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人権をダシに名を売り 利を得る行為は、許し難い。 香川県弁護士会会長・徳田陽一編。

2020-05-26 01:31:36 | 憲法


その会長声明が、
「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例」に対する会長声明(R02/05/25)

結論から言えば、依存症のヤバさをまるで理解出来ていない連中による机上の空論

香川県においてネット・ゲーム依存症が「大きな社会問題となっている」との社会的事実を見いだすことはできない。

この手の依存を依存者も、各家庭も、隠そうとする。
事態が明らかになったときには、深刻な事態に達している。
それが依存症。
そして、医者には守秘義務がある。
表には、出にくい。

うち香川県内在住者は何人いるでしょうね。

会の道理に従えば、虐待周りも

「大きな社会問題となっている」との社会的事実を見いだすことはできない。

と切り捨てることができる。

大人の薬物依存と同様に、抜け出すことが困難であるとして特にその危険性を指摘している「射幸性が高いオンラインゲーム」については、本条例での定義規定を欠く

ならば、賭博罪は成り立たなくなる。
法典解釈では「社会通念」が要になる。会長は刑法の講義をサボっていたのか?

子どもの「ネット・ゲーム依存症」を成人の薬物依存と同視する論拠も明確ではない。

ならば、少年法は不要となる。
可逆性の高さは、子どもの特徴。

ちなみに、
始めるのが若いほど依存症になりやすい」と警告する。子どもは脳が十分に発達しておらず、快感や刺激を求める欲求が理性に勝る傾向があるという。

非行の一種として捉えれば、そのヤバさを容易に掴める。 

ゲーム行動ではないインターネット利用は、その対象となっておらず、

子どものネット利用者のうち、七割超がゲーム目的
娯楽・趣味目的のネット利用では、利用時間が跳ね上がる

平成30年度 青少年のインターネット利用環境実態調査

 ゲーム行動ではないインターネット利用、
大半は一日一時間も費やしていない。
時間制限を設定したところで、ゲーム行動ではないインターネット利用への影響は考え難い。

もし「ゲーム行動ではないインターネット利用」を適用除外とすれば、
子どもが「ゲーム行動ではないインターネット利用」などと下手な反論をすると予想される。減らず口を塞ぐならば、「ゲーム行動ではないインターネット利用」を適用除外としない一択。
時間制限を設定したところで、ゲーム行動ではないインターネット利用への影響は、考え難い。
(統計データくらい読みましょ)

憲法13条後段は、個人の人格的生存にかかわる重要な私的事項を公権力の介入・干渉なしに各自が自律的に決定できる自由(いわゆる自己決定権)を人権として保障している。

そして、人権のインフレ化を避けるため、その範囲を絞るものです。
自己決定権のうち、
・自己の生命、身体の処分
・家族の形成・維持
・リプロダクション
以外の事柄では、その要保護性が小さくなる。
当方の私見ではなく、憲法学界の大御所・佐藤幸治の見解。

未成年者の自己決定権が絡む裁判例は概ね、
・自己の生命、身体の処分
・家族の形成・維持
・リプロダクション
に該当していない。
そのためか、いずれの裁判例でも自己決定権の制約を許容している。
バイク免許やら、髪型やら、些末な事柄が出てくる。

ゲームが、
・自己の生命、身体の処分
・家族の形成・維持
・リプロダクション
に該当する世の中なのだろうか。

本条例が子どもの権利条約31条及び12条の趣旨に違背すること

国内で法律関係の完結する人権分野で、条約を持ち出す場面は一つ。
負け筋のとき、
だけです。
書き手が、

「今書いている事は筋が通らない」

と自覚している証。

国内で法律関係の完結する人権分野で、
条約存在感ほぼゼロです。

条約以上の法規、最高法規・日本国憲法があるから。

その年齢及び成熟度に従って

これ自己決定権への制約を正当化するときに使う文言です(ちゃんと佐藤本を読めよ)。
成熟度が上がれば、悪知恵が働くようになる。
成熟度が上がったから、制約を緩めては、
制約目的を達成できない。

インターネットを介した活動及びコンピュータゲームについても、子どもたちの余暇活動、レクリエーション活動、並びに文化的及び芸術的な活動として
前記の統計データと「一日一時間」許容する旨の条文を無視した、現実逃避的一節。

会長声明の書き手の杜撰さが、丸見え。
そもそも、なぜこの時期に出したのでしょうか。

……人権をダシに名を売る行為は、許し難い。

ちなみに、香川県弁護士会会長・徳田陽一(http://www.aomi-law.com/attorney/ )は、当方の先輩(京大法の)。企業向けの仕事に力を入れている模様。
そして、驚くことに、香川県には、名のあるゲーム会社があるらしい。
徳田陽一の事務所と香川県内のゲーム会社、接点はあるのでしょうか。

……

…………

嘆かわしい限りです。 


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