平太郎独白録

国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し、独自の歴史観で語ります。

フランス暴動と「紀宮」ご成婚に見る犯罪についての考え方。

2005年11月16日 | 時事問題
親愛なるアッティクスへ

フランス暴動、なかなか、終わりそうにありませんね。
どうして、フランス政府は戒厳令を布こうとしないのか、私にはむしろ不思議でなりませんし、サルコジ内相の支持率が未だに52%もあるのかも理解できません。
シラク大統領としては、政敵サルコジが完全に行き詰まるのを待つ構えでしょうか。
(この辺り、八代将軍徳川吉宗と、ことある毎に吉宗に反した政策を実行した、政敵、尾張徳川家七代当主、徳川宗春との関係に似ているような気がします。)

思えば、フランスには、フランス革命に始まり、七月革命、二月革命、五月暴動、六月事件、パリ・コンミューン、そして、アルジェリア独立騒乱・・・と、元々、こういう事態が起こりやすい土壌があるように思えます。
フランスという国は、気位だけは高く、そのくせ実力伴っていない
そして、そのしわ寄せが、いつも弱者に向かい、暴動という形で結実する・・・。
(今や世界の共通語としての地位を確立した観がある英語に対し、あくまで、フランス語こそが・・・的な時代錯誤に象徴されているような・・・。)
ここに、ナポレオンのような人物が登場する素地があるのが、何となく、わかるような気がしますね・・・。

ところで、「治安」という点で言えば、ひとつ、気になることがあります。
今朝の朝刊の一面は、当然のように「紀宮」改め、黒田清子さんの結婚式のニュースばかりでしたが、この後の清子さんの警備はどうなるのでしょうか?
臣籍降下した以上、都庁のイチ職員の夫人なんでしょうから、SPなんて付かないんですよね。
ご本人も気が楽と言えば気が楽でしょうが、今の日本の治安の悪さをご存じなんでしょうか?
皇籍離脱、つまり、皇族から平民の家へ嫁ぐ・・・と言うのは、45年前(昭和35年)の島津貴子さん以来だとか。
当時は、皇室に対しても、畏敬の念が今よりもずっと強かった反面、戦争による爪痕も深く、皇太子(現今上天皇)のご成婚パレードでは狼藉をはたらこうとした若者が逮捕されるといった事件が起きました。
ところが、今は治安という面では、その質が違うんです。

先日、東京町田で、同じ学校の男子生徒から、女子高生がメッタ刺しにされて殺されるという痛ましい事件が起こりました。
テレビの評論家やコメンテーターが色々と、もっともらしいことを言ってましたが、現実にはあのくらいの年の男の子の考えてることは、今も昔も、大体、一緒なんですよ。
ただ、当時と今と違うのは、我々の時代は、それはあくまで、「理論的に可能なこと」であって、「現実に実行する」ことではなかったことです。
我々の頃は親の目を盗んで手に入れた「エロ本」(これまた、死語!)という一種、閉鎖的な世界の中のだけであったものが、今では、インターネット時代ということもあるのでしょう、アメリカから過剰な表現のものがたくさん入ってくるようになり、(最近でこそ、R-15指定などと言い始めましたが、少し遅きに失した観が・・・。)それに触発されて、開かれた存在であるはずの普通の少年マンガなどにも、そういった行きすぎた表現の物が、多々、見られるようになってしまいました。
そうなると、これまでは、タブーであったものが・・・。
それが、この町田の事件然り、コンクリート詰め事件然り、女優山口智子襲撃未遂事件また然りです。

となると、皇室に対しても、以前の「皇太子ご成婚パレード」のときのような思想的な背景があるといった高尚なものではなく、清子さんを誘拐して、身代金を要求しようなどという低俗犯が出てくる可能性があるということです。
以前だったら、「皇室に対して云々」以前に、それを行うことへの損得勘定を計算するゆとり(?)があったのですが、今では、そういったことを考える間もなく、そこに欲しい物があるから飛びつく・・・的な、まさしく、犯罪というものが、「大人の犯罪」から、「子供の犯罪」へと、まるで質が変わってしまったと言うことがあるように思えます。
有名人の遺骨を盗んで身代金を要求するくらいですから、無いとは言い切れないでしょう。)
まあ、これまで通りの警備が行われるとか、あるいは、それなりの邸宅に住み、それなりの警備を自前で実施する・・・といったことが行われるのならいいのですが。
「取り越し苦労!」とお笑いになるかもしれませんが、私が言いたいのは、犯罪の質の変化を考慮した上での可能性の問題なのです。

結論を言うならば、やはり、私は日本人には、「(表現の)自由」というものは、少し早すぎたように思えて成りません。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こらえ性のなさ (ヤマサン)
2005-11-16 22:40:30
今晩は。

犯罪の質の変化は「こらえ性のなさ」が根本原因だと思います。しかし、そのことで若者を責めるのは酷です。というのも、資本主義を推進する=企業が儲けるためには「我慢をしないで消費しよう」と言う風潮が不可欠です。そのターゲットとして生まれたときからその風潮の中にいる現代の若者(私も年代的に含まれるでしょう)にこらえ性がなくなったのはむしろ当然です。こらえ性がないと「ほしいものは安直に求める」「不満を我慢せずに解消しようと短略的に行動する」ようになります。実際なっています。だからあれほど消費者金融が儲かっているのでしょうが・・・こらえ性を復活するためには日本全体が貧乏になるしかないのでしょうか・・・
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なんとなく。。 (Ryouo。。。)
2005-11-16 23:40:29
日本全体が貧乏に。。。



おバカな僕でも。。



日本なんかインフレになってしまえ。。と。



思う今日この頃です。。。
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>ヤマサン (へいたらう)
2005-11-17 09:45:30
確かに経済的な面、特に大量消費社会というものの存在は見落とせないところです。

それに、こういった犯罪を若者個人の資質の問題とするのも、明らかに無理があり、やはり、こういった問題は社会全体という視点で捉えていかなければならないと思います。

(実際、短絡的な犯罪を犯しているのは若者に限ったことでもないようですし・・・。)

そういう意味では、雇用の改善、道徳教育などの徹底などしかないのでしょうが、私はやはり、消費型社会の存在ばかりを責めるのは如何かと思います。

表現の自由という物も、もう少し、制限して良いと思います。

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>Ryouoさん (へいたらう)
2005-11-17 09:53:32
デフレも嫌ですが、インフレも・・・。



よく日本が貧しかった時代が良かった・・・という人がいますが、それは時間が経つと、いい面しか人は記憶に残らないもののようで、その時代に生きていた人にとっては・・・。

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