花餅屋廼徒然書附帖

歌舞伎の世界に魅入られた男の、余りにも刺激的でグダグダ過ぎる日々…

六世尾上菊五郎丈の著書…

2006年06月02日 01時57分39秒 | 徒然に歌舞伎噺なと…
一冊の本です…古書です。相当古いです…(汗)
六世尾上菊五郎丈の著作で、其の名も『藝』…物凄く勉強になります…。

私は三番叟舞踊が好きです…何故かは…???まぁ、好きなんですね。
で…数年前のある時、CDショップで見つけたのが義太夫『二人三番叟(寿式三番叟)』と言った、CDです…。
勿論、躊躇なく購入…(汗)
で、聴き入っています…ハハハ(汗)あの義太夫の唸る声が…あぁ♪
で、其の解説に興味深いことが…。
最後の最後に書いているのですよ…!

能では「翁」と言い、三番叟は狂言が受け持ちます。あくまでも荘重な翁が主ですが、舞踊の方では儀式的な味わいが薄れていますので、三番叟が主眼になっています。
能の「翁」と長唄の「翁千歳三番叟」に関する詳しく書かれた本があります。六代目尾上菊五郎が亡くなる二年前、昭和二十二年に著した「芸」がそれです。その本の中で三十八頁に亘って書かれています。入手し難い本ですが、一度読まれる事をおすすめします。(抜粋)

で、この『芸』と言う本を探すことと…成りました。
ナカナカ見つかりませんね…勿論のこと絶版ですし、図書館でも…。
其れが、ネットで古書街を検索し捲くったら見つかったのですよ。
勿論、結構なお値段となっていましたが、購入しました…少し考えましたよ(汗)
でも、それだけのことは十分ある本です。
ちょうど画像の部分は、『勧進帳』の延年の舞の部分を図で解説しながら舞い方を詳しく説明されている…。
富樫の位置に弁慶の位置…弁慶の中啓の持つ手の上げ下げに関しても詳しくと…。
ほかにも六世菊五郎丈の当たり役に関しても色々と解説に、心得…詳しく。
團菊祭のことも…。

で…最後の方にありました式三番叟…。
能の『翁』と、歌舞伎舞踊の『式三番叟』の違いとか内容が詳しく…其々の衣装は勿論、小物類までも詳しく書かれている。
舞踊に至っても、三番叟の足拍子の位置から烏飛びのことにまで…及ぶ、物凄く詳しく…。
基本的には今現在に伝わる長唄の『壽式三番叟(式三番叟)』について、唄から役者の心得などを…事細かに書かれています。
まぁ、これを参考にして、私の本サイトの三番叟の頁が成り立っているのですが…只今工事中で…移転途中で…(汗)早く復活させねば…。

ただ、ホンマに古い本なので…紙質も悪い…(汗)
ハードカバーで…外箱は傷んでいます…(汗)
旧漢字が多く…慣れるまでは…基本的に私は旧漢字は難なく読めますが…本当に戦後間もない頃に出た本ですね…。
戦後、連合国に占領されていたとき…、歌舞伎座を初めとして劇場が消失してしまったとき…、歌舞伎の復興を考えた上、書き記した書物なんでしょうね…。
伝承芸である歌舞伎を此処まで詳しく書き記すとは…当時の差し迫った六代目の心境があったのでしょうか…。

ただ、私のような者が持っていてもいいのかな?って、考えてしまうことも…(汗)

もし、機会があれば…探してみて下さいな。損はしませんよ…たぶん。


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2 Comments

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素敵な本ですね。 (とみ)
2006-06-03 20:10:02
>大夫元さま

風知草のとみです。

ゆっくり拝読し,三番叟の原点に思いを致しました。松羽目が苦手と申しましたが,素謡い習ったことありますので,物語や言葉が分からないわけではなく,場面転換が無いからと理由も分かっております。複式夢幻能形式の筋立ても大好きです。それなのに~。

それはそうと国立文楽劇場の5月楽日にはプログラムにない三番叟が特別上演されたとか。文楽の三番叟は初めて拝見したとき,足の無い人形が?と半信半疑でしたが,美しくかわいらしいものでした。ジャンルを超えて楽しみたいですね。

お忙しいのに探求心旺盛な大夫元さま!

暑い夏ですが,お仕事は佳境。お体に気を付けられ,浪花の歌舞伎の季節を満喫しましょう。

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そうでしょ!そうでしょ! (太夫元)
2006-06-04 00:48:02
おとみさま、こんばんは。

いつもお世話になっています。



>ゆっくり拝読し,三番叟の原点に思いを致しました。



有り難う御座います。そう言って頂ける事が…一番の慰みです>ヲイ!



>松羽目が苦手と申しましたが,素謡い習ったことありますので,物語や言葉が分からないわけではなく,場面転換が無いからと理由も分かっております。



そうなんですか…素謡を…いいですね。そう言った機会があることはお芝居を観る上でも、違った観点で観れますし…羨ましい限りです。

まぁ、松羽目物は本当に場面転換はイメージのみですから…如何に舞台に集中するか…それほどでもないか?



>それはそうと国立文楽劇場の5月楽日にはプログラムにない三番叟が特別上演されたとか。



えっ!そうなんですか!!ククッ~!



>ジャンルを超えて楽しみたいですね。



そうですね…ジャンルを越えて、あらゆる可能性を…難しいことはわかりませんが、面白いものを楽しいで(汗)



>お忙しいのに探求心旺盛な大夫元さま!



いやはや…(汗)調べだしたら…トコトン知りたくなって(笑)で…其れがナカナカとサイトに反映されない(涙)



>暑い夏ですが,お仕事は佳境。

>お体に気を付けられ,浪花の歌舞伎の季節を満喫しましょう。



ハイ、頑張ってお仕事第一です。

仕事があって、其れを頑張って、そのご褒美で芝居ですから(汗)

熱中症に負けないよう、張り切りますよ~!

で、浪花の夏の歌舞伎を思う存分と!

ワクワクしますよ~!



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