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詩はここにある(櫻井洋司の観劇日記)

日々、観た舞台の感想。ときにはエッセイなども。

バイエルン国立歌劇場『タンホイザー』 NHKホール 2017年9月21日

2017-09-21 20:30:45 | 日記
バイエルン国立歌劇場の『タンホイザー』は本日が初日。NHKホールの3公演とも平日の15時開演で20時終演。今日は木曜日だったのでお医者様には好都合な日程なのかも。

今回の招聘元は日本舞台芸術振興会。S席6万5千円、最低ランクのF席が1万7千円の強気な設定。週末がN響の定期公演でNHKホールが使えないという事情もあるのか普通のサラリーマンには厳しい日程だからなのかチケットが売れていないようだった。

日本舞台芸術振興会が主催するイングリッシュ・ナショナル・バレエの会場でオペラ体験シートという割引チケットを会場のみで2万2千円で販売していたので購入。E席2万5千円より安いので当日引き換えとなる席は3階席かと思ったら、2階席L8列3番というB席5万4千円相当の席でした。定価で買っていた方には申し訳ないようでした。

次期ベルリンフィルの音楽監督のペトレンコ指揮、フォークトをはじめバイロイト音楽祭から乗り込んできた名歌手がズラリと揃ったんですから音楽的には悪い訳ないんですが、5月に新制作されたばかりのカステルッチ演出のおかげで印象悪かったです。

色々と仕掛けを施しているのはわかるのですが、全く効果的でないばかりか音楽の邪魔をする始末。歌手には演技らしい演技をさせず、自分の卓越したと思っているアイディアの具現化に奔走して音楽を忘れてしまったよう。

始まるとすぐに乳房丸出しの女性達が舞台奥の的に向かって矢を放つという演出。弓や弓矢がシンボルとして舞台の中空に浮かんだりしているのですが、意味不明でした。謎解きを楽しむにはNHKホールの空間が大きすぎるのも問題だったと思います。

全体が色彩に乏しくモノトーンの舞台面なので退屈する場面も少なくなかったです。ようやく音楽に集中できたのは第3幕になってから。それでも余計な小芝居が付け加えられていましたが、音楽の素晴らしさが演出の欠点を吹き飛ばしてくれました。


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