のぞき穴のむこう

後援:博愛主義ネクロフィリア協会(嘘)

パレット?

2006-11-15 02:45:55 | Weblog
さて、


ここに座って、はや3時間が過ぎようとしております。


そのあいだ、なにをしていたのかといいますと、


ため息ついたり・アタマ抱えたり・酒ビン引っぱり出したり・貧乏ゆすりしたり・つまみ探したり・うなって天井をあおいだり


しておった、な。






なんも出てこねえっス。



ほら、なんだ、
「おや?こりゃ、ひょっとして?」って、自分を勘違いして明日への糧にするためには、
なんかソレっぽいもん、一行でも引き出しておくと楽なわけで、


うーん




「寿命は、30歳で、いいとおもう。」

本棚の隙間から漏れ出た光線に、指をかざす。
白い肌が血を透かして赤く、その先に光るつめ、さらに紅く。

「それは おれに しねってこと?」

斜めに延びた影の端から、その続きのような姿。
両腕に抱え込んだ分厚い革表紙。

「・・・また始まった。そんなこた言ってねっス。」

歌うように軽くささやいて、よっ、と飛び降りる。
きしむ床。金色のほこりが舞い上がる。

「30年も生きてりゃわかるだろっての。その先も続けたらいいかってのが、サ。」

逆行になって髪が輝く。つめと同じ真紅に。
光を吸って一瞬光った眼も、同じ色。

「おれは わからない。」

薄暗がりの中、まっすぐ目が合う。
床に落ちた陽光の輪。物憂い白。ゆっくりと、塵が横切る。

「かもね。・・・てか、あんたいくつよ?」

「おれは わからない。」

ふたたび沈黙。


ま、いいや。とにかくそれお貸しなさい。あたくち手ずから運んであげっから。」