花餅屋廼徒然書附帖

歌舞伎の世界に魅入られた男の、余りにも刺激的でグダグダ過ぎる日々…

九月大歌舞伎in大阪松竹座 六代目中村勘九郎襲名披露

2012年09月23日 23時58分46秒 | 徒然に歌舞伎噺なと…

久し振りの…いや、七月以来の歌舞伎鑑賞です。
中村勘九郎襲名披露と銘打った公演です。
今回も、夜の部のみの鑑賞です。
色んな事情で…諸般の経済的な(汗)、体調も…いやはや。
通しは無理でも、別に日を改めたら…余計に無理ですね。

中村勘太郎改め
六代目中村勘九郎襲名披露
九月大歌舞伎

夜の部…。
一、女暫 

玉三郎さんが歌舞伎女方としての人間国宝に指定されて初めての歌舞伎公演…襲名披露を言祝ぐ江戸歌舞伎です。
歌舞伎十八番の『暫』の女バージョンと云うかパロディです…。
此の狂言も初めて観るのではないが、玉三郎さんの巴御前は初めて観ます。
流石でしたね。
華やかさもあるし…随所にパロディらしさもあって…笑いも存分に。
其れ以上に、やはり…綺麗だし、スキっとしている。
今までに観た女暫は、どうも間があった…いや、何とも云えない…オーラが感じられなかったんだ。
本家の暫みたいに大人数で、数でモノを云って…大きさを表す舞台ではなく、女暫は其の点、ショボサが垣間見れた。
でも今回の女暫は、玉三郎さんのオーラは勿論、大阪松竹座の舞台いっぱいに広がる歌舞伎の雰囲気が感じ取れた。
襲名披露に掛ける夜の部の幕開けですもの…また、人間国宝になった玉三郎さんの女伊達、粋で愛嬌があって…でも可愛らしさも存分に…。
楽しい狂言から始める夜の部…楽しみが続きますよ。

二、六代目中村勘九郎襲名披露 口上

幹部俳優たちが襲名をお祝いする…其れと御贔屓何れも様にどうぞ宜しくと…の、一幕です。
今回の襲名の披露役は、座頭格の坂東玉三郎丈。
御本人も仰られるよう、斯う言った役は初めてとか…まぁ、今回は実父の勘三郎さんが病気療養中で休演だし…中村屋御一門では…いないかぁ。
此の座組だと…我當さんが座頭とも見てもいいのだけれども…中村屋との縁の深さから見ても、玉三郎さんが最適でしょうね。
しかし口上の場でも、女方は拵えから話口調から…特に玉三郎さんは江戸風の小気味のいい口跡にての口上披露でした。

中でも…実弟の七之助君の挨拶には…少しウルッと来てしまいました…いやはや(汗)

三、勘九郎六変化 雨乞狐

夜の部での襲名披露狂言です。
義経千本桜の源九郎狐の孫の孫の其の又孫の狐のお話らしい…。
話は単純…旱魃が続いたので其の源九郎狐の子孫の狐が先祖の名に懸けて雨を降らそうとするお話。
あとは…狐だから、色々と姿を替えて…要は変化舞踊です。
最後には、雨を降らした功績を以って、初音の鼓から源九郎狐ならぬ、勘九郎狐と名前を頂くと…。
しかし…生き生きとした勘九郎さんの踊りには…笑いもあり、驚きもあり…艶っぽくもあり。
狐の嫁の姿は…お父さんの勘三郎さんかな?と思うほどに眼元がそっくりでしたよ。

四、雁のたより

上方狂言です。
上方勢で固めた配役で…まぁ、話しは無茶苦茶でも、最後は何とかハッピーエンドって感じ。
上方らしい…何とも云えん内容で…流石は、翫雀さん。
藤十郎さんかなとも思えるほどに…其の上方和事の、域に入ってますね。
ただ、上方狂言の多くのような義太夫狂言ではなく、テンポは違いますね。
下座音楽も面白く…いろんな面でふざけてるなぁ…って感じがするお話です。

でも、面白ければ…筋なんか無茶苦茶でも、いいって歌舞伎らしいですね…。
ホンマ、好きです…斯う云ったお話。

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久し振りの…いや、二箇月振りの大歌舞伎。
存分に楽しめました。
初心者にも楽しめる狂言立てだったし…。
ただ、雨乞狐が終わってからの幕間の間に帰ってしまう人が多かったのには、閉口しました。
そりゃぁ、新勘九郎さんを見に来たんだろうけれでも、此処大阪の地での上方狂言にて喜利になるのに…最後まで観ても十分に楽しいのに。
まぁ…こんなんだから、関西での歌舞伎公演が減ってしまっても致し方ないなぁと…思う次第です。
歌舞伎ファンじゃなく、ミーハーなんだよね…口上の場で玉三郎さんが歌舞伎をどうぞ御贔屓と…仰っておられても現実ですものね。
チョッと悲しくなって…劇場を後にしました…。



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