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ドコモ光 10ギガが開通したがIPv4通信ができなかった件



ホームゲートウェイは誰のもの?

 7月のある週末。ドコモ光 1ギガを契約中の我が家に、新たにドコモ光 10ギガを開通させる工事日を迎えた。最寄りの電柱から新しく光ファイバーを引き込み、既存の配管を通じて宅内に2本目のケーブルを敷設したあと、工事業者さんが「なにか機器が届いていませんか?」と聞いてきた。「届いたのはドコモからの封筒だけ」と答えると、2つの機器を持ってきた。
 1台は10G-ONUという型番で、その名の通りONU(回線終端装置)だ。もう1台はXG-100NEと記されていて端子や表示を見る限り光電話対応ルータだが、ホームゲートウェイと呼ぶらしい。これまで一体型だったONUとルータが、今後は2台になると説明を受けた。

左からPR-S300HI、XG-100NE、10G-ONU

 前回も記したとおり、ドコモ光の申込み時に10Gbps対応無線LANルーターのレンタルは不要と回答している。また、この時点では新規開通させる回線ではドコモ光電話は契約していない。ドコモ光Webサイトで10Gbps対応無線LANルーターについての記載を見ると、「NTT西日本エリアでのレンタルご利用は、お客さまからNTT西日本へのお申込みが必要です(NTT西日本からのサービス提供となります)」と記載されている。しかし、開通月のドコモ光の請求額を確認したが、10Gbps対応無線LANルーターのレンタル料は計上されていない。これまでのONU一体型ルータと同じ機能は引き続き無償で提供されるということだろうか。
ドコモ光 10ギガ開通月の料金内訳


「開通後しばらくIPv4サイトが閲覧できない」とは何か

 ドコモ光 10ギガを契約する際に告げられたのが、「開通工事後すぐに使えるのはIPv6通信だけで、Yahoo! JAPANやTwitter(現X)などIPv4対応サイトが閲覧できるまでには時間がかかります。」という説明だ。実のところイメージできていなかったが、その後ドコモから送付された開通案内の同梱資料で何となく仕掛けがわかった。資料には「工事完了後、速やかにお客さま自身で回線終端装置(ONU)と『10ギガ対応無線LANルータ』を接続し、電源を入れておくことで、アプリケーションが配信され、IPv4通信が利用可能となります。」と記載されていて、つまりは開通後、リモートでドコモnetからルーターにデータを送信してIPv4通信を開通させるため時間差が生ずるということのようだ。

IPv4通信開通工事についての説明

 工事業者さんはONUとホームゲートウェイを接続し、試験用端末からWi-Fiでホームゲートウェイに接続して正常な通信を確認したことを説明した上で、数時間経つとホームゲートウェイのデータ通信ランプが点灯するのでその後はIPv4サイトに接続できるようになる、と教えてくれた。工事の所要時間は約1時間30分。暑い中、おつかれさまでした。
 さっそく、ドコモ光 10ギガの回線に接続してみると、Google検索YouTubeは問題なく閲覧できるのだが、たしかにYahoo! JAPANTwitter(現X)のタイムラインなど多くのWebサイトに接続できなかった。これらのサイトはIPv4ということになる。2023年7月時点で「IPv4サイトが閲覧できない」ことは大半のWebサイトやWebサービスが利用できない事を意味する。ドコモ光 10ギガサービスへプラン変更する際はこのダウンタイムを十分に意識しておく必要がある。


データ通信ランプは点灯しているのにIPv4通信ができない

 工事完了から6時間ほど経つと、ホームゲートウェイの「データ通信」のランプが青色に点灯していた。これでIPv4サイトも閲覧できるはずだ。

 ・・・が状況は変わらない。
 端末を再起動してもホームゲートウェイを再起動しても同じだ。「データ通信」ランプが点灯したらIPv4開通工事は完了ではなかったのか。Webを検索するとIPv4サイトが見られるまで数日かかったというレポートもあり、そういうものかと無理やり納得させてこのまま様子を見ることにした。というのも、解約新規でドコモ光 10ギガを開通させた我が家では従前からのドコモ光 1ギガ回線がそのまま残っており、宅内機器への配線は1ギガ側に接続したままなので日常のWeb接続には何の支障もないのだ。特典dポイントに目がくらんで解約新規の誘いに乗っただけだが、こんな形の恩恵もあった。
 後日、故障担当窓口で確認したところ、本来は「データ通信」ランプが点灯すれば、すぐにIPv4サイトが閲覧できるとのことだった。やはり正常な挙動ではなかったのだ。
 毎日状況を確認していると、4日目にYahoo! JAPANやTwitter(現X)が見られるようになった。「データ通信」ランプが付いてもDNS浸透みたいに日数がかかるのだなと誤った理解をしながら、さらに3日間様子見をしてから、いよいよ宅内機器のWAN側回線をドコモ光 10ギガ回線に切り替えることにした。いったんONUとホームゲートウェイの電源やケーブルを全て抜き配線を整理して再接続すると、すぐ「データ通信」ランプが点灯したが、再びIPv4サイトに接続できなくなる。なんだ、これ? ドコモnet IPv6確認サイトで確認しても、たしかにIPv4通信ができていない。

IPv4は利用不可

 その後、ホームゲートウェイの初期化や再起動を何回となく実施し、(根拠はないが)前回と同じく4日間待ったのだがどうにも改善しないので、ドコモインフォメーションセンターに相談することにした。これが7月下旬である。ドコモ光設定担当氏に経緯を説明し、機器のランプの点灯状態を確認の上、電話口での指示どおりONUとホームゲートウェイの電源を抜き再接続を行ったが状況は変わらず。さらに故障担当にも転送されたが進展は無く、結局修理担当から後日連絡をもらえることになった。「ドコモ光とドコモnetならドコモがワンストップでサポート」と宣伝しているが、電話がどんどん転送されるだけで窓口対応は満足できるレベルではない。ここでは詳しく書かないが、自社サービスであるドコモnet利用なのに他社プロバイダ利用だと勘違いされ、今回のトラブル解決に他社コールセンターを案内されたりもした。「ワンストップってこういう意味でしたっけ?」とグチりたくもなる。
 また、設定確認のやり取りで「初期状態」のランプは消えている、と言ったら驚かれた。この時に判明したのだが、プロバイダにドコモnetを選択するならホームゲートウェイは初期状態のまま何の設定を行う必要も無いとのこと。そう言われるならと、初期化したあとXG-100NEは管理パスワードすら未設定の「初期状態」にしてあるが本当にそれでいいのだろうか。
 その翌日になって故障担当(NTT西日本の窓口と思われる)から連絡があり、「ドコモ光 10ギガ含むフレッツ光クロスの一部環境においてIPv4 over IPv6で正常に接続できない事象が発生していて、まだ原因が特定できてない。進展があれば連絡する」という話だった。しかし、NTT西日本公式の故障情報には何の記載も無い。


直ったのか? 直ってないのか?

 あれから半月が経過した。
 8月の上旬にIPv4通信が通るようになったが、「時々、あれ?と思うことがある」というのが現状である。
 具体的にはGalaxy S23 UltraからのWi-Fiアクセス時に接続できないWebサイトやアプリが存在する。スリープから復帰させると百発百中だ。XやTikTok、EX予約アプリそれにgooのWebサイトなどで発生する。それらはモバイル回線に切り替えればすぐに閲覧できるし、Wi-FiのON/OFFだとかホームゲートウェイの再起動だとかリセット的な操作を行えば一時的に改善する。ChromebookやiPhoneからは接続できるので環境依存であることも否定できず、ドコモ光の問題というかホームゲートウェイXG-100NEが原因だろうと思うのだが、Xやネット上には数年前から試行錯誤の報告が上がっているのに事象は修正されていない。

 そういえば、故障担当さん。「進展があれば連絡する」は本当なんでしょうね。


ドコモ故障担当さんから連絡があった (2023/11/11追記)

 もう連絡は無いと思っていたのだが、そこは律儀なドコモさん、11月になって状況を連絡してきた。
 それによれば、IPv4サイトに正常に接続出来ない事象は8月にアプリの更新により解消したとのこと。記録を辿ると2023/08/22にXG-100NEのファームウェアアップデートが行われ03.00.0003に更新されている。この際に修正が行われたのだろう。せっかくの機会なので、XG-100NEに問題があると断定は出来ないが、我が家で発生しているGalaxy S23 Ultraからの接続障害事象について報告しておいた。
 個別の問い合わせにしっかりと回答し、状況を確認する姿勢は評価したい。



参考

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