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安倍晋三首相とトランプ米大統領が合意した日米貿易協定は、意外にも2国間の取引(ディール)を振り回すトランプ流の通商政策が成果を表す最初の例になる。対象を絞る「ミニ合意」は功を急ぐトランプ政権への格好の助け舟だが、多国間の枠組みに基づく世界貿易ルールを傷つけるリスクもある。首の皮一枚の自由貿易体制をどう守るかが、日本の宿題だ。日本にとって死活問題だった米通商拡大法232条による日本車への追加関税の適用は、少なくとも現時点では避けられた。関西国際大学の渡辺頼純教授は「自動車の追加関税はかけないと大統領から一筆をとれたら、この交渉は成功といえる」と話す。問題はこの先だ。今回の決定を日米貿易交渉の「最終合意」と理解するのは正確さを欠く。今回のミニ合意に続き、第2ラウンドの日米交渉が待ち構える。そこにはさまざまな課題が積み残されている。トランプ氏は日本に対する貿易赤字に依然としてこだわっている。進展がみられない場合は、米韓協定やUSMCAに陰に陽に盛り込まれた対米輸出の数量制限や為替切り下げをけん制する条項といった、自由貿易のルールに反する要求に火をつけかねない。安倍首相は25日の記者会見で「自由貿易の旗手」を自認する考えを改めて語った。だが日米の共同声明に「自由貿易」の文字はない。「互恵的で公正かつ相互的な貿易」という、米国ペースの言葉が盛り込まれている。強引にトランプ氏に翻意を迫るのも現実的ではない。WTOの機能改革、中国の不適切な慣行や制度の改革といった分野で米国と日欧がうまく連携する機運をどう作るか。安倍首相など米国以外の世界のリーダーは、土台が揺らぐ自由貿易の維持へ難題を突きつけられている。(日経 記事より)
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