中小企業の経営者同士の勉強会に参加し、その中で岐阜県関市に本社があるサンティグループ サンティクスの常川社長さんの講演を聞いた。
サンテイグループは、アパレルの縫製工場としてスタートし、現在は、中国、ベトナム、ラオス等に製造拠点を移し、国内市場向け(90%は日本国内向け)に縫製事業を展開している中小企業。
会長の常川公男さんが、26歳の時起業し、現在、その息子さん(サンティクス社長)、娘さんが分社したそれぞれの企業の社長を務めているファミリーグループ企業である。(年商約100億円)
アパレル不況の中でも、着実に利益を出し続ける優良企業である。
ちなみに、サンティグループは、常川会長が、
1986年 中国に美爾雅服飾有限公司 設立 (中国湖北省黄石)
1991年 ベトナム ベッティン・サンドラ工場 設立 (ベトナムホーチミン)
2008年 サンテイ・ラオ設立 (ラオス・ビンチャン)
・・・と、会社設立の早い段階から、中国進出を決め、現在は、ベトナム、ラオスの工場で縫製し、日本の得意先へ輸出。
数多くの中小企業が海外進出(特に中国進出)では苦労しているという話をよく聞きが、サンティグループは、うまく、その壁を乗り越え、アジア進出を成功させている。
その秘訣は何か?
合弁会社の経営者の子息を受け入れる
中国等で合弁会社を設立した時、その合弁企業の子息を常川会長の自宅に呼び、数年間住まわせたとのこと。いっしょに寝起きをともにすることにより、文化・風土の違いの習得、あるいは日本語の習得はもとより、人間関係の構築を図った。これが、海外進出での成功のポイントのひとつ。
研修生を受け入れる
現在は、色々制約もあるようだが、以前は積極的に海外からの研修生を日本で受け入れた。そのことにより、研修に行けるという“選ばれし者”としてのプライドをくすぐり、自国に帰ってもお互いのコミュニケーションが円滑に行うことができた。(文化的近似性という意味で基本的にはアジア圏で工場を作ってきたらしい)
縁を大切にする
そもそも、海外進出のきっかけも、ちょっとした出会いや縁からはじまったらしい。・・・詳細はわからないが、この小さなきっかけ、あるいは出会いに対し、経営者としての決断と実行力が次々と海外進出の成功を引き寄せたのではないかと思う。
それは、いみじくも、サンティグループの経営理念にあらわれている。
(サンティグループ ホームページより)
このきっかけと縁を大切にしながら、人間関係づくりをうまくできるかどうかが、中小企業がアジア進出で成功するためのポイントになるのではないだろうか。