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クリエイティブ脚本術

2007-03-19 20:56:12 | 物語論
別にモノ書き志望ってわけではないんですが「クリエイティブ脚本術」なんて本も読んでます。
で、内容を後で思い出せるように要約しておきます。

1.物語はメタファー(比喩)で描かれる。
2.物語には主人公の変化のサイクルがある。これは8ステージに分類できる。
 一つの物語で何周もすることもある。
 どこで終わるかで物語のタイプが変わる。
 ポジティブな4ステージ:主人公はヒーローとして「より高み」に登ろうとする。
 (1)分離
   ヒーローがどのようにして冒険に関わるか
   ・冒険への誘い
   ・恐れの壁や欠損状態
   ・刺激と決心
   ・覚悟を決める
   ・計画を練り準備をする
 (2)通過儀礼
   ヒーローがどのようにして通過儀礼を受けるか
   ・現実に直面する
   ・警告される、誘惑にあう、脅迫される
   ・本音による衝突、葛藤
   ・犠牲者との直面
   ・罠、計画の破綻、窮地
   ・危機。絶望、自己犠牲の勇気
   ・最後の強襲。勝敗を決する戦い、消化吸収。
 (3)統合
   ヒーローがどのようにして謙虚になるか
   ・勝利のカギをつかむ
   ・愛の抱擁
   ・慢心
   ・思いがけぬ危機と脱出
   ・象徴的な死(海岸に打ち上げられる etc.)
 (4)再生
   ヒーローがどのようにして報酬を得るか
   ・力と謙虚さを携えた帰還
   ・権力を得る
   ・婚姻、祝賀
   ・新しき我が家
 ネガティブな4ステージ:主人公はアンチヒーローとして現状に留まろうとする。
 (1)執着
   ヒーローがどのようにしてホールドファスト(そしてアンチヒーロー)になるか
 (2)退行
   アンチヒーローがどのようにして後退していくか
 (3)疎外
   アンチヒーローがどのようにして独裁暴君となるか
 (4)死
   アンチヒーローがどのようにして報いを受けるか
  ポジティブ側の逆なので詳細は省略
3.キャラクターアーキタイプは9つある
 9つのうち(1)~(6)にはポジティブ側とネガティブ側がある。
 (1)エゴ(ヒーロー)
   意識そのもの。創造的無意識のメタファーである他のアーキタイプとは一線を画する。
 (2)霊
 (3)心理
 (4)感情
 (5)肉体
   それぞれのエネルギー機能を表現する。
   物語では助力や抵抗、同盟や敵といった具合に助成者や対立者として主人公と関わる。
 (6)アニマとアニムス
   物語に愛をもたらす。
   アニマは男性の心の中の女性的な傾向、アニムスは女性の心の中の男性的な傾向。
   接点や仲介者であり主人公を魂へと導くガイドでもある。
 (7)トリックスター
   主人公が行き詰ったときに刺激を与えるトラブルメーカー。
 (8)門番
   障害や妨害者。
   主人公の前に立ちはだかり、覚悟や決心の固さを確かめる。
 (9)シャドウ
   抑圧された無意識の要素。
   悪魔やミイラや幽霊や極悪人にメタファーされる。
4.シュガーコート(糖衣)
  観客が感じる心地よさ、即ち娯楽面。感情移入のポイント。
 (1)分離化
   物語の要素を分離して焦点をあてることで興味が高まり感情的に引き込まれていく。
   さらに要素を芸術的に扱うことで要素に秘められた真実を純化・増大化させる。
   分離化されたプロットで同様の感情を連続して引き起こせば強調できる。
 (2)構造
   結果と、それに伴う感情を引き離すことで第三者的視点から楽しめる。
 (3)現実世界
   現実をうまく模倣すると興味をもって喜ぶ。
   仕草、表情、雰囲気、会話など。
 (4)技術的・審美的側面
   明確さ、美しさ、麗しさ、ハーモニー、リズム、優美さなどの審美的側面は
   多様性、コントラスト、比率、対象性、タイミング、テンポなどの技術的側面を
   熟練した形で芸術的に扱うことで生れる。
5.創作のプロセス
 (1)魅力を探る。
   魅力とは、アイデアや視覚的なイメージについての強い感覚。
   その魅力を創造的に扱い自分のイマジネーションを同調させる。
 (2)比較と選択
   (1)のプロセスでえられた生の素材を比較・選択する。
   一つ一つのアイデアに含まれる美徳を比べて
   もっとも強くてポジティブな感覚を伴うもの以外は捨てる。
 (3)モデリング
   選んだものの中から感情的に思い入れの強いイメージを検証して
   ストーリーモデルのアーキタイプに関連付ける。
 (4)ひらめき
   分析と組換え、誇張と縮小化、理想化と中傷など。
 (5)テスト
   出来上がったモデルの中を歩いてみる。
   何かしっくりこないものがあれば、その問題に一つずつ取り組む。
   その部分をやめて別のことを試す、キャラクターを変えてみる、シーンを入れ替える、etc.
 (6)問題解決
   自分の感覚を研ぎ澄まし、ネガティブな感覚に立ち向かう。
   なにかしっくり来ないと感じたら「試み-失敗」のプロセスで解決していく。
6.ストーリーモデルのアーキタイプは12ある。
 (1)追求される価値
   テーマとなる価値(人生、健康、正義、自由etc.)を探求してモデルを組み立てる。
 (2)形を変えた実体
   自分がもっとも魅力を感じた場所なりグループなりが決まるまで色々な場合を想定し、
   決まったらそれを少しずつ自分の世界に発展させていく。
 (3)逆境
   自分が見つけ出した問題は、興味があり心から心配しているものを選ぶ。
   人間としての心を呼び覚ませ、欠損状態を解消するヒーローになりたいと思わせる。
 (4)問題の原因
   脅威と危険を感じるものであること。
 (5)ホールドファスト/アンチヒーロー
   問題の原因を見つけたら下降側の過程を考えてみる。
   責任のあるネガティブなエネルギーを特定し擬人化する。
 (6)問題解決
   問題の解決。
 (7)驚喜するもの
   問題を解決したり逆境を引っくり返すために必要不可欠な要素。
 (8)ヒーロー
   問題を解決するのは誰か?
   ヒーローが準備が整っていない状態、即ち欠損状態ある場合、
   まずそれを解決するか、そのまま進むかのどちらかになる。
 (9)助勢力と抵抗力
   ヒーロー以外のキャラクターのアーキタイプを分類する。3参照。
 (10)衝突
   メインとなる対立だけでなく全ての要素において、
   ポジティブとネガティブは衝突状態になければならない。
 (11)パッセージの各段階
   2参照。
 (12)カモフラージュ
   全ての象徴的な要素は隠されている。
   観客が作品を鑑賞しながらその象徴に気が付いたら、
   それは減点となり、ただの風刺的な寓話になりかねない。


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