須磨観光ハウス~花月と猫の物語

1937年(昭和12年)に神戸市迎賓館として誕生した須磨観光ハウス「花月」と猫ちゃんたちを応援するブログです。

花月のお料理(47)~てっさ、てっちり・牡蠣ご飯

2020-12-16 06:20:54 | 花月のお料理
河豚(フグ)のことを「鉄砲」というのはご存知ですよね。フグの毒にあたると死んでしまうので、当たれば死ぬ鉄砲と同じ、ということで「鉄砲刺身」→てっさ、「鉄砲ちり鍋」→てっちりとなったようです。




てっさ、てっちりの味についてはもう何も言うことはありません。皆さんでご想像ください。お腹がいっぱいで雑炊なんて言いだせなかったのが、今思えば残念(泣)、実はこの後「牡蠣ご飯」を食べたので忘れてしまってました。胃が二つあればよかったのにな・・・もういいんですけど・・・(泣)



感心したのは「もみじおろし」の美味しさです。ちゃんと作った「もみじおろし」はチューブのもみじおろしと全く違うんですね。唐辛子のピリリと大根おろしのピリリが混ざりません。唐辛子の味がはっきりしているのがとてもいいんです。もみじおろしが特に気に入りました。

刺身のつまには「ハマボウフウ」という珍しい野菜が使われていました。

そして、牡蠣ご飯。牡蠣の炊き込みご飯の上には天かすが置かれてありました。これは生まれて初めてです。牡蠣の風味と口当たりに、天かすのシャキシャキした食感がけっこう合います。そりゃ、カキフライはあんなに美味しいんだから当然なんでしょうが、今まで気がつかなかった取り合わせでした。




ここ数週間は贅沢な日々を送っています。先日鏡をみて「あれっ」と驚きました。良いものを続けて食べると顔がツヤツヤ、しわまで伸びたように見えるんですね。でも体重がちょっと心配。太らないように自宅では野菜中心の粗食を心がけていますが、女子の皆さん、いいもの食べて綺麗になりましょうね!








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花月のお料理(46)~かぶら擦りおろし汁・南瓜水饅頭

2020-12-15 07:33:19 | 花月のお料理
料理長天才!連続ホームランです!
この味はもうアカンわ・・・関西弁で「もうダメだ」、「ノックアウトされた」という意味だと翻訳できるでしょうか(笑)



まず、かぶら擦りおろし汁(蕪擦り流し汁)。一口目の出汁が美味しいので既にノックアウト、二口目入る前に、かぶらと大根の違いを見ましょう。栄養素的にはほぼ同じ、共通する苦味や辛味も同じ。かぶのほうが甘味が強く、寒い時期ほど甘味は強まるようです。 

水饅頭を箸でほぐして二口目、またもや甘味が来ましたね。ここで冬の定番、南瓜登場です。南瓜のあんにエビを使うってすごい・・・南瓜は野菜の甘味女王、海老は魚介の甘味女王です。女王コラボ饅頭を、更に吉野葛でコーティングして水饅頭を作り、かぶらおろし汁に入れて味わう・・・何重にも手が込んだ冬の甘味は美味しいに決まっています。もう何も言えません。



また、お椀が素晴らしい。開けたとたん「富」の字が蓋裏に出ました。何とも良い字体です。そして食べ終わると「貴」が底に出てきました。合わせて「富貴」、お金持ちで身分が高いことです。



お金も地位も望めばキリがありません。分と足るを知り生きる、そして、たまには本当に美味しい料理を愛でる幸せを味わったりする。それで十二分に「富貴」です。こうして美味しい料理に巡りあえる運を持つのも「富貴」だと言えるでしょう。ああ、生きてて良かったぁ~。私は幸運です。





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花月のお料理(45)~金柑ウニ胡麻豆腐・八寸の宝石箱金柑イクラ入り

2020-12-14 05:48:03 | 花月のお料理
「初物を食べると75日寿命が延びる」ということわざを、以前母から聞いたことがあります。
今は季節に関係なしになんでも食べられる時代ですから、初物にあまり値打ちはないのかもしれませんね。
しかし、本日はインパクトのある初物でした。秋の終わりから冬にかけて出回る「金柑」を使ったお料理、甘酸っぱい中に少し苦みが残る金柑は、食感が濃い冬の食べ物です。



まず、いつもの胡麻豆腐。今日は金柑甘露煮の一枚とウニとでいただきます。
金柑もウニも甘味が強いのですが、二つの食材は甘さ自身も同調する味も違います。金柑は甘味+酸味と苦味、ウニは甘味+海水の塩味と磯の香、それでトータルで「甘い」!!!
すっごく美味しかったです!!料理長!!一品目でホームラン、ありがとうございます。



今回の先付と八寸の器は料理長自前のものだとお聞きしました。いいものをお持ちですので更に紹介しましょう。
八寸の器は宝石箱のようで、見るだけでトキメキます。今回はピンク・黄・水色・濃緑+白の4つの箱を使っていただきました。開ける前はドキドキします。中には木の皮が敷いてあり、その上に宝石のような料理が美しく並んでいました。




今度は丸い金柑をくり抜いた中に、イクラが入っています。「金柑ウニの法則」と同じく「金柑イクラの法則」が口の中に広がりました。美味い!!



他には、鯛の小袖寿司(小袖とは小さく作った料理の名称)、子持ち鮎、イカのヌタ等が入っていました。食べるのが勿体ないと言いながら美味しくいただきました。

金柑と聞けば咳止めやのどの薬を連想しますが、丸ごと食べられる金柑がこんなに魅力的な食材だと今回初めて知りました。寿命がのび~る!




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花月のお料理(44)~神戸牛すき焼き・ブリちり

2020-12-11 06:41:36 | 花月のお料理
大輪に咲いた霜降りの薔薇をとくと見よ!!!!!!!!!!
これだけで本当はなんも書くことがありません。



花月は「神戸ビーフ品評会優秀賞」の購買店認定を受け、厳選された神戸牛を提供しています。

さて、すき焼き。最初の一枚は焼肉にしていただきます。仲居さんがきれいに焼いてくださいました。もう、ず~~~と焼き肉でもいいと思うぐらい口の中で肉汁が溢れます。お肉がとろけますぅ。



仲居さんに野菜をきれいに並べてもらってすき焼きに突入。花月はスタッフさんを大事になさっているので、先代から働いている方もたくさんいらっしゃいるようです。私の大好きな仲居さんもその一人なんです。さすがに花月の実力者!手際の良さが超一流です。



すき焼きは割り下か、砂糖&醤油でいただきますが、お味はお好みで調整します。割り下とは調味した煮汁のこと。だし汁に醤油、砂糖、みりんなどで味付けしたもので、調合は作る人や料理によって異なります。 淡白な味付けの物は、関西では「つゆ」・「だし」などとも呼ばれています。秘伝となっているものもあるそうですし、スーパーでお手軽に買えるものもあります。

花月の割り下は甘さ控えめでした。私は塩分が強い料理があまり好きではないので(お酒のアテだったら塩辛いものもウエルカム)、ちょっと調節していただきました。



順番が逆なんですが紹介しますよ、ブリちり!
煮すぎてはいけません、さっとお鍋にくぐらせるだけです。これも口の中でとろけます。ポン酢つゆでいただきました。美味しい~。



肉も魚も厳選された素材の良さがまずは大事。そして料理長の技と盛り付け、仲居さんの手際とおもてなし・・・・人の手によって素晴らしい素材が進化し、食の場が盛り上がります。



それが食材を大事にすることの一つなんだと思います。食材に最後の命の輝きを与え、最後の舞台を美しく飾る、そんな「食への尊敬と文化」が花月にあります。

花月ではふぐも扱えるので、また後日のお楽しみに・・・。




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花月のお料理(43)~蟹・養老流し

2020-12-10 06:50:32 | 花月のお料理
花月の料理長は「流しもの」がお得意・・・以前にもご紹介しましたので皆さんご存知ですね!

今回は「養老流し」です。
おろした山芋を使う料理を、全般的に「養老」というようです。
滋養強壮があるヤマノイモは、老人の健康をも養うというので、特に敬老のお祝い会席料理として喜ばれるようです。

今回の「蟹・養老流し」は=「蟹山芋豆腐」かな??(養老豆腐というのがあるので・・・)。すり鉢でおろした山芋と蟹(蟹の調理法は分かりません)を流し缶に移して固めたものですが、山芋と蟹の風味がマッチして冬らしい流しものに仕上がりました。



流しものは本来、夏のお料理、夏に食べるほうが口あたりもよく、美味しく感じるのでしょうが、例えば胡麻豆腐なども味が濃いので冬でも美味しくいただけますね。今回の「養老流し」は蟹や山芋を使って芳醇な濃い味わいの「流しもの」に仕上がり、12月の流しものとして、たいへん美味しくいただけました。

「養老」和食には、すりおろした「とろろ」を食材に乗せて蒸す「養老蒸し」、白身魚やエビなどの食材に乗せて焼く「養老焼き」、とろろと卵白を混ぜた衣をつけて揚げる「養老揚げ」などがあるそうです。

「養老鍋」はうどんの寄せ鍋だそうで、これも初めて聞きました。




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