はとるのメモ帳

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夢盗人の娘(2/4)

2007-07-23 00:59:19 | 映画とかドラマとか音楽とか
エルリックサーガ、後期三部作の最初の作品「夢盗人の娘」です。
全三回の予定だったんですが、あらすじを上手くまとめられなかったので
全四回に変更します。今回はその2回目となります。

まずは前回の概略から。

夢盗人の娘(前編)
 ドイツの伯爵ウルリックは、その家系に黒い剣レイヴンブランドを受け継いできた。
 ナチスであり従兄のゲイナーが、その剣を接収するために訪ねてきた。
 ウルリックがその話を断ると政治犯として逮捕されてしまう。
 ウーナやレイヴンブランドの助けで収容所を脱走したウルリックらは地下世界に逃げ込む。
 二人は地下に住むオフ・ムー人に保護される。
 ウルリックとウーナを追って、ゲイナーとその部下クロスターハイム率いるナチスが追ってきた。


続いてキャラクター相関図。
 比較のために、クライマックスだった
 ストームブリンガーのときの相関図から。


 続いて今回のキャラクター相関図です。
 主要な人物がごっそり入れ替わっています。
 また、新たに「天秤の騎士」という区分を追加しました。
 エルリックら「永遠の戦士」を含む、宇宙のバランスを保つために
 戦いを宿命付けられた人たちです。



あらすじ(ネタバレ注意)『

フィー博士を狙った弾丸は空中で止まった。
「畜生、ここはミドルマーチだな」クロスターハイムは瞬時に事態を悟ったようだ。
ミドルマーチとは、人間界と仙境の境界世界のことだ。
「ナイフの腕前をみせてやれ」ゲイナーは部下の一人に命令した。
フィー博士が大きく口を開けて甲高い声で叫んだ。悲鳴だと思った。
しかし実際は違っていて、洞窟の天井の鍾乳石一つが根元から折れて落ちて来た。
それは正確にナイフを構えたナチスを貫いた。
ゲイナーは部下が逃げ出すので撤退するしかなかった。
落ち着きを取り戻し、剣を持ったわたしは下流にある首都ムー・ウーリアへ船で連れて行ってもらった。
出迎えの群衆の中にウーナを見つけ嬉しかった。
わたしは一刻も早くベック領にもどりナチスの非道に抵抗したかった。
ウーナにその事を話すと、まだ帰れませんと教えてくれた。他にも多元宇宙の話を聞かされた。
タネローンを含む、少なくとも3つの世界でゲイナーが我々を攻撃しています。
ここの戦闘は他の世界にも影響を与え、逆もまた然りです。
すると、ここでゲイナーを打ち破ることがベック領を救うことになるのか。
それにゲイナーは他の世界にも分身が存在するのか?
ゲイナーに限らず、わたくし達にも分身が存在します。
そしてその分身が合体することで、特に血縁関係にある分身が合体した時は大きな力を発揮します。
では他の世界にはわたしの分身がいるのか?
あなたが分身と言った方がいいかもしれません。あなたは特別な存在なのです。
わたしには理解するのが難しい話だった。
ムー・ウーリアも美しい都市だった。ウーナの案内で都市を散策していた。
鍾乳石の陰からゲイナーが現れた。ゲイナーがわたしを脅す。
そのとき、わたしの幻の分身が姿を現わした。なにかゲイナーに言ったようだ。
ゲイナーは逃げ出した。ウーナはゲイナーが軍勢を連れて攻め込んでくることが分かったらしい。
ムー・ウーリアに戻り、見たことを報告した。やはり剣が無いと不安だ。
わたしはウーナにここにいるように言って剣を取りに戻った。
剣を持ってウーナのところに帰る途中、またもゲイナーに出くわした。
軍勢を指揮するゲイナーとムー・ウーリアに潜入したゲイナー。
自在に分身できるようになったらしい。
ゲイナーの喉元に剣を突き付けたが、クロスターハイムがわたしの背にピストルを突き付けた。
さらにわたし達を見つけたウーナが弓矢をクロスターハイム目がけて構えている。
膠着状態に陥った時、あの幻の男がわたしの体にとびこんできた。
今やわたしはフォン・ベックでありメルニボネの王でもある。
完全に一人となり記憶を共有した。クロスターハイムはわたし達の合体に気づいたようだ。
ゲイナーは地下の蛮賊どもを手下に従えてわたしを殺そうとしたが
メルニボネの剣術を学び、肉体にこの剣の使い方が染み込んでいるわたしの敵ではない。
蛮賊を倒すたびに剣から新たなる力が流れ込んでくる。
わたしは水の精霊王ストラーシャを召喚した。敵の軍勢は水に飲まれたかあるいは逃げ出したか。
ストラーシャよ、わたしを元の世界へ戻してくれ。
水に飲み込まれ、渦に飲み込まれ気が付くと海岸に立っていた。
しばらく歩くと見覚えのある景色が見えて来た。タネローンにたどり着いたようだ。
「殿下、あんたなのか?」「ああ、わたしだ」ムーングラムに答えた。
「このとおり肉体と剣を手にいれた。わたしの体はどこだ?」「こちらでまだ寝たままだ」
数週間前、タネローンは謎の軍勢に包囲された。軍勢そのものは弱く撃退するのは訳無かった。
だが、周りの景色が崩れて来た。そして融けた岩のように灰色一色になった。
法の女神ミッゲアの仕業らしい。
ミッゲアといえども下僕となる人間がいなければこの世界に力を及ぼせないはずだ。
大きな狼に乗り、全身を黒い甲冑で包み象牙の剣を持つ騎士が城壁の外に姿を現わした。
「メルニボネのエルリックよ、汝が剣を渡せばタネローンを解放しよう」騎士が叫ぶ。
「タネローンには手を出せないのではないか?」わたしが返す。
「エルリック、そなたに選択の余地は無いぞえ」女の声で狼が笑う。
「天秤の騎士として、一騎打ちで決めようではないか」戦闘に飽きて来たわたしには騎士の提案は魅力的だった。
「天秤の騎士は<法>に仕えぬのではないか?狼が手を出さぬなら一騎打ちは望むところだ。」
レディ・ミッゲアの力が無いのなら負ける気はしない。狼が引いて行く。
ムーングラムは罠だと言うが、わたしは城壁の外に出た。
騎士と剣を交えた。何か妙だ。剣を交えるたびに力が抜けて行く。
ついにわたしは自分の体を支えられなくなった。
「そちは眠るのじゃ」兜の下には女の顔があった。ミッゲアだ。
狼がミッゲアだと思っていたがわたしは騙されたのだ。
まぶたに息を吹きかけられわたしは眠ってしまった。
ムーングラムたちがわたしの体を城壁の中に運んでくれたのをうっすらと覚えている。
夢をみた。背中が丸い小男が何か叫んでいるが何も聞こえない。
わたしの手を引いて行く。ここは世界樹か?灰色の木々の枝を進む。
小男はいつの間にか姿を消していた。枝がトンネル状になっている。
そこをくぐると、野原に出た。小屋が一軒ある。
「お入りください、プリンスエルリック」女性の声だ。中に入ると若い女性がいた。
「マダム、名前を教えていただけないだろうか」
「母が種族の習わしに従ってつけてくれた名前はウーナです」
「母親はウーンなのか?」「夢盗人のウーンです」
「母親がウーンということは、、君はわたしの娘なのか?」
「そういうことになりますわ、父上」
わたしに娘がいたとは…。正直驚きだし、また嬉しくもある。
さらに双子の兄もいたらしいが生き別れになり生死不明ということだ。
「わたくしは夢盗人ではありませんが、その力はある程度受け継いでいます」
ウーナによるとわたしの血縁でありわたしの分身でもあるものが黒の剣の顕現を持っているらしい。
ウーナの導きで多元宇宙の根幹である灰色の封土を通り、月光の道を使って進んで行った。
わたしはその先の世界でフォン・ベックの守護天使となった。
何度か合体を試みたが、心底わたしを求める状態にないと拒絶してしまうようだった。
だが、今やわたしは肉体を手に入れ剣も手元にある。
ミッゲアから剣を取り返すために、ムーングラムと二人でタネローンから討って出た。
ほとんど見分けが付かぬ灰色の荒野の先に塔が見えた。
近づいて中を見るとミッゲアが捕らわれている。
「従兄よ、わたしはアリオッホに力を借りてミッゲアを捕らえたのだ」
ゲイナーが二ふりの剣をもって現れた。「もう一つの剣をみつけたのか」
「剣を返してもらおう。剣はひとふりだ。」わたしは言った。
ゲイナーが煙のように逃げ出したので追いかけたが見失ってしまったようだ。
ウーナがわたし達を追って来た。
ゲイナーがミッゲアを裏切ったことを話すとウーナが答えた。
彼は裏切りを処世術にしてしまったのです。
ミッゲアの力が無くなった今、タネローンは助かりました。
父上も目覚めることができるでしょう。
タネローンに戻ると、ムー・ウーリアからフロメンタルやルニャール卿が来ていた。
ゲイナーを討つことが目的らしい。奴の逃げた方角を教えた。
さて、この肉体はフォン・ベック伯に返すとしよう。



ついにエルリックが登場します。
ある人の夢は、別の次元での現実でもある。
この(夢盗人の探索の概念の拡張の)考え方でムアコックは
独自の世界観を修正してきました。
「薔薇の復讐」で現代の社会の歴史に詳しいウェルドレイクを登場させ
エルリックたちの住む世界と私たちの現実世界の接触を試みました。

今回は、第二次世界大戦の時代にエルリックが登場するという
逆のパターンでお互いの世界をリンクさせました。

単純な時間軸の流れではない世界(というか多元宇宙)。
時間は線ではなく平原だそうです。
最新の宇宙論や量子論ともリンクする内容でなかなか興味深いですね。

次回、「夢盗人の娘」(3/4)
エルリック、ウルリック、ウーナの3人は
オフ・ムー人の都に戻りゲイナーらと闘います。


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2 コメント

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時間が (伯爵)
2007-07-23 14:52:29
たらないw 全部よんで理解するにはw
マトリックスみたいに、あたまにプラグぶっさしてDLでけたらえぇのに…
自分でも (はとるん)
2007-07-23 16:03:23
このあらすじを理解するのは難しいだろうなぁと

思ってます。

もともとの原文がキャラクターの主観視点で描写されてるので

第三者視点であらすじ書くとすごいワケワカメになってしまうんですよ(^_^;)



あらすじのあらすじを待った方がいいかもw

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