脳神経回路近道を発見 玉川大助教授ら発表
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練習するとピアノが上手になる秘密の解明につながるかも
しれない脳の神経回路の近道を、玉川大学学術研究所の星英司
助教授(神経生理学)が米国ピッツバーグ大の研究者らと見
つけた。
ピアノの鍵盤を一つたたくときは、「たたけ」と命令する
大脳皮質と、運動を統合する小脳がともに働く。曲を滑らかに
弾くときには、そこに運動の流れの手続きを記憶する大脳基底核
が一枚かんでいるとされる。
これまで小脳と基底核は、大脳皮質を介する回路でつながると
考えられてきた。今回、大脳皮質を介さず近道で基底核と小脳が
つながる別回路もあることを、ウイルスをサルの脳に注射し、
その伝わり方で確認した。
「パーキンソン病など基底核が変化する病気の治療を、小脳
から行う方法が考えられるかもしれない」と星さんは話す。
(2005/10/11 朝日夕刊)