(GR DIGITAL)
何年ぶりかで、演奏会に行ってきた。
滅多に無い東京都心部の出張があったので、折角ですし。
5日(木) 2008年ロンティボーコンクール受賞者・ガラコンサート(サントリーホール)
昨年のバイオリン部門の受賞者によるコンチェルトの演奏会とのことで、全く知らないソリストたちである。
ところで、サントリーホールは2回目で懐かしかった。
前回は確かインバルのブルックナー(多分8番の第1稿)。
いちどやってみたかった、大阪から東京まで7時間かけて新快速や普通列車で行ったことを思い出す。。。
(1曲目)バルトーク 第2番。
あまり演奏されませんね。
目まぐるしく移ろうメロディの明暗と強弱と硬軟と前向き後ろ向きとプラス思考とマイナス思考。表裏一体の音楽という感じに揉まれ、ソリストとオケは忙しく多彩な奏法を要求される。指揮者も充分やりがいがあるだろう。
バイオリン協奏曲のなかでは難曲中の難曲ということでとっつき難いが、慣れさえすれば好きになる。バイオリンがフニャフニャ演奏する部分なんぞゾクゾクする。
ソリストのテクニックは素晴らしく、初めから終わりまでとても楽しめた。
(2曲目)ドボルザーク
案外演奏されないが、可憐なメロディの宝庫で大好きだ。
とくに開始6分後の1楽章の第2主題が現れるところ(1分間くらい)は一番の聴きどころ。
ソリストは終始精一杯の熱演で表現した。
(3曲目)プロコフィエフ 第1番
大好きな曲だが、普段ほとんど演奏されない。
オケはハープや太鼓群、チューバを要する大編成にも関わらず演奏時間は20分ほどで、もちろんソリストも呼ばないといけない。
一言で表現するなら手間のかかる割りに時間の稼げない"中途半端"な曲。一般の知名度は低く、主催者は演奏会の前座にも載せにくいのだろう。
おまけに、デリケートな音符の配列で伸びやかな箇所が全く無い。特に両端楽章は控えめな音量がつづく。
音響の良い、今回のサントリーホールでも音量の面では、前列を除いてほとんどの聴衆は物足りなかったのではないだろうか。本来、500人くらい収容の小ホールで演奏されるべき曲では、と思う。
余計なことはさておき、この曲を聴けたこと自体が嬉しい。ソリストは技術も情感も存在感も素晴らしかった。きっと全世界でも指折りのヴァイオリニストになるだろう。期待しております。