さて、
ここに座って、はや3時間が過ぎようとしております。
そのあいだ、なにをしていたのかといいますと、
ため息ついたり・アタマ抱えたり・酒ビン引っぱり出したり・貧乏ゆすりしたり・つまみ探したり・うなって天井をあおいだり
しておった、な。
なんも出てこねえっス。
ほら、なんだ、
「おや?こりゃ、ひょっとして?」って、自分を勘違いして明日への糧にするためには、
なんかソレっぽいもん、一行でも引き出しておくと楽なわけで、
うーん
「寿命は、30歳で、いいとおもう。」
本棚の隙間から漏れ出た光線に、指をかざす。
白い肌が血を透かして赤く、その先に光るつめ、さらに紅く。
「それは おれに しねってこと?」
斜めに延びた影の端から、その続きのような姿。
両腕に抱え込んだ分厚い革表紙。
「・・・また始まった。そんなこた言ってねっス。」
歌うように軽くささやいて、よっ、と飛び降りる。
きしむ床。金色のほこりが舞い上がる。
「30年も生きてりゃわかるだろっての。その先も続けたらいいかってのが、サ。」
逆行になって髪が輝く。つめと同じ真紅に。
光を吸って一瞬光った眼も、同じ色。
「おれは わからない。」
薄暗がりの中、まっすぐ目が合う。
床に落ちた陽光の輪。物憂い白。ゆっくりと、塵が横切る。
「かもね。・・・てか、あんたいくつよ?」
「おれは わからない。」
ふたたび沈黙。
ま、いいや。とにかくそれお貸しなさい。あたくち手ずから運んであげっから。」
ここに座って、はや3時間が過ぎようとしております。
そのあいだ、なにをしていたのかといいますと、
ため息ついたり・アタマ抱えたり・酒ビン引っぱり出したり・貧乏ゆすりしたり・つまみ探したり・うなって天井をあおいだり
しておった、な。
なんも出てこねえっス。
ほら、なんだ、
「おや?こりゃ、ひょっとして?」って、自分を勘違いして明日への糧にするためには、
なんかソレっぽいもん、一行でも引き出しておくと楽なわけで、
うーん
「寿命は、30歳で、いいとおもう。」
本棚の隙間から漏れ出た光線に、指をかざす。
白い肌が血を透かして赤く、その先に光るつめ、さらに紅く。
「それは おれに しねってこと?」
斜めに延びた影の端から、その続きのような姿。
両腕に抱え込んだ分厚い革表紙。
「・・・また始まった。そんなこた言ってねっス。」
歌うように軽くささやいて、よっ、と飛び降りる。
きしむ床。金色のほこりが舞い上がる。
「30年も生きてりゃわかるだろっての。その先も続けたらいいかってのが、サ。」
逆行になって髪が輝く。つめと同じ真紅に。
光を吸って一瞬光った眼も、同じ色。
「おれは わからない。」
薄暗がりの中、まっすぐ目が合う。
床に落ちた陽光の輪。物憂い白。ゆっくりと、塵が横切る。
「かもね。・・・てか、あんたいくつよ?」
「おれは わからない。」
ふたたび沈黙。
ま、いいや。とにかくそれお貸しなさい。あたくち手ずから運んであげっから。」