とても素敵なカフェに出会った。
以前から、橿原市役所の前に好い喫茶店が
あるとは聞いていたのだけれど、外からは
様子がわからない2階にあるお店に、初めて
訪ねて行くのは、少しドキドキするものなのだ。
思い切ってドアを開けると、一瞬で、明るく
やさしいマダムの笑顔に引き込まれた。
開放感溢れる高い天井、レンガと白壁の、
やさしくさわやかな部屋に、アンティークの
家具が美しく並ぶ。
こだわりがいろいろあると見えて、
いきいきと生けられた花、壁に飾られた絵画
やアクセサリーを並べたコーナーなど、
見どころがたくさんある。
一目で、沢山の人の想いや愛情に包まれて、
お店自体が人生(店生?)を生きている。
そんな印象を受けた。
こだわりのたくさん詰まったお店のなかで、
マダムが一番大切にしていることは何かと
訊ねると、
「訪れにくい2階のお店まで、せっかく上って
くれた方との「縁」というものを、やはり一番
大事にしています。」
と話してくれた。
一つ一つの縁を大切にしていたら、いつの間
にかプリザーブドフラワーや焼き物、アクセサリー
や和小物を創る作家が集まり、今ではギャラリー
カフェとなっている。
何を隠そう、その舞台となっているこのカフェは、
画家であり建築家でもある、マダムのご主人が
設計し、内装にもこだわりを持って造りこんだお店。
「感動しぃ」だというマダムとご主人が持つ心。
それは、素敵な出会いや作品に対して素直に
開かれた心。
その純粋な心が、たくさんの、偶然のようで
必然的な「縁」を引き寄せてきた。
どれだけの人が、
旅先でたまたま訪れた喫茶店に、手紙を書いた
ことがあるだろう?
このお店には、全国を回る旅のピアニストや
遠く離れた沖縄から、手紙や年賀状が届く。
カフェは、ただの「珈琲を飲ませる店」ではない。
カフェ・ド・サガンのマダムは、自分自身のやり方で
訪れる人びとの人生そのものを、豊かにしている。
人が集い、語り合い、表現しあう。
これが、ほんもののカフェの姿だと、思った。
misa
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