須磨観光ハウス~花月と猫の物語

1937年(昭和12年)に神戸市迎賓館として誕生した須磨観光ハウス「花月」と猫ちゃんたちを応援するブログです。

花月のお料理(35)~あなご八幡巻

2020-10-15 21:54:47 | 花月のお料理
八幡巻は八幡宮ゆかりの食べ物だと思っていましたが、公式には「京都の八幡村」の郷土料理だそうです。
八幡村の名前自体が「石清水八幡宮」ゆかりなら、やはり八幡さんに関係あるんですね。
そもそも八幡宮とはなんぞや?
八幡宮は八幡神を祀る神殿、八幡神は平たく言えば武運の神様。受験や就職にはいいんじゃないでしょうか。厄除八幡宮というのもありまね。

さて、石清水八幡宮には「放生会」の行事があり、その時期に川魚(うなぎ・どじょう)を食べるためにゴボウで巻いて隠して食べたものが、今ではゴボウを巻く「八幡巻」に変わりました。
牛肉やアナゴは近年になって使われ始めたそうです。人間の食欲恐るべし。

私が第二の祖国として愛してやまないタイには日常的に「放生会」があります。
魚、亀、鳥等、お寺の近くにとらえている動物種々を川や空に放生するのです。実は良くない手法の噂もあり、あまり好きではありません。


今回は食感の良いゴボウをあなごで巻いた料理でした。
その巻のキチンとした美しさに崩すのをためらいました。
食材を美味しく美しく整えることは、「大事な命を感謝していただく」ことです。
感謝のフィナーレは全身で「美味しい!」と思うことだと思います。いただいた命を美味しく調理すること、お料理を心から美味しく感じること・・・命の最後を輝かせるのは人間の使命だと思います。

人間は生態系の頂点に君臨し、雑食であり、他の命に支えながら生きています。フードロスや食材の無駄、廃棄は命をぞんざいに扱っているのだとお互い自覚をしながら生きていきたいものです。



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花月のお料理(34)~なんきん豆腐

2020-10-15 21:41:55 | 花月のお料理
花月の料理長は「流し物」が得意で、また研究熱心でもあります。
当然スイーツも得意です。困ったことに?マネちゃんは大のスイーツ好きです。
中でも料理長の自家製「プリン」には目がないようで、夜になると頭の黒いネズミと化して厨房に入り「プリン」を食べることもあるようです。



若女将もマネちゃんの健康を心配していらっしゃるので、夜にお菓子はいかがなものかと・・・マネちゃんご自身も「困ったことだ」と思っていらっしゃるようですが、とはいっても止まらない美味しさだそうです。皆さんにもぜひお勧めしたい一品です。

脱線ですね、なんきん豆腐でした。
以前「かぼちゃ豆腐」を紹介したことがあります。かぼちゃはカンボジアから来た野菜だから「かぼちゃ」と命名されたそうです。
「なんきん」と「かぼちゃ」はほぼ同じもののようですね。日本南瓜と西洋かぼちゃ、若干の違いはあるようです。

しかし、関西人は「なんきん」と聞くと、かぼちゃより濃密なホクホクとした食感を思い浮かべます。
冬に向かうにしたがって「かぼちゃ豆腐」は「なんきん豆腐」になった方がいいんです。温かみがより増して美味しそうに感じます。命名って大事ですね。



また和食では形や色も大事です。前回はかぼちゃの形、今回はなんきんの色を重視した仕上げでした。奥が深いです。


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花月のお料理(33)~菊花しんじょ・ほうじ茶麩・白きくらげ等のお椀

2020-10-15 08:26:28 | 花月のお料理
秋のお椀のなんと美しこと!まず名月のお椀をご鑑賞ください。



秋といえば菊花、食用菊が旬を迎えました。
菊の花は解毒作用があり、ミネラルやビタミンを多く含む優れた食材です。
日本人が菊の花を食べるようになったのはいつからなのでしょうか?
奈良時代に伝来した食用菊は江戸時代に至って庶民に食べられるようになったそうです。

中国では「延命長寿の花 」として漢方薬の位置づけもあるようです。
そういえば中国旅行で菊花茶飲みました。その後、お湯の中でふわっと花が開くような見栄えのいいお茶をお土産に買いました。お土産茶は見栄えだけであんまり美味しくなかったので、あの花が菊だったかどうか覚えていませんが、中国ではお花をお茶にして飲むのだと知りました。
改良も進み食用菊も美味しい食べ方があるようで、今回はしんじょの中身にしてシャキシャキといただきました。黄色がとてもきれいでした。



合わせて、ほうじ茶麩、そしてびっくりしたことにパプリカと三つ葉!
しかし、しかし、今回はとても勉強になりました。
菊、ほうじ茶、パプリカ、三つ葉!!!?
そんな香りと味の共演が成立しますか?
シンデレラと白雪姫とラプンツェルと人魚姫の共演のよう、ごたごたして味が分からないのでは?と思ったのは素人のあさはかさでした。

ベースのお椀汁がしっかりしていれば、個性派食材の共演は成立すると知りました。
お汁が味を混ぜない役割をしてくれるので、口の中に前の食材の香りが残りません。食材ごとの味わいがはっきり分かります。
これはこれは・・・あえて強い食材を数種類使うことによって負ける食材が出ない、全ての食材が立つのです。家庭料理でも応用できそうですね。



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