最新のR&Bチャートをご紹介

最新のR&Bチャートをご紹介します。
速藤年正 Toshimasa Hayato

LSGの「Curious」

2005年04月15日 11時45分04秒 | 全米チャート
ミッドナイト・スターの「Curious」に続き、
今回はLSGの「Curious」をご紹介しましょう。

タイトルが同じということで、ご想像のとおり、LSGによるミッドナイト・スターのカバーです。

LSGは、ジェラルド・レヴァート(GERALD LEVERT)、キース・スウェット(KEITH SWEAT)、ジョニー・ギル(JOHNNY GILL)3人の頭文字を取ったユニット。詳しくは後述しますが、この3人ともソロのベテランアーティストで、3人とも低音ヴォーカルが特徴の個性派として活躍しています。

日本のアーティストに例えれば、五木ひろし、森進一、細川たかしがユニットを組んだような感覚でしょうかね。とにかくLSGの3人は「濃い」のがセールスポイントです。

クールな曲調自体ミッドナイト・スターのオリジナルとそんなに変わりはありませんが、なんと言っても、人気のヴォーカリスト3人が歌っているという点が最大の魅力。LLクールJのゲストラップからスタートして、キース・スウェットのヴォーカル、バスタ・ライムスのゲストラップ、ジョニー・ギルのヴォーカルへと続き、ジェラルド・レヴァートのコーラスをバックに絶妙のタイミングで切り込んでくるMCライトのゲストラップなんて、もう最高(!)の一言に尽きるでしょう。

まさにドリームチームとも言えるLSGは、1997年にアルバム『レヴァート、スウェット、ギル』を発表。アルバムからは濃密なスローナンバー「My Body」が全米R&Bチャートで1位を獲得。この「Curious」は全米でのシングルカットはありませんでしたが、アメリカのラジオDJに人気が高かったのか、R&Bのエアプレイチャートを上昇しました。

ちなみにこのLSG、2003年8月に再集結の2ndアルバム『LSG2』を発表し、これまたディスコクラシックとも言えるフーディニーの「Frienfs」をバックトラックに使った「Just Friends」をシングルカットしています。

知り合いの家に行ったり、友人の車に同席するときなんかに、ついついその人のCDコレクションを見て、どんな曲が好きなんだろうと興味を持つことなんてありませんか??
LSGの「Curious」みたいにシングルカットもされなかった名曲を車に積んでる人を見たら、「こいつ、やるなぁ」と心から尊敬してあげてください。残念ながら自分は一度もそういう人に出会ったことはありませんが…。

オリジナルの「Curious」に対する個人的評価は☆☆☆☆★(四つ星)でしたが、LSGの「Curious」はMCライトのラップに1票を投じる意味を込めて☆☆☆☆☆(五つ星)のオススメ作品です。

■ジェラルド・レヴァート■
1985年から活動する男性3人組R&Bグループ、レヴァートの中心人物として7枚のアルバムを発表すると同時に、1991年以降、ソロとしても8枚のアルバムをリリース。トゥループ、メン・アット・ラージといった1990年代のR&Bグループをはじめ、ミキ・ハワード、レジーナ・ベルなどのベテランアーティストのプロデューサーとしても大活躍。どの作品もクオリティが高く、時代に流されることのない、シブさを追求したオトナのR&Bを楽しませてくれる。父親はフィリーソウルの大御所グループ、オージェイズのエディ・レヴァート。1995年の親子競演アルバム『Father And Son』は極上のシブさ。


■キース・スウェット■
ニュージャックスウィング系の大ヒット「I Want Her」(1987年全米R&Bチャート1位)でメジャーデビューを飾ったニューヨーク、ハーレム出身のキース・スウェット。セクシーかつ濃密なスローナンバーを得意とし、これまでに10枚のアルバム(ベスト盤&ライブ盤を含む)をリリース。中でもカット・クロースのアシーナ・ケイジと歌った5thアルバム『Keith Sweat』からの2ndシングル「Nobody」(1996年全米R&Bチャート1位。ライブアルバム『LIVE』にも収録)は、歌詞・メロディともにエロエロ路線まっしぐら。プロデューサーとしても男性R&Bグループのシルクや、女性R&Bグループのカット・クロースを育て上げている。


■ジョニー・ギル■
女性R&Bシンガーのステイシー・ラティソーに見いだされ1983年にアルバムデビュー。ベイビーフェイスとジャム&ルイスがプロデュースを手がけた4thソロアルバム『Johnny Gill』(1990年)から3曲の全米R&Bナンバーワンが飛び出すとともに、ボビー・ブラウン脱退後のニュー・エディションにもメンバー参加。ステイシー・ラティソーとのデュエットアルバムを含め、トータル6枚のアルバムをリリースしている。ニュー・エディションはボビー・ブラウンの復帰後もジョニー・ギルを正式メンバーと認め、1996年に歴史的なリユニオンアルバム『Home Again』を発表した。


コメント (5)
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