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今回は、カントリー界のケニー・ロジャース(Kenny Rogers)とポップス界のシーナ・イーストン(Sheena Easton)によるデュエット「We've Got Tonight」を紹介します。
キム・カーンズ(Kim Carnes)、グラディス・ナイト(Gladys Knight)、ドリー・パートン(Dolly Parton)をはじめ、もともとケニー・ロジャースにはデュエットのヒット曲が多かったのですが、大ベテランのケニー・ロジャースにデビュー3年目のシーナ・イーストンというコンビは、当時としてはかなり異色な組み合わせでした。今で言えば、北島三郎と松浦亜弥のデュエットみたいな感じでしょうか…。
さてさてそのクオリティですが、これが最高なんですよ、ホントに!
まず、ソングライトはボブ・シーガー(Bob Seger)。ロックグループ、ボブ・シーガー&ザ・シルバー・ブレッツ・バンドの中心人物です。1982年に「Shame On The Moon」(1983年全米シングルチャート2位)が大ヒットしましたが、この「We've Got Tonight」と共通する哀愁ムードいっぱいのバラードナンバーなので、機会があったらぜひ聴いてみて下さい。
そして、プロデュースはデヴィッド・フォスター(David Foster)。今やスーパープロデューサーとして君臨する音楽界の重要人物です。そう言われると、イントロ部分のピアノなんてデヴィッド・フォスターらしい孤高のアレンジだと思いませんか??
優しく歌い出すケニー・ロジャースに、透き通るようなハイトーンで答えるシーナ・イーストン。デヴィッド・フォスターのアレンジも徐々にクライマックスに近づき、1分48秒の部分からこれ以上ないほどディープに攻めてくるケニー・ロジャース。二人同時に歌い始めた直後(2分05秒近辺)のゴージャスなアレンジなんて、もう感涙モノですよ。これでもかと盛り上げるデヴィッド・フォスターのアレンジ(2分18秒近辺)に、本日最大のシブさで歌うケニー・ロジャース(2分21秒近辺)。そこにいきなり(2分33秒近辺)トップスピードで歌い込んでくるシーナ・イーストンが、なんてったって最高じゃないですか。デビュー3年目にしてこんな歌い方(切り込み方)ができるんですから、グラミー新人賞もダテじゃないですよ。いや~、改めて聴いてもいまだに3回は鳥肌が立ちますね。
ちなみに「We've Got Tonight」の邦題タイトルは「愛・ひととき」です。
デュエットの多いケニー・ロジャースはデュエットアルバム『Duets』(1984年)なんていう作品も発表してますが、シーナ・イーストンとの「We've Got Tonight」は、ケニー・ロジャースの1983年のアルバム『We've Got Tonight』からの1stシングルとしてカットされ、全米シングルチャート6位をマーク。もちろん、デュエットアルバム『Duets』にも収録されています。
国宝に認定したほうがいいんじゃないかと思うほどの名デュエット「We've Got Tonight」は、個人的評価☆☆☆☆☆(五つ星)の大オススメ作品です。
■ケニー・ロジャース■
1938年8月21日テキサス州ヒューストン生まれ。高校時代にロカビリーバンドのThe Scholarsから3曲のシングルをリリース。高校卒業後ソロとして2枚のシングルを発表し、ジャズ楽団のThe Bobby Doyle Threeや、Kirby Stone Fourでベースを担当。Kirby Stone Four脱退後、マーキュリーレコードから何作かのソロシングルを発売するがヒットに結び付かず契約は解消。1966年フォークバンドのThe New Christy Minstrelsに加わり、1年後の1967年に自らのカントリーグループ(The First Edition)結成に向け何人かのメンバーとバンドを脱退。大手リプリーズレコードと契約したThe First Editionは1968年にシングルデビューを飾り、1969年にKenny Rogers & The First Editionと名称変更。1960年代後半から1970年代前半にかけて数多くのヒット曲を生み出し、自らのテレビ番組を持つほどの人気振りを見せるが、シングルセールスは徐々に落ち込み、1973年リプリーズと離別。ケニー・ロジャースの独自レーベルに移籍後も不調は続き、1974年ケニー・ロジャース脱退、1975年バンド解散となる。多額の負債を抱えてしまったケニー・ロジャースは、アダルトコンテンポラリーを意識したポップなカントリーミュージック路線で再スタートを切り大成功。1976年から1984年の間にリリースされたアルバムは、すべてがゴールドアルバムかプラチナアルバムに輝いている。中でもライオネル・リッチーがソングライト&プロデュースを手がけた「Lady」(1980年11月15日付全米チャート1位~6週連続)が初の全米ナンバーワンを獲得するとともに、ビージーズのソングライトによるドリー・パートンとのデュエット「Island In The Stream」(1983年10月29日付全米チャート1位~2週連続)も全米ナンバーワンをマークした。テレビ番組のレギュラーや映画俳優としても人気を集め、最近ではアルバムリリースと並行して、チャリティコンサートの運営、ファーストフードチェーン(Kenny Rogers' Roasters)の経営など、幅広い活躍ぶりを見せている。
■シーナ・イーストン■
1959年4月27日スコットランド生まれ。バーブラ・ストライザンドのアルバム『The Way We Were』(1974年)に影響を受け、シンガーの道を志して王立スコットランド音楽大学に入学。卒業後、オーディションからデビューに至る道のりを1年間にわたって追い続けるイギリスBBCテレビのドキュメンタリー番組『The Big Time』に出演。これがきっかけでEMIレコードとの契約が成立し、デビュー曲「Modern Girl」(1980年イギリスシングルチャート56位、再エントリー後8位を記録)、2ndシングル「9 to 5」(1980年イギリスシングルチャート3位)の2曲がトップ10ヒットに結び付く。イギリスでの1stアルバム『Sheena Easton』(1981年)リリースに続き、アメリカデビューも決定。大御所ドリー・パートンのヒット曲「9 to 5」(1981年2月21日付全米チャート1位~2週連続)との混同を避けるため「Mornig Train (Nine to Five)」と改題された同曲は、1981年5月2日付全米チャートで2週連続のナンバーワンをマーク。ロジャー・ムーア主演映画『007 ユア・アイズ・オンリー』主題歌「For Your Eyes Only」(1981年全米チャート4位)のヒットに続き、第24回(1982年開催)グラミー賞で最優秀新人賞を受賞した。1984年のアルバム『A Private Heaven』では、1stシングル「Strut」(1984年全米チャート7位)や、ソングライターにプリンスを迎えた2ndシングル「Sugar Walls」(1985年全米チャート9位)など、従来の清らかなイメージとはまったく違ったセクシーな一面も披露。ベイビーフェイスが10曲中5曲のプロデュースを手がける1988年のポップなアルバム『The Lover In Me』リリース後、ドン・ジョンソン主演のテレビドラマシリーズ『Miami Vice』にも出演。ミュージカル『ラ・マンチャの男』のステージを務め、ジャズやスタンダードを歌ったアルバム『No Strings』(1993年)や、ディスコの名曲カバーでつづるアルバム『Fabulous』(2000年)などもリリースしている。
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