短い入れ替え時間だったからか、鶴松による『お年玉 年始ご挨拶』が終わると10分ほどの休憩になり開演は15時15分からとなった。
出演者の協力体制があって主役、脇役隔てなく出演している姿が清々しい。錦之助、桂三、歌女之丞以外は彼らだけで芝居を構成しているのは凄い事ではある。
ただし、将来に期待を抱かせるものであっても未完成。ますますの精進を期待したい。
『寿曽我対面』一座が揃っての協力演目。錦之助の工藤、松也の五郎、歌昇の十郎ら年長者に安定感。巳之助の朝比奈が難しい役を自在に演じていて感心した。新悟と梅丸の女形は立役陣に比べると物足りなさが残る。正月に曽我物という伝統が生きている事に安堵。浅草歌舞伎に大冒険はいらない。
『番町皿屋敷』岡本綺堂の名作。格調高く謳い上げる台詞の数々。青山播磨の隼人に課せられたハードルは高いが何とか及第点で大健闘。お菊の種之助も女形を誠実に演じていて好感。静まり返り緊迫感の漂う客席というのも浅草では珍しい。旗本と町奴の喧嘩を描いた芝居を花川戸の地元で観るのも一興。新橋演舞場との繋がりもあるのが面白い。
『乗合船惠方萬歳』三十年後、四十年後に歌舞伎を担うであろう役者が勢揃い。松也の通人、女船頭、種之助の才造に面白い味がある。巳之助の萬歳が本格で正月からおめでたい空気に包まれて幸福。隼人の二枚目ぶりや白酒売りの新悟の成長に目を見張った。歌昇の若旦那、鶴松、梅丸の女形の今後も楽しみになってきた。浅草らしい華やかな打ち出し。
出演者の協力体制があって主役、脇役隔てなく出演している姿が清々しい。錦之助、桂三、歌女之丞以外は彼らだけで芝居を構成しているのは凄い事ではある。
ただし、将来に期待を抱かせるものであっても未完成。ますますの精進を期待したい。
『寿曽我対面』一座が揃っての協力演目。錦之助の工藤、松也の五郎、歌昇の十郎ら年長者に安定感。巳之助の朝比奈が難しい役を自在に演じていて感心した。新悟と梅丸の女形は立役陣に比べると物足りなさが残る。正月に曽我物という伝統が生きている事に安堵。浅草歌舞伎に大冒険はいらない。
『番町皿屋敷』岡本綺堂の名作。格調高く謳い上げる台詞の数々。青山播磨の隼人に課せられたハードルは高いが何とか及第点で大健闘。お菊の種之助も女形を誠実に演じていて好感。静まり返り緊迫感の漂う客席というのも浅草では珍しい。旗本と町奴の喧嘩を描いた芝居を花川戸の地元で観るのも一興。新橋演舞場との繋がりもあるのが面白い。
『乗合船惠方萬歳』三十年後、四十年後に歌舞伎を担うであろう役者が勢揃い。松也の通人、女船頭、種之助の才造に面白い味がある。巳之助の萬歳が本格で正月からおめでたい空気に包まれて幸福。隼人の二枚目ぶりや白酒売りの新悟の成長に目を見張った。歌昇の若旦那、鶴松、梅丸の女形の今後も楽しみになってきた。浅草らしい華やかな打ち出し。