惚けた遊び! 

タタタッ

抜粋 辻 秀一『ゾーンに入る技術』フォレスト2545新書 2011

2018年08月02日 | 野球
 

 パフォーマンスでは常に、「何をするのか」ということと、それを「どんな心の状態(どうやって)でやるのか」という二つの要因が重要になる。


 パフォーマンスの質を高いレベルで決定する心の状態を、「FLOW(フロー)状態」と呼んでいる。


 フロー状態は次のように表現されていることもある。
「集中力が抜群で、活動に完璧に没頭している最高の状態」


 集中こそが、フロー状態なのだ。


 フロー状態は、
「一つの活動に深く没入しているので、他の何ものも問題にならなくなる状態になる。そして、その経験(活動)自体が非常に楽しいので、純粋にそれをするために多くの時間や労力を費やすようになる心の状態」


 気が散って集中できていない心の状態をノンフロー状態と呼ぶ。ノンフロー状態とは一言で言えば、「揺らぎ」「とらわれ」の状態だ。


*フロー (英: Flow) とは、人間がそのときしていることに、完全に浸り、精力的に集中している感覚に特徴づけられ、完全にのめり込んでいて、その過程が活発さにおいて成功しているような活動における、精神的な状態をいう。ゾーン、ピークエクスペリエンス、無我の境地、忘我状態とも呼ばれる。心理学者のミハイ・チクセントミハイによって提唱され、その概念は、あらゆる分野に渡って広く論及されている。(ウィキペディア)

*竺仙と未配が見たところによれば、明確に列挙することができるフロー体験の構成要素が存在する。彼は8つ挙げている。
1. 明確な目的(予想と法則が認識できる)
2. 専念と集中、注意力の限定された分野への高度な集中。(活動に従事する人が、それに深く集中し探求する機会を持つ)
3. 自己に対する意識の感覚の低下、活動と意識の融合。
4. 時間感覚のゆがみ - 時間への我々の主体的な経験の変更
5. 直接的で即座な反応(活動の過程における成功と失敗が明確で、行動が必要に応じて調節される)
6. 能力の水準と難易度とのバランス(活動が易しすぎず、難しすぎない)
7. 状況や活動を自分で制御している感覚。
8. 活動に本質的な価値がある、だから活動が苦にならない。
フローを経験するためにこれら要素のすべてが必要というわけではない。(ウィキペディア)

*この概念は西欧心理学の中ではチクセントミハイによってはじめて示したと言える。しかし、彼はこの心理現象に気づき、それに基づく技術を開発したのは、ほぼ間違いなく彼が最初ではないと、彼自身、躊躇なく認めている。
2500年以上前、仏教や道教といった東洋の精神的な伝統の実践者は、この訓練を彼らの精神開発の非常に中心的な部分として磨いた。日本の実践者は、そのような禅の技術を、彼らの選んだ、剣道から生け花までを含む、芸術の形式(芸道など)を習得するために学んだ。
あまりに使われすぎた慣用句「ビーイング・アット・ワン・ウィズ・シングス」(物と一体化する)も、この概念を説明するのに使われる。
教育にあっては、過剰学習の概念があり、これは、この技術に重要な要素となっているように思われる—少なくとも肉体的な技能を学んでいる場合には。それに加えて、多くの現代のスポーツ選手は、よくこの「ゾーンに入る」(何もかもがうまくいく)という現象を経験する。
基本的な発想が東洋と西洋とで同じであったり自然科学者、霊的指導者、スポーツ選手の間で共有されているということに価値があるわけではない。チクセントミハイは、他のものが精神集中的な発展や肉体的な熟達や他の自己改善の形式の発展性に集中している一方で、活動の場のデザインのような現代西洋文化要素の改良について、これから結論を描いただけであろう。実際、東洋の精神的な実践者は、現在の科学的な心理学者たちが用いようと試みてきた組織的な厳密さや制御とは異なる方法で試験し改善してきたにしても、この主題を中心にして、非常に徹底的で全人的な理論の集成を発展させてきた。(ウィキペディア)


 私たちの脳は環境や出来事や他人に対して、さまざまな意味付けを勝手にしていくように仕組まれている。


 それが、認知脳による外部状況や出来事に対する意味付けだ。


 どんな人も、認知の仕組みを有しているがために、本来は意味など付いてない出来事や状況に勝手に意味付けして感情を起こす。


 本気とは理由や条件などに頼ることのない恒常的な安定したエネルギーの自家発電状態を言う。これを内発的動機の状態と心理学では呼ぶ。


 内発的動機により高いエネルギーで生きる習慣が、カイロスタイムを生み出し、その先に「ゾーン」がやって来るのである。


*カイロス(古希: Καιρός, ラテン文字転写:Kairos, ラテン語形:Caerus)は、ギリシア語で「機会(チャンス)」を意味する καιρός を神格化した男性神である。元は「刻む」という意味の動詞に由来しているという。キオスの悲劇作家イオーンによれば、ゼウスの末子とされている。
カイロスの風貌の特徴として、頭髪が挙げられる。後代での彼の彫像は、前髪は長いが後頭部が禿げた美少年として表されており、「チャンスの神は前髪しかない」とは「好機はすぐに捉えなければ後から捉えることは出来ない」という意味だが、この諺はこの神に由来するものであると思われる。また、両足には翼が付いているとも言われている。オリュンピアにはカイロスの祭壇があった。
ギリシア語では、「時」を表す言葉が καιρός (カイロス)と χρόνος (クロノス)の2つがある。前者は「時刻」を、後者は「時間」を指している。
また、「クロノス時間」として、過去から未来へと一定速度・一定方向で機械的に流れる連続した時間を表現し、「カイロス時間」として、一瞬や人間の主観的な時間を表すこともある。内面的な時間。((ウィキペディア)


 心をフロー状態にする脳についての知識を忘れないようにし、とにかく理屈抜きに実践すること、そしてその実践によって感じる体感をシェアしていくこと。


 心に「揺らぎ」や「とらわれ」が起こってノンフロー状態になったら、その背景に自分の認知脳による意味付けがあるということに気づこう。


 耳に入れる言葉で心は出来る。


 イチロー選手がインタビューにゆっくり答えているのは、みんなにどう思われるかではなく、自分の耳にどんな言葉を入れて心の状態をフローに保つのかということに集中している証だと思う。


 腹式呼吸(丹田呼吸)は、口から吐いて鼻から吸う。吸うのが壱で、吐くのが弐の割合でやる。基本は参秒吸って六秒吐く。


 自分の心を外部状況に支配されてしまっているからだ。


 しかし、イチロー選手はその場合、一言「別に」と言うだろう。そして、「今するべきことをするだけですから」と言うに違いない。フローの価値を知り抜いているからだ。


 そこで、常に「今に生きる」「今を大切にする」「今に全力」などの言葉を自分に唱えて、今に生きるという思考の選択を脳の中に形成していかなくてはならない。


 自分自身の心をフロー化する。すなわち「揺らがず」「とらわれず」の心の状態に傾かせることだけが夢や目標を想像する唯一の脳の使い方だ。


 フォワードの法則
 与えることで、自分自身にもフロー状態がやってくるという法則だ。……。「与える」ということそのものが、自分をフロー状態に傾けるという人間固有の崇高な脳の力だ。


 感動、感心、そして感謝。感謝こそ、どんな時にも自分をフローに傾けパフォーマンスをもたらしてくれるのだと強く強調されていた。(栄花直輝選手談)


 こころの状態を外部の状況に支配されることなく、最適・最高のパフォーマンスを出すフロー状態に傾けることのできる集中の達人こそ、バイブレインの持ち主だ。


 今に着目すると、意味を付けにくいので必ず心はフロー化が起きる。


 ただ、「ありがたい」と考えて心にフロー化を起こしながら……


 頑張れと考えていれば、フロー化が必ずやって来るはずだ。人間にはその仕組みがあるからだ。


 フローを選択できればゾーンは必やって来る!





*平成三十年八月二日抜粋終了。
*参考 https://kokoromanual.com/zone.html




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