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平太郎独白録

国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し、独自の歴史観で語ります。

出版人よ、自信を持て!

2005年04月22日 | 私小説
親愛なるアッティクスへ

書店の棚昨年三月に拙著「傾国の烙印―国を傾けた男毛利輝元の生涯」が店頭に並んでから、ぼちぼち、一年が経ちます。

これは、まあ、貴兄は力不足という面をご指摘されると思いますが、私は一方で出版業界自信喪失という物も一因にあると思います。
現に、拙著にしたところで店頭に並んでから、撤去されだすまでが3~4ヶ月程度。
これで、知名度もない作者がどうやって結果を残せと言うのでしょうか?

これはある意味、日本の産業界の象徴的な事例だと思います。
即ち、産業の中心的な存在である銀行がいい例で、最近でこそ、少し変わってきたのかもしれませんが(果たしてそうか~?)、未だ多くの銀行が会社の業績経営者の能力も見ようとせずに、ただひたすら「担保!」だけを求め続けたのと同じ現象ではないでしょうか?
出版業界における担保とは、即ち、知名度です。
だから、内容より、芸能人や有名作家などの作者の知名度があるものに集中し、その結果、作者の知名度は高いが、あまり内容があるとは言えない本が書店に並ぶことになる。
そして、それがまた、読者の足を遠のけることに繋がり、それがまた、出版不況になるという悪循環に繋がっているのだと思います。
その根拠として、私の周囲で、「最近、作家の知名度は高いが、読むに値しない作品が増えてきた。」と言う声をよく耳にします。
この点は、私も全く同感でした。
それは、我が身に置き換えてみればよくわかるのですが、書けと言われても、そうそう次から次に書ける物じゃないんですよ。
充電という物が必要なんですよね。
作家に充電の時間を与えようとせず、「何でもいいから、あんたの名前の載った物があればいいんだ」という姿勢こそが自分たちの首を絞めているのではないでしょうか?

さらに、出版不況と呼ばれる昨今だからこそ、出版人たちは自分たちの眼力を信じようとはせずに、「より確実に売れる物」という意味で、より薄く、より安い物を、より追い求める・・・。
薄くて安い物は売りやすいかもしれませんが、売れると決まったわけではないでしょう。
「出版人よ、勇気を持て!」と言いたいです。
担保に頼らずに案件その物を見る勇気を。
薄かろうが厚かろうが、売れる物は売れるという見識を。
消費者が欲しているのは値段と厚みではなく、中身なんだということを。
しかし、やはり、銀行業界のように国際競争にさらされないと目が覚めないんでしょうね。

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