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ジーンズリペア&リメイク工房 hands-on 日記(旧ブログ)

デニムの産地、岡山から発信するジーンズ日記(2010年12月~2016年1月)

リーバイス501XX 1922年モデル オリジナル ビンテージ (JUKEBOXにて撮影)

2013年09月15日 | まめ知識

こんにちはジーンズリペア&リメイクのhands-onです。


相変わらず、バタバタしております。

納期がまたもや、ヤバイ状況です、、、

日曜日も作業頑張ります、、、

でも、納期遅れになりそうな気がします、、、


ブログネタも沢山溜まっているので

UPも頑張ります。


今回紹介するのは



大阪府堺市のJUKEBOXさん で撮影させて頂いた品です。



こちら














圧巻の色落ち

ビンテージのオーラが出まくっています。




こちらは1922年モデルになります。


1922年なので大正11年

今から91年前

なのでこのジーンズは91歳?

よくぞ生き残った!っていう感じでしょうか?














1922年モデルの一番の特徴は

バックポケットのリベットが剥き出しでしょうか?


この剥き出しリベットが馬の鞍を傷つけるとの事で

内側に隠されるようになるのが1937年の出来事のようですね。


このジーンズの色落ちを見ると

カウボーイが穿いたようなシワの入り方をしています。

裾に残った濃色はブーツインで穿いていたのかな?



ゴールドラッシュ期に炭鉱夫の為の頑丈なパンツとして誕生した

ジーンズの需要が広まってきているのがわかると思います。

(その頃の呼び名はウエストオーバーオールなんですが、、、)









リベットのアップです。

一般の方には違いがわからないと思いますが

リベット形状、文字の刻印などが微妙に違っていると思います。












革パッチが残っています。

下に赤文字で書きましたが

薄っすら501の文字が残っていました。


皮もカチコチになっていなくて

しなやかな状態でした。


これは当時の洗濯が天日干しだったから?

アメリカで乾燥機が普及する年代になると、

この革パッチが熱でビーフジャーキー状に

なったビンテージ古着が多くなりますよね。


当時穿いていた人はビンテージジーンズなんて意識は無いから

便利になった乾燥機でガンガン回すのは当然でしょう!









パンツの内側です。

持ち出し(ボタンフライ側)

比翼(ボタンホール側)

の端の処理にロックミシンが使われています。











チェーンステッチ縫製になっています。




私の考えでは

チェーンステッチ=ジーンズを量産する為のミシン

ラッパと呼ばれる金具を使った部分縫い専用機であり、

下糸にボビンを使わずに、コーンから糸を直接取るので

連続してずっと縫い続ける事が出来る機械。


よってこの頃から

リーバイス社はジーンズの量産化(ライン製造)を始めたというのが

私の考えです。





これより古い1902年モデルは

オーバーロック無し

チェーンステッチ部分は全てシングルステッチなので

1台の本縫いミシンで1本製作していたと考えています。

(テイラーメイドだったのでは?という予想)













ベルトループが付いています。

昔の物は幅が広いですね、、、

このベルトループも専用ミシンで縫われています。

カン止めもこの頃からあったのですね。












サスペンダーボタン付き

この頃のボタンはセンターが凹んでいて

立体感と味があって好きなデザインです。


パンツを留めるのを

ペルトかサスペンダーかを選んでいた過渡期だったのがわかります。

尾錠(シンチバック)でも微調整出来そうですね、、、











トップボタン横が Vステッチ留めになっていません、、、

チェーン部分にシングルステッチを重ねているようです。

でもこれだと解れたから、V字に改善したのでしょうね、、、












フライボタンです。

リーバイスの刻印無しです。

なぜでしょうか?

パンツを穿いた時に見えないから

ここはメーカー品じゃなくて既製品でもいいか という考え?

よくわかりませんが

この時代に多いディテールです。












股リベットです。

これは物資削減の為に 大戦モデル(1942年~)で無くなったディテールです。

戦後モデルは復活しませんでしたがなぜでしょうね?



リペア屋目線で言うと

この股リベットは非常に効いている部分だと思いますが、、、

40年代~60年代までのXXは股のステッチ切れが多く

リペア依頼が多いです。

(番手を太くして切れにくくする工夫はわかるのですが、やはり綿糸は弱いです)



60年代後半 ビッグEになり股カン止め仕様になると

頑丈になりましたが、、、


70年代の66モデルではさらにスパン糸になったので

補強はバッチリになります。


なのでこの頃のモデルの股裂けは

ステッチが残ったまま、生地が破れてしまうのです、、、


こんな事ジーンズリペア屋しか気にしませんが、、、

ジーンズの股の進化の歴史は面白い物があります。






という事で

ジーンズマニアさま

お楽しみ頂けたでしょうか?

次回は

1902年モデルを書きたいと思っています。

沢山写真を撮らせて頂きました(JUKEBOXさんに感謝)

・ご依頼の流れは以下のページで説明しております。
 ↓ 

 https://hands-on-jeans.com/nagare.html

 

・ビンテージ(アンティーク)ミシンで作った製品も販売しております。
 ↓
https://handsonjeans.thebase.in/

(BASE検索 hands-on-jeans)


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