魔法の順次切り替え

 魔法も弓矢などとほぼ同じ扱いである。
 まず『弓』を買い、『矢』を消費する事で使えるという使い勝手だ。

 具体的に言うと
 『魔法』そのものを購入する事でまずは使用可能となるが
 回数が決められており、病院で休んでも回復しない。
 『魔法屋』で売っている個別の『つめかえ』を購入する事で
 その回数分を使用できるというわけだ。

 つまり
 『魔法』=『弓』
 『詰め替え』=『矢』

 と思っても良い。


 戦闘中
 トップビューのゲームだと画面端に行くと逃げられるものだが
 本作はエンカウントした敵に関しては(塔以外)
 画面端に移動しても逃げられない。
 ウィンドウを開く事で『逃げる』事が出来るのだ。

 逃げられない事はない。
 だが、時々『お金が減る』『経験値が減る』なんて事態が起きる。
 ペナルティという事だろう。

 このゲームの状態異常として
 『毒』がある他にこのゲームとしては
 『酒酔い』というものがある。

 食らうと勝手に攻撃してしまう。
 『酒の酔い止め』を使うか…
 スタート連打でウィンドウを何とか開いて『逃げる』

 『毒』は強弱があるので
 強い毒にかかっている時、『弱い毒消し』を使っても当然効果はない。
 そして、ウィンドウを強さを開いても毒の事についての記述はない。
 主人公の顔色で判断するしかない。


得点は30点


良い点
・特になし

悪い点
・タイトル
・見えない敵
・買い物の仕様
・町のお店
・HPが90以上が分からない
・選択武装が多すぎる
・ボスが弱すぎる


悪い点の解説
・タイトル
 何でパッケージキャラの名前を『ファリア』にしなかったのか甚だ疑問である。
 この辺りはネタバレ要素が絡むからここでの説明は差し控える。
 気になる方は下記のネタバレを見てね。


・見えない敵

 最初の森など入ると何もない所から魔法らしいビームが飛んでくる。
 (ビームは見える)
 「実在メガネ」というアイテムがないと見えない敵が出てくるのだ。
 じゃぁ、そのアイテム、すぐ入手可能かと言ったら

 ゲーム中盤~終盤辺りである。

 その間どうするのかなって?
 「逃げる」か
 見えない敵に対し敵の攻撃を見て大体、検討を付けて
 素振りして当てて倒すしかないって訳だ。

 中盤までキッツイなぁ…


・買い物の仕様
 このゲームはその店で取り扱っている物しか売却に応じない。

 例えば
 A町の武器屋で買った「短剣」を装備していて
 B町にたどり着き
 B町の武器屋で売っている「銅の剣」を買いたいとしよう。

 買い替えようとすると

 店主「それはここでは扱ってないよ」

 と、売却を断られるのだ。
 となるとA町に戻ってA町の武器屋で「短剣」を売りに行った後で
 B町に戻り、「銅の剣」を買う羽目になるのである。
 面倒くせぇ…
 もはや売らずに捨てるなんて手段をとるのもありかもしれない…

 そして、次のも絡んでくる…


・町のお店
 普通のRPGなら
 「道具屋」「セーブポイント(宿屋)」「回復所(病院)」の3店セットでも言うような物なのに
 本作では「道具屋」「セーブポイント」があっても「回復所」がないとか
 「武器屋」があるのに「道具屋」がないなんて町もある。

 だから上記の組み合わせとなるのだが…

 「Bの町で売っている『銅の剣』買うのに
  今装備している『短剣』を売るのにA町に戻らにゃならん」

 と思って瞬間移動系の「ペガサスの羽根」を使うと

 「ヤッベ!
  『ペガサスの羽根』1つしか思ってなかったんだ!
  A町来て、「短剣」売ったけど、』
  このA町には道具屋ねぇから別の町に行って『ペガサスの羽根』仕入れにゃならん」

 なんて事態は結構起こる。
 『ペガサスの羽根』は2つ常備したい。


・HPが90以上が分からない。
 HPは下部にゲージとして表示されるのだが
 ゲージ満タンは大体HP90ぐらいだろうか?
 最大HPはレベルを上げると200を超える。
 ではどうなるのか?
 変化しないのである。
 ゲージが黄色くなったり青くなったりと2重ゲージは採用していないのだ。
 一応、スタートボタンでステータスを調べればわかるけど…
 せっかく、分かりやすくしたゲージ、あんま意味ないで…


・選択武装が多すぎる
 セレクトボタンでBボタンで使う武装を選択できるのだが
 全て揃えるとその数6種。

 『弓矢』→『ジャンプ』→『セデの魔法』→『サバの魔法』→『爆弾』→『実在メガネ』→…

 アクションRPGで戦闘中にセレクトだけでの切り替えって面倒だぜ。
 ちなみにウィンドウ開いている時に変更は出来ない。
 そして6の覧がありアイテムなどがない空白でも
 カーソルはその空白欄を飛ばすことなく空白欄を選択する仕様なので
 カーソルを1周するのはセレクトボタンを6回押さなければならない。
 1つずつセレクトで切り替えなければならないのはだるい…

 ちなみに『爆弾』と言っても
 「ゼルダの伝説」のように壁に仕掛けて穴をあける事はない。
 ただの攻撃アイテムである。

 塔で逃げるときは『ジャンプ』を多用した。
 『実在メガネ』ぐらい、常時使用でええやろ。
 1つの物を固定したいのにしたいのに見えない敵が出て来た日には…
 そう考えると同じく見えない敵が出て来てメガネを取ったら常時見える
 後発の「エスパードリーム2」はちゃんと学習してるんやな~。


・ボスが弱すぎる
 「ゼルダの伝説」」のように一進一退の攻防だとか
 アイテムを使った謎解き要素があるボスの弱点を突くような戦いとかはない。
 突撃して剣を振るっていれば大抵勝てる。つまんね…




本作はマッピング推奨ゲームである。

難易度が高いとか不親切というよりは
作り手の意地の悪さを感じるゲームだった。
最初から出て来る見えない敵と言い、ダンジョンの一方通行の多さと言い。

悪い点とは言わなかったけども…
最初のダンジョンから一方通行が多く、仕掛けを動かすとある所の扉が開いているとかね。

髭人「最初のダンジョンぐらい奥進んでいたらボスがいるでええやん」

って思ったからね。
階層があるダンジョン構造なのである階の仕掛けを動かした時、
別階の扉が開いているなんてのもある。
しかも見た目で判断つかないし…
どこの扉が開いたのか…

一方通行の扉に一旦入ってしまうと前に来た道を遠回りしなければならないとか…
後は隠し扉みたいなものがあり、壁に触れると開くとか…
隠し扉はノーヒントである。

「ゼルダの伝説」のような自動マッピング機能もない。

軽い気持ちで遊ぶのはツライ…
(「ゼルダの伝説」も迷宮探しとか結構しんどいけど…)
ネットでダンジョン地図が公開されているサイトがあるので
そこで確認するのが吉。

このゲームは1989年7月21日発売である。
その3日前の1989年7月18日にカプコンから
トップビューの剣を扱うアクションRPG
WILLOW (ウィロー)」がカプコンから出ているんだよな…
その6日後の1989年7月27日にはアクションRPGではなく純粋なRPGの
MOTHER」が任天堂から出ている。
これらのメジャーメーカー作品に挟まれているというのはなかなかの不幸だわな。

髭人は普段、女子キャラが主人公だから良い点する事が多い。



↑:ビキニアーマーではない。
 ソフト絵上では分かりにくいが、
 箱絵ではレオタード風の衣装を身に着けている。

女キャラ好きな髭人が何故本作では良い点に含めないのか?
それはネタバレ欄で分かる…



そうそう。
『ジョンソン』ってアイテムがあるけど、終盤辺りに
『ジョンソン983』『ジョンソン979』ってアイテムがある。

戦闘中の足が速くなるんだけど…
元ネタは短距離の選手「ベン・ジョンソン」から来ているんだろうね。
1988年9月17日~10月2日のソウルオリンピックの100m走で
9秒79の記録を出し、金メダルを獲得した…が…
競技後の検査ドーピングが発覚。
メダルは当然はく奪された。
(本作の983の元ネタであろう
 9秒83は1987年の100m走時の記録
 この時はドーピングかどうかは不明)

そこから来ているんだろうけど…
発売時期から考えるに開発していた時期には
「ベン・ジョンソン」のドーピングはホットな話題だったんだろうね。
ただ、冷え切った今それを見ると何とも微妙な気持ちになるな…


さて…
「ハイスコアメディアワークス」から発売されたゲームだけど
得点は上記の通り、ロースコアとしか言いようがないわな…
って、このゲームRPGで得点ないからスコア関係ないけども(苦笑)


ここからがネタバレ





















製作側の感性を色々と考えさせられたゲームだわ。

まず最初に姫がさらわれたって事で幼い時の似顔絵が出て来るが
その画像は完全にイモムシである。

髭人「はぁ?」

って気がするが…
救出すると妖精であると発覚する。
(この世界は妖精は蝶みたいな存在で幼い時期は醜いって事か…)
最初の時点でのインパクトはあるが

髭人「助ける姫ってゲームとしてツカミの部分だろ?
 可愛らしい姫を見て
 『この姫をさらうとは許せん!必ず助け出す!』
 ってプレイヤーが燃える所じゃん。
 主人公女だけど…
 って女に関しては、置いておいて…
 その大事な姫の第一印象を敢えて外してくるとか…
 大丈夫か?このゲーム」

と、前途多難を予感させる一コマだった。


で、このゲームをプレイした人なら
ポートピア連続殺人事件」のよく言われる
「犯人は〇〇」というぐらいオチを言うのだろう。

「主人公は男」

だと…

パッケージの女戦士が本作の主人公であるのは間違いないが
真相をここでもうネタバレするのなら

元々男であったのが魔法によって女にされているのである。

その要素こそ、本作最大のドンデン返しというか…
ゲーム中、町民が言い伝えで

「ある男が剣を持って平和を取り戻す」

なんて言い出すのだが
別の所の人が

「女を男にする魔法があってそれを使われた国がある」

なんて伏線があったりする。
ちなみに髭人の場合、とあるファミコン雑誌に

「この主人公は実は男である」

なんてプレイ前に明かされちゃってた…
端っから男だってわかりつつゲームを始めたもんだから全く衝撃も何もなかった…
ゲームのサイトでもちょっとスクロールしたら
『男』ってネタバレしているサイトに出くわした。
うちのブログもその内に入るんかなぁ?
一応、「ここから先がネタバレ」なんて前置きを書いているけども…

何も知らずに本作を

「女主人公か!買おう!」

と思ってプレイした人は
ある一言で運命が狂ったとあるアニメの中尉みたいにこう言ったかもしれない。

「女の容姿なのになんだ男か…」

主人公にブン殴られるんだろうけどね(笑)
まぁ、でもクライマックス間近で女から男になるゲームってどうなんだろね。

性別を水とお湯で切り替えられる

「らんま1/2」

で例えるとするなら…
週刊少年サンデーの1987年38号から1996年12号まで連載して
単行本は全38巻との事だ。

ずっと女らんまのままで掲載し続けて35巻ぐらいで
実は元は男だったと判明するなんてものである。
そんなん大荒れやろ。
「らんま1/2」は水かお湯をかぶることで性別が変わると最初から分かっていたからこその人気である。
本作は打ち切りが決まって作者がヤケクソになって自らの作品を壊しにかかるマンガみたいなもんだなぁ…

しかし、元が男なのにレオタードアーマーを身を包むって…
主人公、元々、女装趣味があったんだろうか?
いや、案外、

「折角、今、俺、女なんだし
 男の時では着れないような色んな服装着てみるか?」

女でいる事を楽しんでいるのかな?(笑)

そんな髭人が考える主人公の心境はさておき
プレイヤー側としては…
上記の女子キャラ使いたいって男のプレイヤーはこの展開に萎えるだろう。
「ドラクエIII」のように名前、性別、職業を決められるゲームなんか
パーティ内に女の子キャラを作って学校の好きな子の名前なんか付けた人もいるだろう。
本作もこんな人がいるかもしれない。

髭人「俺はクラスメートの髭子ちゃんが好きだから
 『ひげこ』って名付けよう!」

なんて好きな女の子を自身で操作していると思ったら
後に男だと発覚。
その後、実際にその名付けた子に会ったら変に意識するハメになるよな…

髭人『髭子ちゃん。実は男…
 髭子ちゃん。実は男…』

心、抉られ過ぎるだろ…

そんな事、本人に言えないし
仮に知られようものなら

髭子「私が男だったって言うの?」

ゲーム内の出来事だったとしてもその子もいい気はせんだろう。


女のプレイヤーだってこの展開はなぁ…

「女主人公のファミコンゲームのアクションRPGで
 名前を付けられるなんて珍しい!
 このキャラは私の分身ね」

みたいな感じで自分の名前を付け実は男だったという展開に同じく萎えるだろう。

「え?
 私、実は男なん!?」

喜ぶ人っているのか?

最近では『男の娘(オトコのコ)』なんて名称がある。
それは『女に見える男』とか『女装している男』って意味で使われていて
それを好む人もいるようだ。
だが実際に性別を魔法で変えられている本作主人公には該当しない。

一体、誰得なんだろう…

このゲームで印象付けられたのならそれでええんかな?
(多分良くない)

少なくとも主人公の名前は入力させずデフォルトのみにするべきだった。
男でも女でも行けるような中性的な名前にしていればこんな事にはならなかった。

髭人が考えるのなら名前はデフォルトオンリーとして
やはり「ファリア」ってタイトルを活かしたいので
女の時が『ファリア』。男に戻ったら『ファリアード』って感じで名乗るのが
ベターなんじゃないのかねぇ…(今更だが…)

それなのに…
本作では名前入力でデフォルトネームにしようと気持ちで空白にすると
名前まで空白になるという実質名付けを強要する仕様。
何でそこまでしてまで入力させようとしたんだろ?

「プレイヤーよ。
 お前が考えて名付けた女キャラが実は男で衝撃を受けるが良い」

って事なんだろうか?
性悪やね。

そうそう。
それと重要な事を言うのを忘れていた。
性別が変わっても名前の再入力は出来ない。
女をイメージして『ひげこ』と名付けたら
男に戻っても最後まで『ひげこ』のままだ。

ストーリーをこんな流れで

姫様「女性の時は〇〇〇〇と名乗っていましたが
 男性に戻った本当のあなたの名前は?」

って要領でせめて性別が男に戻った時に再入力させてくれたってええやん。
デフォルトはなしの空白で名前の入力を強いて来て
クライマックス間近で性別を変えるなんて実質別キャラになるみたいな
大どんでん返しみたいな事をして
それで何で最初に付けた名前でそのままやり通せっていうん?
凄い傲慢じゃね?


上記のお姫様のイモムシ写真と言い、
髭人が感じた前途多難はこんな形で実る事になる。
髭人は主人公の本来の性別をあらかじめ知っていたからいいが
初見でコレを食らった人には同情するわ。

製作側の意図としてはインパクト重視だったのかもしれん。
確かにインパクトはあったけど
その後を和らげるような措置をプレイヤー側が講じられないのは完全にダメだわ。


さて…
ゲームの話としては(今更だが…)
主人公はゲーム中に出てこない国の王子である。
予言で「世界が救うのが男」って話である為に
魔導士がその国の者を皆、女に変えたという事なのだ…
その設定はなかなか面白い。

予言で「ハサミの化け物を男が倒した」っていうんだけど…

まぁ、姿だけ女に変えたところで元が男だから
結局、予言通り扱いになっているんだよな。
それじゃ別に性別転換魔法なんてものを使った意味がないじゃん。
(それを言っちゃ~おしまいか?)


幻の塔を攻略した後、本物の姫様を救出する。
(最初の塔で救出した姫は偽物)

そして、城に戻りそこにいる偽姫に話しかけると
(漢字変換でお送りする)

偽姫「誰です!ここには、誰も入るなと言っておいたでしょう」
姫「私は 〇〇〇〇様(主人公名)に あなたの罠から
 助けられたのです。魔導士!
 あなたの悪だくみは失敗したのよ」

(偽姫は顔は一緒だが髪色が本物がピンク、偽物は緑である。
 間違えるかなぁ?普通。
 偽姫が「髪染めたのよ!」とでも言っておけばOKか…)

偽姫「我が 手下どもも 不甲斐ない
 人間どもに 倒されるとは。
 遊びは これまでだ! じっといていれば
 すぐに 焼き殺してやる」

偽姫が正体を現して戦闘があり
倒したのち…

『魔導士が 倒された 場所から
 声が聞こえる ・・・・』

魔導士「まさか やられるとは 思わなかった
 しかし、この体と 引き換えに
 ドラゴンに 乗り移ってくれる」

すると石にされていた王様の呪いが解ける。

王様「助かったのか?
 まさか 謎の仮面の男が 姫に
 化けていたとは 思わなかった」

『その時 光が 〇〇〇〇を 包み込んだ
 魔導士の呪文が消えたのだ』

主人公「うわっ ・・・・・」

『何と! 光の 中から 現れたのは
 一人の 男であった』

主人公「王様! 私は 辺境の国の
 王子なのです
 魔導士の 魔力によって 女に
 されていました」

姫「〇〇〇〇様が
 男の方とは 知りませんでした」

『その時 急に 辺りが 冷え込み
 始めた』

王様「どうやら、魔導士が太陽を
 隠してしまったようじゃ」

主人公「不死身の 体になった 魔導士を
 どう倒せばいいんだ?」

姫「まだ 間に合います!
 体と 魂が 完全に
 一つとなる前に 倒せばよいのです

 お願いします! 魔導士の 魂を
 封じ込めてください」


クライマックス前に主人公は女から男に戻る。(テンション下がるなぁ…)
ってな訳で、女人禁制の町にいくと男になったので中に入る事が出来る。
その先にラスボスの塔がある。
塔の最奥部に行く。


ドラゴン「我が城へ ようこそ
 お前の 勇気には 敬服した
 お前の 勇気に 敬意を表して
 苦しまずに あの世に送ってやろう」

対決。
攻撃力こそ強い物の苛烈ではないので
弱点である首へ攻撃してごり押しで勝てる。弱い。
というか自身の足が速くなっているのでそれで誤って
ドラゴンに接触するかが問題である。
(体当たりのダメージはかなり痛い)

ドラゴン「二度も やられ我ながら情けない
 しかし、いつかまた 私は 復活する!
 その時こそ 世界を 我が物にして見せる」

ドラゴンは固まってしまいなにもない。
近くの穴に降りると宝箱「古の剣」がある。
取って城へ帰る。

町の人は
「ありがとう」「どうも ありがとう」としか言わない。
お店の人は商売してくれる。

城へ行き、王様に話しかける。

主人公「王様! 魔導士を 封じ込めた
 剣を 持って参りました」

王様「全ての事が 解決した ようじゃな。
 まことに以て めでたい
 姫も 〇〇〇〇を 好いているようじゃ
 末永く ここで 暮らしてもらえるな?」
 
主人公「王様!
 私は、私は、帰らなければ なりません。
 国の 人々が 私の帰りを
 待っているのです……」

姫「私も お供します
 お父様! 〇〇〇〇と 一緒に
 行く事を 許してください!」

王様「そうか 分かった。すぐに旅立つが良い」

主人公が姫様を伴って自分の国に旅立った所で締めくくられる。

スタッフロール

と同時にこれまで道中と
これから城に着くまでの1枚絵が何枚も出て来る。
この絵は可愛らしく良く出来ている。
そこだけが本作の救いかもしれない。



さて締めに向かおうとしようか

ファミコンRPGの多くでやられたラスボスが

「覚えておけ!〇〇〇〇、第2第3の俺のような奴が必ず現れ、お前達を苦しめる!」
「ぐぉぉ…今は、封印されてやろう。しかし、必ず私は復活しお前達を倒す!」

などと負け惜しみを言うような続編示唆が結構あるが…
本作もそれに倣う。

上記クライマックス辺りの話を見て、姫様。

「魔導士!
 あなたの悪だくみは失敗したのよ」

って『魔導士』って名詞だよね。
魔導士髭人ってな呼び方で使うのなら分かるけど
単体で呼ぶってあんま聞いた事ないよ。

そんな魔導士の事を考えてみればこのゲーム。
ゲーム内でメインキャラに名前があるヤツが1人もいないのだ。

『ファリア』は上記の通り、国の名前であり主人公名ではない。
その主人公もデフォルト名もない。
『姫』もずっと『姫』。
一応、『国王』は『カシス』。
魔導士は『レビュア』って本名はあるか…
でも、2人の名前はあらすじだけでゲーム内、一切出てこないのである。
何故?

続編示唆はあったが悲しいことに
『ファリア2』は存在しない。

『ファリア』という国の名もなき者達の話。
だからこそ風化し忘れ去られてしまいましたって感じか…
まぁ、王家の血を引く姫がいなければその国も衰退していくのは当然だしな。

忘れ去られたってオチはどこかのサイコロを転がすRPGに通ずるものがあるな。
あの作品もキャラの名前は
『ファイター』『ドワーフ』『エルフ』『ハーフエルフ』など種族名などしかなく
みんな名無しだった。

ってな訳で
主人公の誰得の性転換要素だけしかなく
『ファリア』という名の国の
名もないキャラたちを描いた風のように過ぎ去っていった寂しい物語という事で…(涙)







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