5年後のアジアの購買力は日本の7倍(高橋俊樹:(財)国際貿易投資研究所)というレポートを読んだ。
一部抜粋すると、
・市場為替レートで換算した各国GDPは、物価の低さから見かけの所得よりも大きい新興国の購買力を十分に反映していない。・・・そこで、今後の正確な海外市場戦略を描くには、各国の購買力平価GDP(*)の構造変化を把握することが不可欠だ。 ((*)購買力平価については下記参照)
・IMFデータによれば、中国の購買力平価GDPは2016年には米国を逆転し、トップに、インドは2012年には日本を抜いて3位になると見込まれる。日本は、2001年には中国に抜かれ3位に、2012年からは4位に後退。
・2016年の上位50位以内の国数でもアジア・オセアニアは15ヶ国と圧倒的。すなわち、これら5年後のアジア・オセアニアにおける購買力は我々のイメージを超えて大きく拡大する。
・一人あたり購買力平価GDPでは、2016年にシンガポールが3位、香港が5位に位置するなど、上位30ヶ国には日本を含めたアジア・オセアニアが7ヶ国も入る。その中で日本は6番目にすぎず、今後は一層アジアにおける富裕層向け商品・サービスの販売増が見込まれる。・・・(ここまで引用)
・・・とのこと。
日本はこの購買力平価GDPで比較すると、2010年時点で、国全体では3位だが、一人あたりの購買力平価GDPでは約25位あたり。アジアの中ではシンガポール、香港、台湾より下位になる。この購買力平価を使うと、実際の生活水準に近い値がでてくると言われているが、25位というのは、感覚的だが、まあそんなもんだろうな・・・という印象。
それは、さておき、このレポートの予測では、2016年になると、
購買力平価GDP国別シエアでは、中国(18.0%)、米国(17.8%)、インド(6.6%)、日本(5.0%)となり、アジアだけで30%以上となる。 また、
あくまで、5年後の予測ではあるが、アメリカ、欧州の金融不安等を見ていると、いよいよ現実的な話に思えてくる。
中国市場はさておき、次はインドあたりが日本にとって最有力市場となる可能性ありということか?
また、付加価値の高い商品は、中国の富裕層のみならず、シンガポール、台湾、オーストラリアも有望。
この予測を見ると、あらためて次のメインとなるターゲット市場はアジアしかない。・・・という気がする。
生産拠点としてのアジアから、最大の消費市場。・・・薄々感じてはいたが、もっともっとアジアのことを勉強をしなきゃ。・・・
(*)購買力平価とは (goo辞書より)
- ある国である価格で買える商品が他国ならいくらで買えるかを示す交換レート。 購買力平価= 基準時点の為替レート × A国の物価指数 / B国の物価指数
- 例えば、ある商品が日本では200円、アメリカでは2ドルで買えるとすると、1ドル=100円が購買力平価だということになる。・・・短期的なレートの変動を排した、長期的な2国間の為替レートの目安となる値として有効である。・・・商品価格を基準にするため、生活実感に近い値が求められるというメリットもある。為替の換算を伴う長期計画や、経済規模や賃金水準の国際比較などにしばしば使用される。
その他参照記事
中国GDP、2016年に米国しのぐ(朝日2011/4/26)