こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

稲刈り

2016年09月28日 00時57分55秒 | 文芸
家の周辺が静かになった。日曜日前後は、コンバインがうるさくて、イオンに避難していた。
稲刈りは昔よりかなり早くなった。

刈り取られた田圃はすっきりしている。
最近は稲藁は細切れにされてしまう。そのまますき込むか火をつけて焼く。実に合理的になってしまった。

ふと子供のころを思い出す。
稲刈りは手間暇をかけた一大イベントだった。家族や親せきが集っての手刈りに稲木かけ。にぎやかに一日も二日もかかったものだ。
稲木に竹を渡して
刈り取った稲束を交互にしめて、太陽にかざし乾燥させる。

それを脱穀機にかける。
籾が外された後の藁。
当時の農家には貴重な資材になったものだ。


総出で藁束を集め、積み重ねていく。
モンゴルのパオそっくりに積み上げて、
藁を屋根上に組んでかぶせる。
ツボキ作りである。
藁束をぶつけあったり、その上を転げまわったり、
子供には遊びの宝庫だった。


乾燥した藁は農業資材や肥料となった。
縄やムシロ、正月のしめ縄とか、藁は重宝に使われたものである。

無邪気に藁と格闘しては、大人に叱られるが、
すぐに忘れて、また藁で遊んだ懐かしい記憶。
その兄は20年前に亡くなって、もういない。一人っ子になってしまった。

兄と稲刈りが終わり藁束で埋まった田圃を駆け回ったあの日、あの時間……?
知らず目頭を熱くしていた。(しんみり)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする