はとるのメモ帳

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闇の三王

2007-01-26 22:52:52 | 映画とかドラマとか音楽とか
 永遠の戦士エルリック4「ストームブリンガー」に収録されている
 2本目の短編です。


今までエルリックを愛する人間は何人か出てきましたが
真にエルリックと理解しあえるものはいませんでした。
厳密には理解し合えたけど運命がそれを許さなかった
夢盗人ウーン(真珠の砦)がいますが…。
この理解しあえる、というのが一つのポイントです。
死んだ婚約者のサイモリルはメルニボネ人の中では最もエルリックを
理解していた人だったのですが、それでも普通のメルニボネ人とは
エルリックの考え方が異なっていたため、真に理解しあうことは無かったのでしょう。

そんなエルリックの前に現れたのが…

あらすじ(ネタバレ注意)『

エルリックはムーングラムと盗人の町ナドソコルから逃走中だった。
忍び込んだものの、以前の事件から住人たちはエルリックを
快く思っていなかったからである。
追跡者たちを撒くためトルースの森に入る。
ここは得体の知れない魔物がいると伝えられていた。
そこで一人の女性が助けを求めてきた。
カーラークの商人の娘ザロジニアで、叔父一行とトルースの森付近を通商のため
馬で通っていたところ、オルグの一団に襲われ一人だけ逃げ延びたという。
ザロジニアはカーラークまでの保護を求める。承諾するエルリックたち。
お互いに惹かれあうエルリックとザロジニア。夜営で話をするうちにエルリックは
ついに折れ、ザロジニアと愛し合う。その夜、オルグの一団に襲われる一行。
ナドソコルで得た宝もそのままに、からくもその場を逃げ出す。
エルリックは一計を案じて、オルグの王から宝を取り戻すことにする。
トルースの森で取れた薬草を煎じて飲むとしばらく皮膚が硬化して剣を受けても平気になる。
神の使者だと偽ってオルグの王ガセランに合い、歓待を受ける三人。
しかし、ガセランを憎む兄ヴィールカドがザロジニアを誘拐し
伝説の王の復活の血の生贄にしようとする。
ヴィールカドを殺しザロジニアを助けだすが、その血で伝説の闇王が蘇える。
闇王は死者のため、ストームブリンガーが効かない。
オルグらは闇王の配下の死者たちに襲われ貪り食われる。
エルリックはムーングラムと協力し、必死の思いで闇王を暖炉に突き落とし闇王を倒す。
オルグの城は炎に包まれ、脱出する三人。
ザロジニアへの想いでストームブリンガーを使わずに敵を打ち払った自分に感激するエルリック。
そしてトルースの森で得た他の薬草を使えば、魔剣に頼ること無い生活ができる、と考える。
魔剣との繋がりを断てるかも、という思いを胸にカーラークに向かうエルリック。
そしてカーラークでエルリックとザロジニアは結婚することになる。



以上。今回はかなり短いですねぇ。

エルリックの前に運命の女性ザロジニアが現れます。
そして理解しあうとともに、魔剣の呪いから逃れられるかもしれないと
エルリックに希望の光が灯ります。
果たして幸せは訪れるのでしょうか?

ところで、このころのエルリックは<混沌>に仕えています。
以前、<法>と<混沌>の対立の話はしましたが、その上を統べるものの存在が
匂わされてきました。実際、その存在ははっきりとは話に登場しませんが
<天秤>または<宇宙の天秤>と呼ばれます。
この天秤が<法>と<混沌>の勢力のバランスを取っているというのが
ムアコック作品の(エルリックサーガに限らない)世界観です。
ムアコック自身、初期にはこの概念がはっきりしなかったため描写が少ないのですが
この概念が今後、クライマックスに向けて走り出していきます。

そうです。全7巻のうち、まだ4巻目ですがこの4巻の最後の話「ストームブリンガー」が
クライマックスなのです。クライマックスまであと2話です。

次回「忘れられた夢の隊商」
平穏に暮らすエルリックの元にムーングラムから凶報が届きます。


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