花餅屋廼徒然書附帖

歌舞伎の世界に魅入られた男の、余りにも刺激的でグダグダ過ぎる日々…

『坂東玉三郎特別舞踊公演』in大阪松竹座…押戻し篇(苦笑)

2008年03月08日 01時41分22秒 | 徒然に歌舞伎噺なと…
流石に、あまりにも長い(汗)…で、次回からはホンマに考えよう…。
自分が疲れる(汗)

鐘が落ちて来て…其の中に白拍子花子が…いるはず。
果たしてドウなったのか???
舞いながら最後には怪しい様子になって…最後には憎らしき鐘を落としたのだが…其れが恨みなのか…?

花道より大勢の男が押し寄せて来る…ザンバラ髪で真っ赤な出で立ちだ…。
鱗の模様が入る四天を着ているので、鱗四天…わかり易いが、ハテ…何者?
ドウも、後から遣って来る押戻しの勇者の手下らしいが…ハテ?
しかし…歌舞伎の手下って…訳のわからんのが多い。
大丈夫か?

鱗四天、打ち揃って、紅白の綱を手に取り…皆で此の鐘を引き上げに掛かる…相当な力持ちですね…。
しかし…此の引き上げの折りに聞えて来る…長唄連中の唄ですが…どうもお経みたいに聴こえて来るんだよなぁ…。
まぁ、此の場合、こう言ったのが雰囲気に合っているのかも?
……………………。
鐘が引き上げられた~っ!!!
其処には被衣を被ってうずくまる…何だ!何だ?…?白拍子とは打って変わった姿…妖怪か?否か?
被衣を深く被ったまま其の妖怪…花道の辺りまで進む…鱗四天を蹴散らして。
朱の大口の長袴を引き引き…其処で姿を現したる…正体見たりっ!
其れは清姫の亡霊…蛇体と成った恐ろしげ成る姿…。
打杖を手に取り、赤々とした長い毛を振り乱し…其の頭に角も…もう、此の世のモノではない…恐ろしく、青く黒く…隈取りをとった姿。
大きく口を開き、目を見開き…鱗四天を威嚇する…先程まで妖しく魅了していた花子が…其の怨霊が…憎悪が彼女を此のような姿の変えてしまったのだ…。
此の悪の中にも玉三郎さんの美へのこだわりが…伝わって来ます…。
玉三郎蛇体が花道辺りまで進むと…其処には今一人の蛇体が…スッポンからせり上がって来たのだったっ!!!!!!!!!!
菊之助蛇体が…玉三郎蛇体に寄り添って…あぁ、怖い。
亡霊…怨霊…憎しみの二重奏です。
あな、おそろしやぁ…しかし、此の蛇体となった清姫の亡霊…此のまま如何したいのか?
桜が今が春よと咲き誇る此の道成寺…再興成った鐘に、またもや取り憑いて来たのか…清姫め~っ!

其処へ…花道の奥…鳥屋辺りから何かが叫ぶ声が…?
あの独特な…台詞廻しは…っ!!
破邪の青竹を手にした勇者が…太刀を三本腰に差してドシドシと歩んで来る…。
其の勇者に勢いに負けてか…二人の蛇体は舞台中央にまで押し戻される…。
オォ…♪
まさしく、押戻しっ!
大館左馬五郎照秀の登場だ…っ!
勿論、海老蔵丈です…此処からは何故か歌舞伎十八番に成りますよ~♪
これまた…五郎ですね…荒事は五郎と言う相場なのか?

『大和屋の兄さんと、音羽屋の菊之助によぉく似た化け物めぇ~ッ!』
ありゃりゃ…(爆)
『俺の親父の市川團十郎がぁ幾度と勤めし十八番っ!歌舞伎の華の押戻しぃっ!!』
やんややんやのご喝采…!
しかし…親子ですね、いささか聞き辛い箇所が(汗)
早口?ははは…(苦笑)
三升の紋を染め抜いた海老茶の裃後見も出て来ました…よ♪
最高潮へと向かう此の舞台っ!
再び鐘が落とされる…其処へ二人の蛇体が…登って行くっ!
朱の大口長袴を引き摺り、鐘の上へ…。
赤々とした髪を振り乱して打杖を高々と突き上げる蛇体…。
其の蛇体に寄り添うかの如く、鐘の上でも屈んで下にいる照秀を睨みつける蛇体…。
先程までの鱗四天が一連の大蛇の胴となり…舞台所狭しと其の恐ろしき姿を如実に表しだした~っ!
鐘の上にて鎌首を上げる其の姿は…双頭の大蛇と成って、今は押戻さんとする照秀と対峙するっ!
数々の見得を切って…っ!

鐘の上から睨みつける…天を睨む蛇体。
下から其の溢れるばかりのパワーで圧倒する照秀。
其れを背後から取り巻くかのような鱗四天の蛇体…。
限界まで上り詰めて、互いに大見得を切るっ!
両者、見合って…柝が入る…チョンッ!

サラシ相方と成り…両者極まるっ!!!
大和屋~っ!
音羽屋~っ!
成田屋~っ!

『京鹿子娘二人道成寺』全段の終了です…。

玉三郎さんは…いつまで、こう言った素晴らしい舞台を魅せて頂けるのでしょうか…。
この様な気合の入った(?)いや、美への追求が…続く限り、あらゆる美しさを…妖艶さを…体力の続く日まで…イイですよね。

美しさに見惚れつつ…大阪松竹座をあとにしたのでした…。


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2 Comments

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恐ろしくも力強い大蛇でした (とみ(風知草))
2008-03-11 00:48:37
>大夫元さま
前後編の力作ですね。興奮のるつぼの舞台が甦ります。玉三郎丈の場を読みながら観客に媚びない舞台づくりに参りました。初見にやさしい,これきりにも悔いない御方であられます。
歌舞伎の楽しさの全てがゴザイマシタ!
なんせ田舎もんでろくに舞台見てませんので,ご贔屓様だけに分かることには,そうでしたかと恐縮するしかございませんもの…。
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大蛇でしたね。 (太夫元)
2008-03-11 01:05:21
おとみさん、ようこそのお渡り…有難う御座います。

>前後編の力作ですね。
もっと…記憶が残っている内に書き上げないといけませんね…無駄話が多くなる(苦笑)

>興奮のるつぼの舞台が甦ります。
こう言った舞台には…一年に数回ですね…心躍る舞台は…。

>初見にやさしい,これきりにも悔いない御方であられます。
そうですね!丈の舞台は常に御自分の世界も御座いましょうが…やはりお客様の視点で考えられた舞台でもありますね。
まだまだ初心者の域を脱しない私としましても、存分に楽しませてくれるお芝居です♪

>なんせ田舎もんでろくに舞台見てませんので,ご贔屓様だけに分かることには,そうでしたかと恐縮するしかございませんもの…。
ですよね…私も年に数回しか劇場に足を運びませんので…???が多いのも事実です。
あとで…そうでしたか(汗)って言うのもあったりと…まぁ、其処まで入り込むほどの身分じゃぁござんせんし(苦笑)
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