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アウトランダーPHEVを選べなかった理由

■ アウトランダーPHEVを買う気満々でした

 今回の買い換えは、電動化率が高い車を中心とした検討からスタートした。
 プリウスPHVやリーフは車内空間が手狭なことから、注目したのが三菱のアウトランダーPHEVである。半年以上「次に乗るならこのクルマ」と気に留めていた最有力候補だったのだが、最終的な契約に至らなかった理由を整理して記録しておきたい。

「PLUG-IN HYBRID EV」のロゴ


■ 予算が足りませんでした

 最大の理由は率直に言って予算が足りなかったことだ。上級グレードが選択できるだけの資金的余裕があれば他の理由は解消もしくは目をつむれたかもしれない。
 2018年8月にマイナーチェンジした19型アウトランダーPHEVの最廉価グレードは本体価格3,939,840円のG Limited Editionである。実際に販売店で出してもらった見積もりでは、クラリオン製ナビとETC車載器一式を0円で無償装着した上で、さらなる値引きの上乗せを匂わせてくれたがそれでも430万円台だ。欲しいオプションを追加したら、予算を100万円以上超過してしまう。
 こうした私の懐事情から、アウトランダーPHEVは中古車をメインターゲットに定めていた。
 具体的には予防安全技術「e-Assist」の性能が向上した2016年式以降で、試乗車など販売会社登録車両の動向を数か月間ウオッチしていた。三菱自動車の中古車サイトでアウトランダーPHEVを検索するとこうした車両が少なくない数ヒットする。2018年の年末時点では320万円台、2019年3月現在はもう少し安くなっていて310万円前後で購入できそうだ。

19型アウトランダーPHEVのカタログ


■ SUVの乗り味が合いませんでした

 第一候補と心に秘め訪れた三菱ディーラーでは、19型モデルのアウトランダーPHEV G Premium Packageに試乗させていただいた。だが、この試乗こそがターニングポイントとなった。
 営業担当者は、車内の静粛性とモーターならではの加速感に驚いてほしかったようだが、いずれも期待値以下だった。確かにEV走行で走り出した車内は静かでスムーズに加速することに誇張は無いのだが、驚くほどではなかった。むしろ、大きなボディとタイヤゆえの重厚感を強く感じた。なにしろ私の比較対象は10年乗った小型ハイブリッド車の2代目インサイトなのである。出発点が「PHEV欲しい」からの消去法的選択であり、SUVに乗りたいわけではない。私はインサイトと同じかそれ以上の軽快さを思い描いていた。期待が高すぎたと言えばその通りだが、最新モデルでしっくりこないのであれば世代の古い中古車は言わずもがなだろう。この短い試乗でアウトランダーPHEVへの熱が一気に冷めた。
 さらに、こればかりは巡り合わせとしか言い様がないのだが、店舗で対応した担当者に、私は購入見込みが薄いと判断されたフシがある。ボタンの掛け合わせが1つ違えば、結果は変わっていた。若干の迷いを抱きつつもアウトランダーPHEVに相当な魅力を感じている私に、購入プランや中古車の提案を含めた強いプッシュを期待していたのだ。
 運転感覚がなじまなかったことを含めて、今回アウトランダーPHEVと私は縁が無かったということだろう。

アウトランダーPHEV(海外向けモデル)


■ ピュアEVを求めていました

 19型モデルのアウトランダーPHEVのEV航続可能距離(WLTCモード)は57.6kmで、エアコン使用などで減衰する分を3分の1と多めに見込んでも40kmはエンジンを始動させず電気だけで走れることになる。私の通勤距離は往復20km弱なので、2日は確実にEV通勤できるが週に1度は充電が必要だ。近くにある三菱ディーラーの急速充電器を使えば25分程度で満充電できそうなことや、自宅に簡易な普通充電の設備を設置して深夜に充電することも検討した。
 さらにはガソリンと比べたEV走行のトータルコストを…
 …。
 ……。
 ………。
 調べているうちに、できる限りEVで走ることを考えている自分にハタと気がついた。
 「EVかPHEVが欲しい」から出発して、求める室内空間からアウトランダーPHEVに白羽の矢を立てたが、自分が求めるところはピュアなEVだった。現状のアウトランダーPHEVのEV性能では早晩満足しなくなる可能性が高い。

急速充電器設置場所の表示


■ EV化は次の機会に

 2018年7月に発売されたクラリティPHEVのEV走行可能距離は、カタログ値(WLTCモード)で101km。平日はほぼEVとして運用でき、長距離走行時にはハイブリッド走行で航続距離の不安はないだろう。だが、この性能に比例するように、クラリティCHEVの車両価格は5,880,600円で、私の予算の2倍近い。
 日産が孤高でバージョンアップを続ける電気自動車リーフは、航続距離450km(WLTCモード)を謳うリーフe+(2019年1月発売)の登場でようやく実用域に入ってきたと思うが、コンパクトカーからのラインナップ拡大は図られていない。
 数年後、次の買い換えの頃にはEVまたはPHEVがもっと現実的な選択肢になっているだろう。電動車への期待は先の楽しみにとっておくことにしよう。

プリウスPHVの充電口


【参考】

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