カラスの目

物質世界や電脳世界からキラキラしてるモノを無節操に拾い集めて並べとくそんな場所。

大型化の弊害。

2016-03-31 12:20:18 | ニウス
鶏の大型化に思わぬ弊害、「木のような」胸肉【ウォール・ストリート・ジャーナル/YAHOO!ニュース】

>高まる鶏肉需要を満たすべく鶏の大型化を追求する中で、食品業界は予期しなかった問題に突き当たっている。
 問題は十分に大きな鶏を育てることではない。鶏卵用ではない肉用のブロイラーでは、胸肉だけで数十年前の1羽分より重い鶏が増えている。ただ、こうした胸肉には硬い繊維質が含まれるものが増えており、食品業界は「木のような胸肉」と呼んでいる。人間の健康に害をもたらすものではないが、食感は落ちる。
 伊ボローニャ大学の食品科学者、マッシミリアーノ・ペトラッチ氏は「より硬く弾力があるので、この種の肉を噛むには多くのエネルギーが必要だ」と話す。
 同氏によると、米国やスペイン、英国、ブラジルなどでこうした状況が生じており、世界中で販売される骨なし胸肉の約5~10%は「ゴムのように硬い」。
 こうした硬い胸肉の原因は分かっていないが、ペトラッチ氏をはじめとする研究者らは、数十年にわたって大型化と成長促進に重点を置いて鶏を飼育してきたことが一因ではないかとみている。
 米オーバーン大学のサシット・F・ビルギーリ名誉教授(家禽科学)は「最終的な体重は、どのくらい速く成長するかほど問題ではない」と話す。同教授は筋肉の異常について5年以上にわたって研究している。
 サンダーソン・ファームズやパーデュー・ファームズ、ウェイン・ファームズといった米鶏肉生産各社にとって、硬い胸肉はここ数年で直面している鶏の筋肉障害の一つだ。一方、消費者からは動物の生活の質向上や抗生物質の使用低減に向けた圧力が高まっている。
 業界アナリストらは硬い胸肉について、大幅な値引きを余儀なくされたり、消費者が小ぶりの鶏の飼育を求めることになれば、結局は生産者の売り上げを阻害しかねないと指摘する。
 米バージニア州リッチモンドのBB&Tキャピタル・マーケッツのアナリスト、ブレット・ハンドリー氏は、今は大型の鶏を販売するほうが利益が上がるが、今後は「利益が縮小する」可能性があると話す。
 同氏は、消費者が「木のような胸肉」は買いたくない以上、より大きな胸肉を生産する価値はあるのかと問いかける。その上で、企業利益への影響はまだ、数値化しようとするほど大きくないと思うと続けた。
 サンダーソン・ファームズのマイク・コクレル最高財務責任者(CFO)は、同社は1年ほど前、レストランや消費者の苦情を受けてこの問題に気づいたと話す。同社は現在、食肉加工工場に、骨なし皮なし胸肉について「木のような胸肉」がないかを調べる従業員を置いているが、この問題に対処するコストはごくわずかだという。
 過去50年間に、米国で飼育される鶏の平均体重はほぼ倍増した。一方、鶏の体重を増やす時間は半分に短縮されている。1965年には3.5ポンド(約1.6キロ)の鶏を出荷するのに63日かかった。アグリスタッツと業界団体によると、2015年には飼育期間48日の鶏の平均体重は6.2ポンドだった。今では10ポンド以上の鶏を育てている企業も多い。
 若くなく体重の重い鶏ほど筋肉が硬くなる傾向が強まる。研究者や企業によると、この問題は生きた鶏では発見しにくく、食肉処理されて初めて表面化する。
 研究者たちによると、成長の速めた鶏が生物学的限界にさしかかってるのか、それとも、栄養や飼育方法の問題がこうした状況につながっているかどうかは明らかではない。
 オーバーン大学のビルギーリ氏は「鶏を『A地点』から『B地点』に育てるには複数のやり方があり、われわれは現在、その方法について協議している」と話す。同氏は異なる期間で鶏を飼育することに関する研究を監督している。「これは経済的に重要な問題なので、誰も肉の生産量を諦めたくはないが、こうした問題をコントロールしたいとも考えている」と語った。


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 大型化には必須の形態として遺伝子にインプットされてるのかも知れないですね。ひょとしたら、ですが。
 当然のコトですが生物は人間に喰われる為にデザインされてるワケじゃないですから。

タイムサービス。

2016-03-31 12:13:49 | ニウス
なぜ? 中国で突然グーグル閲覧可能に 一瞬の自由に「テスト説」飛び交う【SankeiBiz/YAHOO!ニュース】

>あの“万里の長城”を打ち破ったのか、それとも何らかの奇策を繰り出したのか-。インターネットの閲覧制限が厳しい中国で、グーグルの検索機能や写真共有サイト、インスタグラムの利用が、突然可能になった。このため、中国版ツイッター「微博(ウェイボ)」などでは驚きや歓迎の声が飛び交い、13億人を擁する大国が騒然となった。だが、“異変”を察知した中国当局が、約1時間45分後に接続できないよう遮断措置を講じたため、うたかたの夢に終わった。グーグルへの接続ができた理由は不明で、臆測が臆測を呼ぶ状態が続いている。
◆SNSで「すごくハッピー」
 グーグルは2006年、中国でも検索サービスなどの提供を開始。しかし、中国当局から要請を受けて実施していた“自主検閲”が批判を浴びたこともあり、4年後の10年にサーバーを香港に移し、中国本土から“撤退”した。
 その後は、仮想プライベートネットワーク(VPN)を使うなど、利用者もあの手この手で接続を試みる状態が続いていた。
 香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)や米紙ワシントン・ポスト(いずれも電子版)などによると、中国本土でグーグルが利用できるようになったのは27日午後11時半ごろ。香港、米国など4地域のグーグルのサイトにアクセスできたという。
 グーグルにアクセスできることが分かると、中国全土のネットユーザーが「微博」などSNSで一斉に声を上げ始めた。
 広東省深センのITエンジニアは「私も友人たちに試すよう勧めた。(当局側の)一時的なトラブルか、政策を変えたのか分からないが、すごくハッピー」と興奮気味。その上で「グーグルにつながった瞬間、中国本土に言論の自由が戻ってきた」と喜びを爆発させた。
◆2時間たたずにブロック
 しかし、多くの人の喜びは、瞬く間に吹き飛んでしまった。グーグルが閲覧できる状態に気付いた当局がブロック。28日午前1時15分、閲覧は不可能になってしまった。その1分後にアクセスしたユーザーは「今、再びグーグルがブロックされた。われわれは短い幸せの時間を忘れるべきではない」と嘆いた。
 中国は、政府に不都合な情報をブロックする「グレートファイアウオール」(万里の長城)と呼ばれる強力なネット検閲システムを構築。体制批判や世論形成のきっかけになりそうな交流サイト(SNS)や動画サイト、ホームページなどを閲覧できないようコントロールしている。
 それなのになぜ、急に閲覧可能になったのか。中国はもちろん、グーグル側もこの件について、何もコメントしていないため、理由は不明と報じる海外メディアが多い。ただ、中国が“誇る”万里の長城に、何らかの不具合があり、閲覧できるようになった可能性が高いとの見方が強い。
◆「テスト説」まで飛び交う
 また、一度撤退したとはいえ、中国市場はグーグル側にとって魅力的な存在。昨年12月、上海の自由貿易区にソフト開発会社を設立したことで、グーグルの再上陸が近いとの観測も流れた。このため、今回の件は、グーグル側が何らかのテストを試みたからでは、というまことしやかな噂まで流れている。
 実態は藪の中だが、グーグルのサンダー・ピチャイ最高経営責任者は昨年、米経済誌フォーブス(電子版)にこう語っている。
 「中国とは過去に問題を抱えてきたが、基本ソフトのアンドロイド開発者やユーザーが多く、中国は決してブラックホールではない」(SANKEI EXPRESS)


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 何があったのかは判りませんが、この2時間足らずの間に接続出来たヒトはラッキィだったのでしょうね。

 それと、こうやって一瞬でもタガが外れる時間が出来て仕舞ったコトで、中国国内での不満がまたちょと溜まったコトでしょう。
 使えないのがアタリマエであれば使えない状態を普通と思えますが、(……ホントは使えるのに……)て思って仕舞ったらもう使えないのがアタリマエだった頃には戻れませんから。
 ケータイ電話と同じく。

タリーモンスター!

2016-03-18 19:42:09 | 科学
謎の古代生物タリーモンスターの正体がついに判明・まさかの脊椎動物! 半世紀来の科学者の夢がやっとかなった【ナショナルジオグラフィック】

>60年以上前に化石が発見された、奇怪な古代生物のタリーモンスター。学名の Tullimonstrum gregarium から「トゥリモンストゥルム」と呼ばれることもあり、長らく軟体動物だと思われていたが、実は脊椎動物だったことが3月16日付の科学誌「ネイチャー」で発表された。3億年以上前に川を泳いでいたモンスターは、魚類をはじめ、鳥類、爬虫類、われわれヒトなどが属するグループのごく初期における仲間だったわけだ。
 米イェール大学に所属していたときに今回の研究を行ったヴィクトリア・マッコイ氏(現・英レスター大学)は、「見た目はエイリアンのようです」と言う。
 マッコイ氏は1000個以上のタリーモンスターの化石を分析。「ネイチャー」の論文によると、タリーモンスターは脊椎動物で、原始的な脊髄を持っていたという。
 古生物学者たちはこの発表に衝撃を受けている。彼らはタリーモンスターを系統樹のどこに位置付けるべきか何十年も頭を悩ませてきたが、基本的には無脊椎動物、おそらくは古代の軟体動物かぜん虫、あるいは節足動物だろうと考えていたからだ。ところが今回の研究結果は、タリーモンスターが最も古い脊椎動物の1種であるヤツメウナギと近縁であることを示していた。
 米イリノイ自然史研究所のサム・ヘッズ氏は、この研究には参加していないが、「脊椎動物! 驚きです!」と言った。

最初の発見者はアマチュア化石収集家だった
 タリーモンスターという名前は、1955年にこの化石を発見した配管工のフランシス・タリー氏にちなんでつけられた。タリー氏は、石炭紀後期の化石が大量に出土することで知られるイリノイ州のメゾンクリーク層で、炭鉱のぼた山の中からこの化石を発見した。
 タリー氏はアマチュア化石収集家だったが、こんな化石は見たことがなかった。胴体から尾にかけてはシャベルのような形で、象の鼻のように長く伸びた吻の先にはワニのような口があり、胴体の前の上のほうからは両側に細い棒が突き出し、先端に目がついていた。タリー氏は1987年のインタビューで、「本を調べても、そんな生物は載っていませんでした」と回想している。「博物館や化石同好会でも見たことがありませんでした。そこでシカゴのフィールド自然史博物館に化石を持ち込んで、どんな生物なのか鑑定してもらおうとしたのです」
種を決める基準となったタリーモンスターの化石。胴体にある筋肉の節、先端に目がついている長い棒状の突起、尾部のひれ、胴体に重なるように折りたたまれた吻と顎など、この生物の形態的特徴を最もよく保存している。(PHOTOGRAPH BY PAUL MAYER AT THE FIELD MUSEUM OF NATURAL HISTORY)
 フィールド自然史博物館の古生物学者たちもお手上げだった。その1人であるユージーン・リチャードソン氏は、1966年に「誰もこの動物を知らなかった」と記している。種名や属名が分からないどころか「どの門の動物であるかも分からなかった。深刻で厄介な問題だった」という。
 1987年にタリー氏が死去した後、フィールド自然史博物館の研究者メアリー・カーマン氏とイリノイ州地質調査所の科学者らは、タリーモンスターをイリノイ州の化石に指定するよう議会に働きかけた。この法案をめぐって意外なほど大きな論争が起き、時間の無駄とまで言われたが、1989年にタリーモンスターは晴れてイリノイ州の化石になった。今日では、イリノイ州を含む40州が「州の化石」を定めている。
 現在は米ウッズホール海洋学研究所に所属しているカーマン氏は、「イリノイ州の皆さんが他に類のない特別な化石を選定するお手伝いができたことを誇りに思っています」と言う。

数千におよぶ化石を調査
 正式に州の化石に認定されても、タリーモンスターの正体は依然として分からなかった。マッコイ氏は問題を解決するため、フィールド自然史博物館とともに2014年10月から数千個のタリーモンスターの化石を詳しく調べはじめた。博物館は偶然にも化石データのデジタル化に着手したところだった。
 研究チームはすぐに、吻から尾の先に向かって伸びる薄い色の帯に興味を持った。
 この帯はそれまで消化管と考えられていたが、いくつかの化石では脊索の特徴が見てとれた。脊索とはのちに脊髄になる神経を保護する器官であり、脊椎動物が成長するごく初期の段階にあらわれる。
 タリーモンスターが脊椎動物であることに気付いた研究チームは、現代のヤツメウナギと比較することで、その奇妙な特徴の多くを解き明かした。
 走査電子顕微鏡で化石を調べてみたところ、タリーモンスターの歯は、ヤツメウナギの歯やヒトの爪と同じようにケラチン(角質)でできていた可能性が高いことが分かった。胴体部分に並んだ三日月型の穴は、現代のヤツメウナギの鼻孔にあたるもので、匂いをかげたと考えられる。いくつかの化石では脳の輪郭がうっすら見えていることも分かった。
「タリーモンスターには現代のヤツメウナギと同じ程度の知能があったと思われます」とマッコイ氏は言う。「天才というわけではありませんが、生きていくには十分だったでしょう」。

夢を叶えた科学者たち
 この研究チームのメンバーの多くは、学生時代に古生物学の大きな謎の1つとしてタリーモンスターのことを学び、その正体を解き明かすことを夢見ていた。
 論文の共著者の1人であるフィールド自然史博物館のスコット・リドガード氏は、「最高に盛り上がりました」と言う。
 同じく論文の共著者であるフィールド自然史博物館のポール・メイヤー氏は、大学時代にタリーモンスターの化石が欲しくて遠征旅行をしたが見つけられなかった過去を持つ。
 だが、タリーモンスターの正体が分かっても、彼らの研究はまだ終わらない。今度は、この生物がどのように移動し、餌を食べ、環境の中で生きていたかを解明するという大きな課題が待っている。
「タリーモンスターが泳ぎ回る姿を見ることができたら、どんなにすばらしいでしょう」とメイヤー氏は言う。「彼らがどのように暮らしていたのか、想像もつきません」


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 てワケで。
 シルエットが似てなくもないってだけで『ネッシーの正体』なんて云われたりもして居た(ネッシーにしてはめっさ小さいですけどねコイツ)古生代の生物『タリモンストラム・グレガリウム』こと通称タリーモンスターです。
 長らく無脊椎動物と云われて来ましたがこのたびめでたくヤツメウナギの仲間であると判明した模様です。ブラボゥ。

魚は嘘吐き。

2016-03-10 18:48:35 | 科学
魚はウソをつけるし、見破りもする【ナショナルジオグラフィック】

>水槽の魚をじっと見つめるフィリップ・ストッダード氏は、その優雅な動きに見とれているわけではない――彼はどの魚が「ウソつき」かを見極めようとしているのだ。
 米マイアミにあるフロリダ国際大学の生物学者で、電気魚を専門とするストッダード氏は、魚がどういう場合にウソをつき、他の魚はどうやってそれを見抜くのかについて研究している。
 唸り声を上げたり、体色を変化させたり、空気中に化学物質を放出させたりと、動物たちは実にさまざまな方法でコミュニケーションをとる。だから彼らの中にウソをつくものがいたとしても、驚くにはあたらないとストッダード氏は言う。
「動物のコミュニケーションに関しては、まだよくわかっていないことがいろいろとありますが、そのひとつが、彼らが仲間を信用するかしないかを、どうやって決めているのかということです」(参考記事:「魚が海中で姿を隠す仕組みを解明」)
 ストッダード氏によると、動物たちは我々人間と同じような計算を働かせて、他の個体を騙すことが少なくないという。
 先日マイアミで行ったインタビューの中で氏は語った。「どんな種であれ、若いメスなら、自分にはこれだけの財産があると語るオスの言葉をそのまま鵜呑みにはしないと言うでしょう」。
大きな魚は声も大きい
「自分の身元、セックス、攻撃、なわばりなどの話題は、大半の動物が興味を持つ定番のトピックです」と氏は言う。
 そうした会話の中に隠されたウソを発見するため、ストッダード氏はプラスチック製の水槽で、デンキウナギ目に属する南米のフェザーテイル・ナイフフィッシュ(Brachyhypopomus pinnicaudatus)を飼育している。
 夜行性で体長約20センチのこの魚は、周囲の環境を把握したり、互いに意思の疎通を図ったりするために弱い電気パルスを発生させる。
 体の仕組みからすれば、大きな魚ほど強い信号を送れるため、この電気信号は発信する魚の大きさの目安にもなる。そこで、ストッダード氏は電気信号を音に変換できるスピーカーを水槽に取り付けた。
小さな魚の大きなウソ
「ピニ」(学名にちなんでストッダード氏がつけた通称)の研究を続けるうち、彼は予想外の発見をするに至った。
 ある実験で、ストッダード氏はエサを十分に与えたグループと、あまり与えないグループを作った。どちらのグループにもオスとメスの両方がいた。
 彼の予想は、太った魚が最も強い信号を出し、それによって自分の体が大きいことを大声で将来の交尾相手に知らせ、かつ競争相手を追い払うというものだった。そして腹を減らした魚は、エサを探している間はエネルギーを節約するためにおとなしくしているだろうと考えていた。
 しかし実際には、魚の行動はその真逆だった。あまりエサをもらえない魚は、徐々に減っていくエネルギーを、できるかぎり強力な信号を送り出すために使う。つまり彼らは事実上、自分の体の大きさを誇張して周囲に伝えようとしていた。
「おそらくは食べものが少ないことが、自分の命があまり長くは続かないことを自覚するサインとなるのでしょう」とストッダード氏は言う。
 だから彼らは交尾相手を見つけるために、「最後の力を振り絞ります。自分の体にむち打って、できる限り強い信号を送り出すのです」と氏は結論づけた。
ウソをつかれた側の受け止め方は?
 しかし将来の交尾相手は、それで騙されるのだろうか。
 ここがストッダード氏の研究のややこしいところだ。もし飢えた魚が例外なく強い電気信号を発するのなら、どの魚も最大限の能力を発揮してみせているわけで、結局のところ相手を騙すという行為は成立していないのではないだろうか。
「すべての魚がそうするので、実際には信号の信頼性は高まります。全員がウソを吐いた結果として、真実が浮かび上がるのです」
 しかし信号を受け取る側は、痩せた魚から強い信号が発せられ、十分に栄養を取っている魚から弱い信号が発せられていることをどうやって知るのだろう。
 ストッダード氏が現在行っているまた別の実験では、大型の水槽の中に3つの部屋を作り、その中央の部屋にメスを、両脇にオスを入れる。あたりは暗くし、信号だけを感じられるようにする。
 そしてメスが信号を頼りに、どちらのオスの部屋に入ることを選ぶかを観察する。この他、オスを中央の部屋に入れて、その魚が信号を受けとって、どちらの部屋にいる競争相手なら自分が攻撃する側になれそうだと判断するかを見極める実験も行っている。
 ストッダード氏によると、人間にも多様なタイプがいるように、魚たちの態度もさまざまだという。「たとえば『私は誰でも信じます。私は相手を信用するタイプの魚です』といった感じものもいれば、『私は誰ひとり信じません』あるいは『私はその日ごとに、すべてをしっかりと確認したいタイプです。物事は変わるものですから』といった態度のものもいます」
 ストッダード氏は、ピニにはそういう計算をする能力があると考えている。「彼らは人間が思うより賢いのです」
動物にも情報操作能力
 動物のコミュニケーションにおける誠実さを確かめるというのは、動物研究における意外な盲点だとオクラホマ大学の生物学者、マイケル・マーカム氏は言う。氏は以前、ストッダード氏とともに研究をしたことがあるが、この研究に直接関わってはいない。
「電気魚もヘラジカも人間も、みな自分が交尾相手としてどれほど価値が高く、敵としてどれだけ強力かを周囲に知らせる手段を持っています」
 ストッダード氏の研究は、不正直なのは我々人間だけではないことの証明だと彼は言う。
「少なくとも短い間であれば、人間以外の動物も、そうした情報を偽る能力を持っているのです」


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 まぁ『ウソ』て云うと聞こえが悪いけど要するに生存確率を上げ子孫を残すために『自分の状態をより良く見せる』てコトだよね。
 方向性は真逆だけど一部の鳥類の見せる偽傷行為なんかと同じ。かも。

 で魚にも個性があるってコトは『嘘が下手なヤツ』と『嘘を見破るのが下手なヤツ』の遺伝子は受け継がれずに滅んでゆくのかな。
 何万年か未来にはスゲエ精巧な嘘をつくようになってたりしてね。魚が。