読売新聞の編集手帳(12/4)に、ウソのような、笑い話のような、あるいは、もしかして?・・・と将来を暗示させるような話が載っていた。
現在のロシアでは考えられないだろうが、旧ソ連の崩壊前夜、1990年ごろは、たばこのマールボロが、非常に流通力のある「通貨」だったそうだ。本物のお金の価値が日々、下落していくからだ。
吸われることなく人から人の手に渡るため、硬いボックスタイプの輸入たばこが歓迎されたという。・・・似た話だが、北朝鮮ではなんと「チョコパイ」にすごい価値があるらしい。これは韓国紙の記事に教えてもらった。
南北境界線付近の北側に韓国企業が工場を作り、北朝鮮の人を雇っている「開城工業団地」で、おやつとして毎日1人に3~4個、韓国製チョコパイが配られる。だが食べる人はいない。闇市に持っていけば、確実に高値がつく。
北朝鮮労働者の間ではチョコパイの貸し借りも広がっているとか。
・・・翻って日本では、円の価値が上がりすぎたまま戻らない。日本経済が強くなったわけだはないというのに・・・。
・・・“お金の価値”という得体の知れぬものに思い悩む師走である。(12/4 読売新聞)
笑いたいけど、どこか笑えない話。
・・・お金という、それぞれの国が、国民や世界に対し行っている約束ごとの価値が崩壊した時の不気味さ。・・・お金の価値が崩壊した時、代替されるのは、とりあえず、その場で通用する何か・・・それが、マールボロであったり、チョコパイになる。
国が崩壊したり、あるいは、経済が崩壊したりするときに、こういった現象が色々なところで、見られるようになるのであろう。
そういう意味では、今の欧州危機は、今後、どうなっていくのだろうか?
ユーロへの信頼がどんどん崩れて行った時、この笑うに笑えない話がいたるところで出てくるかも知れない。・・・そして、その動きは世界中にひろがっていく・・・。
日本はと言えば、円高という経済実態のない強さ?が表面上は見られる状態。・・・他に行き先がない故、たまたま円が買われているが、この砂上の楼閣はいつまで続くのだろうか。
いつか来た道に再び戻らないようにするためには、何が必要なのか?
これは、以前のブログでも書いたが、これまでの延長ありきで考えるのではなく、継続可能な社会づくりというところから、再度すべてのものを考え直すという、きっかけになるもの。
ピンチはチャンス。
つまり、見方次第では、今の経済、あるいは通貨の大混乱は、多くの人が新たな価値観を形成する第一歩になる。
・・・マルボロやチョコパイに頼らなくてはいけないような世界にだけはしたくない。・・・