In the Nest

ちいさな巣の中から、見上げる空。

雨の夜のお客

2005-07-04 22:50:16 | Weblog

バスを降りると、
あたりはぼんやりと、霧に包まれていた。
細かい雨が、時折ぱらぱら落ちてくる。

家のドアの前で、
鍵を出そうとバッグの中をごそごそやっていたら、

ジィ、ジィ、ジィ

すぐそばで、虫のけたたましい鳴き声。

振り向くと、
大きくて黒っぽい虫が、雨に濡れた廊下にひっくり返って
足をじたばたさせている。

なんだ?セミ?
顔を近づけてみると、
見覚えのある、ながーい、ギザギザの触角。

カミキリムシだな。

持っていた傘を差し出すと、
その先にサッとつかまり、
すぐに体勢を立て直した。

ちらっと羽を見せたので、飛んでいくのかと思ったら、
そのままのろのろと、廊下を歩いていく。
雨の中では、飛べないのだろう。


家に入って、洗濯機を回しておいて、
子供たちを迎えに行くためにもう一度外に出たら、
カミキリムシは、白い壁につかまってじっとしていた。
どうぞどうぞ、写真をお撮りください・・と、
言わんばかりに。


では、一枚。


また、雨が激しくなってきた。
今夜は、ここで雨やどりだね。



ヨウシュヤマゴボウ

2005-07-04 06:20:14 | Weblog

この間、娘を保育園に迎えに行ったら、
園庭に、ノウゼンカズラがあふれるほど咲き誇っていた。

わぁ、と目を奪われて、
写真写真、とカメラを出そうとしたら、
あらら、そんな時に限って
めずらしくカメラを持っていないじゃないか。

花の写真は、タイミングを逃すと
もう撮れないことも多い。
がっかりして帰った。

だけど、
あのノウゼンカズラの花は見事だから、
写真に撮らなくても、たくさんの人が目をとめるだろう。
こっちの地味な、
ヨウシュヤマゴボウの花なんて
誰が気づくだろうか。
実が色づけば、また別だけれど。

・・というわけで、
ヨウシュヤマゴボウの花。
どんな花も、
そのひととき、意味を持って美しく咲く。