最新のR&Bチャートをご紹介

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速藤年正 Toshimasa Hayato

メラニー・Cの「I Turn To You」

2005年04月22日 15時44分21秒 | 全米チャート
melanie_c

今回はメラニー・C(スパイス・ガールズ)の「I Turn To You」を、ヘックス・ヘクターによるダンスリミックスバージョンで紹介します。

まず先にご説明しておきますと、個人的にスパイス・ガールズのファンでもなければ、メラニー・C嬢のフリークでもありません。リミックスを担当してるヘックス・ヘクターの大ファンなのです。

「I Turn To You」のオリジナルバージョンは、スパイス・ガールズで活動中のメラニー・Cが1999年に発表した1stソロアルバム『Northern Star』からのイギリス第4弾シングルとしてカットされ、2000年8月にイギリスのシングルチャートで1位を記録。

この「I Turn To You」をアメリカのヴァージンレコードがヘックス・ヘクターのダンスリミックスとともに全米のクラブでプロモーションしたところ、全米ダンスチャートをあっという間に急上昇。チャートインからわずか8週間で全米ダンスチャートのトップに輝いたのでした。
オリジナルはストリングスの音色が哀愁ムードを誘うダンスポップですが、ヘックス・ヘクターのリミックスではシンセサイザーがギュンギュンうなるイケイケムード満点のキャッチーなリミックスに生まれ変わってます。

ヘックス・ヘクターの詳細は後述するとして、メラニー・Cがブレイクした2000年はヘックス・ヘクターの当たり年とも言え、

エヴリシング・バット・ザ・ガール「Temperamental」(2000年2月12日付)
ホイットニー・ヒューストン「I Learend From The Best」(2000年2月19日付)
ヴェロニカ「I'm In Love」(2000年5月20日付)
ララ・ファビアン「I Will Love Again」(2000年5月27日付)
ジェニファー・ロペス「Feelin' So Good」(2000年6月3日付)
トニ・ブラクストン「Spanish Guitar」(2000年8月19日付)
マドンナ「Music」(2000年9月16日付~5週間連続)
メラニー・C「I Turn To You」(2000年11月11日付)
ナタリー・コール「Livin' For Love」(2000年12月23日付)

…と、9曲もの全米ダンスナンバーワンを量産。中でもマドンナの「Music」は年間のダンスナンバーワンに選ばれています。

ちなみに、2000年ダンスシーンを振り返って個人的ベスト曲を挙げるとすれば、以下の7曲になりますでしょうか(カッコ内はリミキサー名)。

1.トニ・ブラクストン「Spanish Guitar」(Hex Hector)
2.エンリケ・イグレシアス「Be With You」(Thunderpuss)
3.ユーリズミックス「17 Again」(Peter Rauhofer)
4.メラニー・C「I Turn To You」(Hex Hector)
5.ホイットニー・ヒューストン「I Learned From The Best」(Hex Hector)
6.ララ・ファビアン「I Will Love Again」(Hex Hector)
7.オリーヴ「I'm Not In Love」(DJ Skribble & Anthony Acid)

やっぱり、7曲中の4曲がヘックス・ヘクターになっちゃうんですよね。

すっかりメラニー・Cの話題が薄くなってしまいましたが、全米ダンスシーンだけに限ってみれば、スパイス・ガールズのメンバー5人の中で最も成功しているのがメラニー・Cです。なんたって「I Turn To You」がダンスナンバーワンに輝いてますからね。
次に活躍してるのがエマ・バントン。フル・インテンションがリミックスを手がけた「Free Me」(2004年11月13日付全米ダンスチャート4位)と、オールマイティによる「Maybe」(2005年3月19日付全米ダンスチャート6位)の2曲がヒット。エマの2曲ともプロモーション盤オンリーなので入手は非常に困難かと思われます…。

そんなワケで、メラニー・Cが歌う「I Turn To You (Hex Hector Radio Mix)」は☆☆☆☆☆(五つ星)の最高評価です。

■メラニー・C■
「有名になりたいですか?」のオーディション広告に集まったティーンの中から、ヴィクトリア・アダムス、メラニー・ブラウン、エマ・バントン、ジェリ・ハリウェル、メラニー・チザムの5人が選ばれスパイス・ガールズを結成。メラニー・Cは、ブライアン・アダムスとの共演ヒット「When You're Gone」(ブライアン・アダムスの1998年のアルバム『On A Day Like Today』収録)や、サウンドトラック『Big Daddy』(1999年)へのソロ参加(「GA GA」を収録)を経て、1999年に1stソロアルバム『Northern Star』をリリース。「Goin' Down」(1999年10月イギリスチャート4位)、「Northern Star」(1999年12月イギリスチャート4位、「Never Be The Same Again」(2000年イギリスチャート1位)、「I Turn To You」(2000年8月イギリスチャート1位)、「If That Were Me」(2000年12月イギリスチャート18位)の5曲がアルバムからヒットを記録し、2003年には2ndソロアルバム『Reason』を発表。「Here It Comes Again」(2003年3月イギリスチャート7位)、「On The Horizon」(2003年6月イギリスチャート14位)、「Melt」(2003年11月イギリスチャート27位)の3曲がシングルヒットをマークしている。



■ヘックス・ヘクター(Hex Hector)■
ニューヨークで生まれ、サンタナ、アル・グリーン、ティト・プエンテ(ラテン)、ローリング・ストーンズなど、幼いころから幅広い音楽を聴いて育つ。パラダイス・ガレージ、ロキシーといったニューヨーク屈指のナイトクラブに通い、1990年ごろにはトンネル、ライムライト、サウンドファクトリーでレジデントDJを担当。まだ無名だったジェニファー・ロペスは当時のクラブ仲間。1992年前後からアーティストのリミックスワークをスタートさせ、ジェニファー・ロペス「Waiting For Tonight」(1999年10月全米ダンスチャート1位)、トニ・ブラクストン「Un-Break My heart」(1996年12月全米ダンスチャート1位)をはじめ、日本のMISIA「Everything」(2000年)、浜崎あゆみ「Seasons」(2001年)、平井堅「Kiss Of Life」(2001年)など、これまでに200曲以上のリミックスを手がける。第43回(2001年開催)グラミー賞で最優秀リミキサー賞を獲得。その対象作品は旧友ジェニファー・ロペスのリミックスだった。


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