内閣府から幸福度指標の試案(概要、全体版1、全体版2)が出された。どんなものか少し見てみたい。
幸福度指標試案の体系
主観的幸福感を上位概念として、経済社会状況、心身の健康性、関係性を3本柱として指標化。持続可能性は3本柱とは別建てで検討した。また、主観的幸福感を判断する項目は、年齢性により差異がみられる。子ども、若者、成人、高齢者というライフステージの違いを勘案して指標を選択することとした。
国際比較可能性も重要な視点であり、可能な限り、比較可能性を確保するため、海外での検討状況を勘案して検討した。
幸福度指標試案における指標群
主観的幸福感(主観的幸福感、理想の幸福感、将来の幸福感、人並み感・・・)
3つの柱(経済社会状況、心身の健康、関係性)
経済社会状況(基本的ニーズ、住環境、子育て・教育、仕事、制度)
心身の健康(身体的健康、精神的健康、身体・精神共通)
関係性(ライフスタイル、個人・家族のつながり、地域・社会とのつながり、自然とのつながり)
持続可能性(地球温暖化、物質循環、大気環境、水環境、消費者行動・・・)
経済指標Onlyからの脱皮
まだ試案レベルだが、これまでのようにGDPのような経済指標のみからの脱皮という意味では大きな進歩。
そもそも幸福度という概念がでてきたのはブータンが最初。・・・国民総幸福量(GMH:Gross National Happiness)という概念をつくり一躍有名になった。
今回の動きも、もともとは、このブータンの動きに触発されたものだろうが、同時に、3月の大震災を経験し、国民の意識が変化したことも背景にあるのは間違いない。
幸福度という主観的なモノをどこまで指標化できるかはよくわからないが、こういう新しい価値指標を創り出すことには、私は賛成である。・・・まだまだ色々変わるだろうが、こういう第一歩が、新しい価値観づくりのきっかけになるのはうれしいことである。
・・・時代の変わり目には、是非、新たな指標でモノゴトを見ていきたい。