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生命保険業界が新たな資格試験を約30年ぶりに創設する。「外貨建保険販売資格試験」。米ドルや豪ドルなど外貨資産で運用する保険・年金商品は円建てに比べて利回りが高く、丸4年を超えて長期化するマイナス金利政策下で数少ない売れ筋の投資商品だ。だが外貨建て商品は円高など為替変動に伴う、潜在的な元本割れリスクを抱える。販売する側の説明や知識不足を原因とした契約者からの苦情が膨らみ、資格試験の導入などを通じた販売正常化対策を迫られた。保険会社の営業職員にとどまらず、外貨保険の最大の販売ルートである銀行や証券会社社員らを合計した新試験の受験者数は「約85万人」(生命保険協会)と前代未聞の規模になりそうだ。金融界横断の「アリバイ資格」にとどめないためにも、問われているのは試験の内容や難易度だ。主に銀行の支店窓口(銀行窓販)で取り扱う外貨保険には終身型や年金型といったタイプがあり、米国債や豪国債などで運用する。10年債でみると足元で米国債は約1.3%、豪国債も1%前後の利回りがある。実質ゼロの日本国債で運用する円建てに比べて商品力があり、最近数年で外貨保険の人気は急速に高まった。表向き外貨保険は「定額商品」に分類される。「変額商品」とは異なり、投資した元本と事前に約束した利回りを保険会社が保証する。ただし保証はあくまで外貨ベース、という点に注意が必要だ。10年先などの満期時や死亡時に、受け取る年金や保険金を円に戻す際に、為替相場が円高(外貨安)に振れていると元本を割り込む恐れがある。逆に円安(外貨高)がさらに進んでいれば、想定以上の運用益が転がり込む(中略)12年に600件弱だった外貨保険がらみの苦情件数(銀行窓販経由、生保協調べ)は18年に2500件超まで膨らんだ。「販売員の知識・スキルに格差が大きい」「元本割れリスクの説明が足りない」などと生保協は原因を分析する。証券会社はもちろん、銀行も株式投資信託を取り扱っている。社員は必要な資格を取得し元本割れや為替リスクの説明を徹底しているというのが建前だ。(中略)「定期預金に入ったつもりが、外貨保険に加入させられていた」「一人暮らしで認知能力が低下している高齢の叔母が20件の外貨保険を契約していた」。こうした法令違反さえ疑われる苦情や相談も国民生活センターには寄せられている。金融庁首脳は「あえて試験を作れと指示したおぼえはないし、資格取得がゴールではない」とくぎを刺す。(*日経 記事より)
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