日々あらたに

3/11の大震災以降、数多くの変化が起きています。その変化をとらえ、新しい時代について観察を続けていきます。

星野リゾート

2011年11月30日 | 日記

一度泊まってみたいと思っている「星野リゾート」の経営する旅館。・・・“星のや軽井沢”で泊まった友人によると泊まるだけの価値がある・・・と言われたが、残念ながらまだどこにも行けていない。

・・・まあ、それはさておき、星野リゾートと言えば、リゾート再生で一躍有名になったところである。バブル期の過剰投資とかで運営が立ちいかなくなったホテルや旅館をものの見事に再生してきた。

その成功の秘密は何か。

 

たまたま、雑誌を見ていて、なるほどと思ったところを少し書いてみたい。

 

「おもてなし」を仕組み化 競合から抜け出す

・・・ブランドの価値を高める第一歩は「ブランドの価値を何に見出すか」をしっかり定めることだ。・・・星野リゾートは「スタッフのサービス」をブランドのコアに設定する方針を打ち出している。

施設を所有せず、そのオーナーから運営を委託されるビジネスモデルを採用している星野リゾートが、建物などのハードで統一感を持たせてブランディングを成立させるのは難しい。

これに対して、サービスの質のレベルはどんな施設でも統一できる・・・とはいえ、サービスによって競合から抜け出すのは簡単ではない。・・・このところサービスに定評のある外資系ホテルの進出が相次いでいる。・・・高品質なサービスがコモディティ化する状況にある。

それでも、星野社長は、これまで磨いてきたサービスに、新しい発想に基づくサービスを付け加えることにより、差別化ができると考えている。それはどんなサービス。一言で言えば、「高級旅館のおもてなしの仕組み化」

星野リゾートでは、美しい身のこなしや季節ごとの取り組みと言った和のおもてなしに、全スタッフが取り組んでいく。

そのため、まず、おもてなしの内容を詳しく調べて分析することから始めた。そのうえでその中身を体系化していき、最終的に仕組みにまで落とし込む計画。・・・前例のない取り組みによって、サービスによるブランド化を進める。

・・・サービス水準を引き上げるために、このほかにも多様な仕組みづくりを進めている。「KK(=気の利く)サービス」もそのひとつ。夕食時にお客一人一人に必ず「これはいい!」と思ってもらえるようなサービスを付け加える取り組み。

・・・「記念日のお客」「お酒を楽しみにしているお客」「デザートを好きなお客」「花の好きなお客」など、あらかじめさまざまなパターンを作っておき、提供するサービスメニューを用意している。

現場スタッフの発案により、新たに「これはいい」というサービスが生まれた時はその内容を登録し、全施設で共有していく。・・・(日経トップリーダー 12月号)

 

 なるほど。・・・言われるとなんとなくそう思うが、実際にはなかなか気づかないのが、「サービスの仕組み化」という発想。

あらかじめ、お客の喜びそうな、様々なパターンを想定し、それへの対応策を決めておく。お客側から見れば、こんなことまでやってくれるのか・・・と思うが、すでに想定されたパターンへの対応。

これまで高級旅館で長年培ったおもてなしサービスが、誰でもできるようになる。

パターン化自体は、それこそ、外資系ホテルのマニュアル化の方が得意かも知れないが、日々更新し続けるところに星野リゾートの強みがある。しかも、従業員自らが創り出すところに差別化要素がある。

 

日本らしさと西洋のマニュアル化の合体。・・・同時に、即実践と日々のブラッシュアップ。

 

分かったつもりが実際はなかなかできないこと。それが、星野リゾートの最大の強みかもしれない。

 



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