ハーベスト・タイム『収穫の時』

毎月発行の月刊紙『収穫のとき』掲載の聖書のお話など。

いのちと性の教育

2007-05-05 | 番組ゲストのお話
◆5月号◆ジャパン クリエイティブミニストリー代表 藤田 桂子さん(3月5週、4月1週放映)

・自殺願望
 私は大阪で、長崎出身の母に男尊女卑を教えられて育ちました。家の中では、姉でありながら弟に仕え、家の手伝いをし母を助けていました。しかし家族は私を理解してくれませんでした。そんな中で、「私はこの家の子どもではないのか?」「なぜ生まれてきたのか?」と、心の中は疑問でいっぱいでした。
 十五歳の夏には、ついに死にたいと思い、首にロープを巻き自殺しようとしましたが、「このまま死んだら、何のために生まれてきたか分からない。何か理由があるはずだ」と死ぬのをとどまりました。それからはその理由を探しながら、自分を理解してもらえる良い友だちを作ろうと精一杯努力しました。その結果、多くの友だちを得ましたが、二十歳の時、ある友人に裏切られ、人間不信に陥りました。心を開いて友だちを作っても、人は自分のことが大切で、こちらが願うようには私を受け入れてくれませんでした。
 その時はもう何も考えたくなくて、仕事から帰ると夕食を済ませ、夜の七時には寝るという生活を一ヶ月ほど続けました。「もう少しするとまた元気になるかも知れないけど、時間の問題だな。次に何かが起これば、絶対に死ぬだろうな」と考えました。

・創造主なる神さまとの出会い
 ふと、その二ヶ月前に教会のクリスマス会に行ったことを思い出しました。その時のメッセージは全く覚えていませんが、ただそこにいた人々がとっても暖かかったというのは印象的でした。「彼らは何を信じているんだろう。もし彼らの言う神さまが本当なら、信じてもいい。たいしたことないなら、その時は自殺すればいい」と考え、その教会に行くようになりました。
 そこで初めて創造主なる神さまの話を聞きました。私は小さい時から、神さまはいつも私を見て、愛しておられ、正しく悪を裁かれる方だと信じていましたが、神さまが誰なのかは知りませんでした。その時、私が信じていた神さまが、聖書の神さまだと分かりました。自分の罪と、イエスさまの十字架の死と復活のことを聞き、二、三週間後にイエスさまを自分の救い主として信じました。
 私にとって一番うれしかったことは、私のことを愛し受け入れてくれる神さまがいて、私を見捨てないということでした。誰も私を受け入れてくれなかったけれど、創造主なる神さまは私のすべてを知っていて、愛してくださり、受け入れてくださるのです。それまで自分一人で精一杯頑張って生きてきましたが、辛くてもうだめだとあきらめていました。でも私が必死になる必要はないのです。神さまが私の内に生きていてくださるからです。世界中の人が私の敵になっても、神さまは私の味方です。そのことが一番うれしかったのです。
 それから、喜んで教会に通うようになり、約半年後にイエスさまのことを、私の個人的な救い主として理解できるようになりました。イエスさまに愛されていること、イエスさまがともにおられることを信じることができるようになってからは、信仰がぐらつくことはありませんでした。その後、バプテスマを受け、日曜学校の奉仕をするようになりました。

・一番の親孝行
 信仰を持って七年目、父が死ぬ前にイエスさまを信じました。真実な神さまに感謝し、私は自分のすべてを神さまに献げました。ある時、まだ信仰のない母が私のことを「イエスさまを信じ、結婚できないでかわいそうだ。信仰を持つ前の方が良い子だった」と言いました。たしかに今までなんの反抗もしないで母を助けてきた私が、「偶像礼拝はしない。毎週教会に行く」ということは、母にとって驚きだったのかもしれません。でもその時、母にこう言いました。「私がクリスチャンになったことは、お母さんに一番の親孝行をしたと思うよ。もしあの時イエスさまを信じていなければ、二十一歳の誕生日は無かった。自殺していた!だから私は一番の親孝行をしたんだよ」と。

・いのちと性の教育
 救われた時、私は死と隣り合わせでした。だからいのちの大切さを伝え、特に悩んでいる子どもや中高生には、創造主である神さまを知って、生きる意味を見つけてほしいと願っています。かつての私と同じように苦しんでいる子どもたちを救うために、子どもと中高生ヘの伝道、また彼らに関わる親や教師への学びを提供しています。日本は今、エイズ大爆発の前夜に来ています。そういう危機意識を持って、教会内だけでなく、学校などでも性教育を通して、自分自身といのちを大切にすることを教えています。創造主を知らなければ、自分の価値も、人生の意味もわかりません。彼らがこの世の情報に踊らされて、自分自身をぼろ雑巾のように扱い、死んでほしくないのです。だから学校でも「創造主」と「結婚まではノーセックス教育」を教えています。
 ある女子高生が、六十分の講演を聞いた後で、セックスをしていた彼氏と別れ、これからはセックスをしないと決心し、それが校長先生の耳にも届きました。またある中学生は、「ぼくは神さまの最高傑作だ!」と自信を持って生きるように変りました。感謝です。創造主を信じた子どもは、必ず救い主イエスさまに出会えると信じています。これからも、学校での講演を主が用いてくださるようにお祈りください。