韓国文化の本を読みました。 . . . 本文を読む
畠中恵『しゃばけ』(新潮社)
表紙が可愛いので手にとってみたのですが、素直に読めて面白かった。
読んでいて、これは漫画にしたら楽しそう!と思ったのですが、
なんでもこの著者の方は、漫画家を目指していた方だとか。
道理でね。
なんだかコマ割まで見えそうな、楽しい作品でした。
妖怪があれこれ活躍して、ミステリー仕立て、時代劇風味。
主人公は大店の若だんなで、虚弱体質だけどシンは強い。
若だんなに仕 . . . 本文を読む
茨木のり子さんの訃報を新聞で読みました。
「わたしがいちばんきれいだったとき」はじめ、心にまっすぐ届くことばで、いろいろなことを語ってくれた詩人です。
国語の教科書にも「シジミ」が夜中の台所で笑っていて、自分も「鬼ばばの笑い」を笑う、というようなちょっとシュールな詩が載ってた気がします。今はどうなのかな。
ご本人の話しぶりも素敵で、文は人なりというとおりだと思ったものです。
お元気そうだったのに . . . 本文を読む
初出は「オール読物」、日本文藝家協会編「現代の小説'96」(徳間書店)にも掲載。
手に入りやすいのは文春文庫『レクイエム』。
死期の迫った夫とともに、夫の生まれ故郷へ足を踏み入れた女性の視点から語られる短編。
小千谷の豪農の息子との結婚。しかし夫は病み、初めて訪れる彼の故郷で死を迎える。連れ添ったのはわずかな期間でも夫婦は夫婦、と「私」は分骨を願い出るが、彼の父は許してくれそうにない。「私」は思 . . . 本文を読む
「F」というのは「落第」のFだそうだ。
どこか世渡り下手な、一般的には人生の成功者とは言えない女性を主人公に据えた短編7編からなるこの本には、作者自身があとがきを書いている。
このあとがきにも心を動かされた。今年の春世を去った作者の心のやわらかい部分に触れた気がして、切ない。
少し長くなるが、あとがきから以下引用。
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欲しかった「A」をもらえず、「A」どころか . . . 本文を読む