花餅屋廼徒然書附帖

歌舞伎の世界に魅入られた男の、余りにも刺激的でグダグダ過ぎる日々…

お江戸で観る上方系の歌舞伎…

2009年11月10日 23時11分09秒 | 徒然に歌舞伎噺なと…
弁当を食べて…辺りをウロウロとして…ホンで?
あぁ…時間ですよ。
長い目の幕間も終了して、次の演目になります…。

傾城反魂香
御馴染…近松門左衛門の義太夫物です。
まぁ…舞台は近江ですから…大津ね。
時代物ですね…一応は…江戸時代から見ても、時代物です。
此の辺りが難しい…まぁまぁ。

同じ近松でも…上方世話物ではないので、お江戸の方も結構と遣っておられるのも事実。
公演プログラムを買うまで…江戸歌舞伎の象徴たる團十郎さんの浮世又平ですか?
と思っていましたが…初役ではないのですね…他にも…お江戸の役者さんも又平を演じているのに…ビックリしました…。
ホンマ…まだまだ知らないことがいっぱいです。
まだまだ…初心者の域を出ていません…日々精進です。
近松=上方では即ないのですよね…当たり前ですが。

で…今回の反魂香です…。
此の狂言は幾度か観ていますので…筋はようわかっています。
で…割愛←コラッ!

はやり…役者さんの動きを見てしまいますよね…特に上方若衆が出ていると…確認に追われます。
で…虎が出る…画から出た虎と言った設定…。
此れを見て…まぁ、着ぐるみですが…何故かトラッキーを想像する私って…(汗)
関西なら絶対ウケルヨナァ…とか勝手に思い込んだりも…いやはや。
でも、幾らなんでも…トラッキーだと…ラッキーちゃんもご一緒にか?>コラッ!
話の筋が変わってしまうよな…菊五郎劇団ならアリだったりして(爆)
無いでしょ…ボソッ。

で…おとくの藤十郎さん…ホンマ、おもろい上方のおばちゃんです。
ホンマ…扇千景さんか、中村玉緒さんか…でも、やはり藤十郎さんって感じが漂う…シャベリのおばはんです>ヲイッ!

亀鶴さんは…いいですよね。

浮世又平は…團十郎さんで…何と言うか…そのぉ。
いいのですが…ドモリの部分と…江戸歌舞伎のいやぁ、荒事の言うか…團十郎さんの高揚感ある声とが…相俟って、いや…ギャップがあるんだよなぁ。
どう言ったらいいのか…吃音は吃音で…で、出る声が團十郎さん独特のあの声だと、チョッとなぁ…とも思ったりも。
其れ以外の所は、流石は團十郎さんって感じで♪
茶目っ気たっぷりの又平を演じていましたよ。
此の又平ならば、藤十郎さんのおとくも栄えますよね。
酸いも甘いも…噛み締めた夫婦ですよ…東男に京女…意味は違うが、ピッタリの夫婦でしょうか?

まぁ…話の筋なんか…如何でもいいような話で…またかいな?
あっピーエンドだったらいいのですよ♪
かかっ!抜けたっぁ!
何よりです…ご夫婦…幾久しくお健やかに…コラコラ(汗)
存分に楽しませて頂きましたよ♪

此処でまた幕間です…またまたウロウロとしています♪

さぁ…一休みしたら、最終演目ですよ♪

大津絵道成寺
坂田藤十郎五変化との副題が…そう、藤十郎さんが一人で踊り抜くのは言わんこと無いが、五役に早変わりしての踊り抜きです…。
ましてや…通常の道成寺の様に衣装の引き抜きもありますし…もう、見所いっぱいの演目です。
藤十郎さんの当たり役の一つですよね…中村鴈治郎家の家の芸である『玩辞楼十二曲』とはまた別に、此れこそ、当代の藤十郎さんご自身のまさに当たり役。

私自身は…此の演目自体もう幾度と観ています。
楽しく観れていますよ♪
通常の『京鹿子娘道成寺』も好きですが…其れとはまた違った意味でのパロディ版の道成寺…。
白拍子花子が一人で踊り抜き、最後には蛇体を現すのが道成寺物のお決まりのパターンですが…此の大津絵版は其処が違う。
大津絵に描かれてる人物が其々に此の道成寺の登場人物として踊り渡るのである。
最初は“藤娘”で登場して…お決まりの…♪
♪花の外には松ばかり~ぃ
乱拍子が入って、中啓の舞へと続く…。
下地は長唄の娘道成寺だが、時折…常磐津との掛け合いにもなる。
此の辺りが面白い。
同じ唄でも…長唄と…常磐津…唄い方が違ってくるので…まぁ、長唄と浄瑠璃の一種…違ってきますよね。

此の演目は安心して観ていられます…。
藤娘が鐘入りすると…“弁慶”が現れて…亀鶴さん…いいですよね。
鐘を引き上げようとする…。
とうとう鐘が引き上がられると…其処には蛇体の後シテではなく、此れまた大津絵の“念仏の鬼”
最後に、押し戻しとして“矢の根の五郎”が現れて、翫雀さんで…此の三人はお決まりの役どころですよね。
鬼と対峙する弁慶&五郎といった構図…。
最後に三者三様に見得を切って…幕となるのですが…。
私、此処だけがいささか不満にも…今までの盛り上がりに…チョッとなぁって感じも。
娘道成寺ならば…最後は蛇体となった花子は鐘に上って大見得を切る…。
お囃子も絶好調になって、ヒートアップする舞台ですが…。
いやぁ…ホンマ、この場面は興奮モノですが…。
其れも、後シテとなっての幕切れは圧巻ですよね…押し戻しと対になっての大見得ですから。

でも…今回の『大津絵…』になると…台に乗った鬼を中心に左右に弁慶と五郎を配しての富士の形の見得となる…。
亀鶴さんのはち切れんばかりの弁慶と…矢の根を振り廻しての五郎の翫雀さん。
其の真ん中にて藤十郎さんの鬼ですが…通力で押し込められるって構図には見えないよなぁ…(汗)

まぁ…大口の長袴を穿いて鐘の上に登れと言うのは…喜寿を迎えた藤十郎さんには厳しいかもしれないかな?
いやぁ…そんなこと無いでしょとも思う。
公演プログラムに掲載されている三代目延若さんの“念仏の鬼”は最後の幕切れには鐘の上に上っている構図が…。
娘道成寺の構図を摸している…。
うぅぅぅん…私はこっちの方が好きです。
と言うか…派手好きなんでしょうね(汗)
賑やかに華やかにって感じが…。
鐘の上に登っていたら、其れだけでも、高低の差があって派手にも見えますから。

三演目が終わって…今回の東京遠征はお仕舞いです♪
とっとと…劇場を出ましたよ…いやはや。
いても致し方ないし…(汗)


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