への次郎が行く

カメラと地図を片手に気ままに出かけます。

浅見光彦『化生の海』 加佐ノ岬

2024年06月16日 | ロケ地

沢村一樹さん主演の浅見光彦化生の海』のラストシーン、ここにも三井所剛史(みいしょたけし)の実母宇戸佳代(元女優の深草千尋)が登場します。そこからラストシーンも、石川県加賀市橋立で撮影されたと想像されます。

まず、ドラマの映像を見てみましょう。

 

 

映像

実母が海の見える場所に立っています。そこに浅見光彦がやって来て、剛史が殺害された経緯について自己の推理を説明しはじめます。

 

やがて剛史の妻娘が現れ、光彦が紹介します。実母からは、剛史を捨てた事情と心情が語られます。

この場面、背後に特徴的な小岩が見えます。左の小岩は頂上部にが生えていて、右の小岩は入水部分が鋭角的です。

 

背後に白い灯台が映し出される中、光彦による説明が続き、実母の親族によって起こされた事件の一部始終が明らかにされます。

 

以上の映像から、このラストシーンが撮影されたのは、灯台が上に見える海岸地帯だということです。こういう場所は、橋立には一か所しかありません。それは、橋立の加賀海岸にある加佐ノ岬です。

実際に行ってみました。

 

 

現在

加賀海岸にある灯台です。形状がドラマの灯台と同じです。

左側に小径があったので、下りてみました。すると、

 

立ち入り禁止」を告げる看板と、真新しいフェンスが設置されていました。

「崖崩れ発生」とあるので、今年正月の能登半島地震による崩落でしょう。

 

灯台の反対側に回って海岸部を見下ろしました。

日本海に向かって張り出す出丸のような地形がありました。これが加佐ノ岬です。

 

岬の先の小岩に注目です。拡大してみると、

左の小岩は頂上部の右端がちょっと緑色をしています。その右の小岩の入水部分は鋭角的です。ドラマの映像と、まったく同じです。浅見光彦『化生の海』のラストシーンの撮影は、ここで行われていたのです。

 

 

位置関係

最後に、地図で位置関係を確認すると、

オレンジの下線部分が加佐ノ岬で、ラストシーンが撮影された場所。緑の楕円の部分が北前船主の豪邸があったところで、光彦たち3人が歩いた地区です。

 

 

『化生の海』。この作品は、「浅見光彦シリーズ30回記念作品」として放送されました。北海道・石川・福岡を舞台に、「北前船」とそれにかかわった人たちの人生が交差する、見ごたえのある作品でした。

北前船主の屋敷が残る橋立は、この作品に重要な舞台を提供しています。その古い町並みを実際に歩くことで、ロケ現場の雰囲気を感じることができました。ただ、ラストシーンの撮影現場に足を踏み入れることができなかったのは、能登半島地震のためだとは言え、残念でした。